楽天国重氏日経新聞に、楽天国重常務とライブドア堀江社長のネット銀行参入についてのインタビュ記事があった。まずは楽天の国重氏のほうだが、楽天はまだ参入に慎重のようだ。
国重惇史氏、もうかる確信持てない

 ――楽天は銀行買収に動かなくていいのか。

 「今のところない。業務を進めていくうえで結果的に持つことはあっても、銀行を持つこと自体は目的にしていない。三木谷浩史社長も私も銀行出身だから『(一般企業とは違う制約など)銀行とは何か』とそれなりに思うところがある」

 「ローンは銀行でなくてもできる。楽天は今のところノンバンク路線。昨秋に買収した楽天クレジット(旧あおぞらカード)は三百億円のローン残高がある。銀行ほど規制はなく、経営の自由度は高い」

 ――楽天はネット上で仮想商店街を手掛けている。銀行の決済業務に関心がないのか。

 「決済業務でもうかる確信がまだ持てない。システムにお金がかかる一方、決済手数料は下がり続けている。決済業務を中心にして先行するネット銀行では累積損失が消えていない。決済業務で銀行はインフラ。他行を利用すれば済む」

 ――ネット競売やショッピングが盛んなヤフーはネット銀行を興す。

 「(年間約六千億円の流通総額がある)ヤフーは規模が大きく、決済も相当な量になる。決済機能を手に入れたいという目的がはっきりしているのはよい。ただ単に銀行が欲しいというだけで、狙いがはっきりしないのは問題だ。乱立で経営が問題となった『銀行の大衆化』の再来ともいわれそうだ。金融庁の認可の基準もあいまいだと世間からいわれかねないのではないだろうか」


楽天はあくまでノンバンク路線とのことだが、本音では楽天グループの背後には三井住友グループがありその傘下にジャパンネット銀行があるから参入しにくいのではないだろうか。また、最近新生銀行とも提携している。買収好きの楽天だが、金融部門は当面楽天証券中心の布陣となりそうだ。儲かる自信がないと言っているものの野球と同じように儲かる確信がもてたときに方針転換は早いかもしれない。

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