日経新聞によると、楽天と松井証券と提携したネット専業商品先物取引会社ドットコモディティの車田副社長によると、同社は経営再建中の双日と貴金属市場およびアルミニウム市場に関する事業を中心として包括的に提携し、双日が保有する同市場における受託業務をドットコモが譲り受けることに合意したそうだ。
コスト削減、利便性も追求
 楽天や松井証券などの出資を受け五月に業務を始めるインターネット専業の商品取引会社ドットコモディティ(東京・渋谷)の創業者である車田直昭副社長はインタビューに応じ、双日との包括提携を明らかにした。委託手数料の安さだけにとどまらず、顧客の利便性を追求したビジネスモデルを目指す姿勢も示した。
 ――経済産業省で商品先物行政を担当した経験がある。自ら起業した動機は。
 「商品先物市場は経済インフラとして価値があり、資産運用の場としても将来性があると感じていた。証券業界に比べ広がりが遅れているオンライン取引を普及させれば市場拡大につながり、日本経済にも貢献できると考えた」
 ――双日から東京工業品取引所の貴金属、アルミニウム市場の受託営業権を買い取ることで合意した。
 「業界で最も安い手数料を目指すには、コスト削減が欠かせない。東工取で新規に会員権を取得するより参入コストは四千五百万円ほど少なくて済む」
 ――業務提携にも踏み込むのか。
 「投資家が現受けした地金の転売や保管といったサポートもしていく。双日が持つ現物流通のノウハウを活用したい」
 ――手数料の安さを強調するが、どの程度に落ち着きそうか。
 「現段階では業界で最も安い水準を目指す、としか言えない。実現へ向けあらゆるコスト削減に取り組んでいる。石油製品やゴムも受託営業権を譲り受けて参入できればいいと考えている」
 ――ネット専業には先行組がいるし、既存の商取会社もネット取引をしている。競争が厳しいなかで勝機はあるのか。
 「安さだけでなく、早さ、便利さなどで競う。市場の価格をみて注文が迅速に出せるソフトを使う。投資家が取引時に入力するユーザーIDを自由に設定できるようにもする。新しいIDを取引会社が設定して顧客に覚えさせるより便利なはずだ」
 「ネットを使った入出金システムも整えたい。例えば証拠金の残高不足で翌朝からの売買のために追加入金が必要になる場合でも、ネット決済できれば翌朝の寄り付きから売買が可能だ」
 ――東工取以外の市場に関心はないのか。
 「東京穀物商品取引所ではコメ先物市場の設立計画があるが、取引人気が高まれば参加を考えたい。外国為替証拠金取引などの金融先物は、提携先の証券会社がすでに手掛けているので参入するつもりはない」

ドットコモディティと双日のプレスリリースでは、
ドットコモは、新規加入の場合に必要な加入金の一部を支払うことなく東工取の受託会員になれることで、約45百万円のコスト削減を行うことができます。これにより、顧客に対してより低い手数料でサービスを提供することが可能となります。

と、かなりドットコモにとっておいしい提携話だったようだ。

微妙に気になるのは、松井や楽天証券とともにドットコモディティと提携する
らしいオリックス証券の親会社のオリックスの株を最近双日が売却しているということだ。何か関係がありそうでなさそうなニュースかもしれない。

そういえば、昨年末には日商岩井フューチャーズが年明けからの対面販売の手数料引き下げを表明していてるけど、日商岩井って元は日商岩井・ニチメン・・・。 ともかく商品先物業界は値下げ競争がさらに加速しそうだ。

ドットコモ車田副社長のブログ
ドットコモディテイ株式会社と双日株式会社との包括的事業提携等について
(PDF)

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