イー・トレード証券のログインした後のURLにtrading2.etrade.ne.jpというのができたのが掲示板で少し話題になったが、昨年末のイー・トレード証券のシステム増強が、日経コンピュータで取り上げられていた。それによると、今回の増強のきっかけは、イー・トレード証券会長北尾吉孝氏の一言だったらしい。
★トピックス★
これを読むと、最近の取引急増にシステムが間に合ったのは、北尾会長のシンプルな発想によるものだったことがわかる。
イー・トレード証券の取引システムはIDによってログイン後に四谷か大手町のシステムに割り振られる。私はtrading2.etrade.ne.jpだったので、大手町に回されているようだ。(どういう基準で分けられているのかは不明だが)
【北尾吉孝氏の本】
★トピックス★
「何なら、もう一つ作ってしまえばいいじゃないか」。イー・トレード証券会長の北尾吉孝は、助手席に座る情報システム担当の取締役兼執行役員である佐藤義仁にこう話しかけた。2004年3月下旬、所用で移動中の社内でのことだ。
そのころ、北尾はオンライン取引システムへの負荷が無視できないほど増えている、と何度も報告を受けていた。北尾はその解決策として、同じシステムをもう一組増設して処理能力を上げたらどうかと提案したのである。
佐藤は北尾の言葉に一瞬驚いた。しかし、すぐに「これはいける」と思い直した。「既に動いているシステムと同じものを丸ごと追加すれば、確実に処理能力を倍増できる。専門家からはなかなかでないアイデアだが、理にかなっている」。
年末にも処理能力の限界が来る
NRI証券システムサービス開発一部上級システムエンジニアである城谷勝は、「利用可能なTCP/IPの論理ポート番号をすべて使い切ってしまうかもしれない」と危惧していた。
・・・・北尾の一言はまさに渡り舟だった。・・・・
利用者に変化を感じさせないよう苦慮
既存システムはNRIの二つのデータセンターで運用しているが、新システムはイー・トレード証券の要望で、東京・大手町にあるソフトバンク系列のブロードバンドタワー(BBT)のデータセンターを利用する。
・・・利用者の振り分けについては、既存システムでまず受け付けてIDをチェックし、新システムが管理する顧客なら、そちらのサーバーに振り分けるようにした。
木村は、「面倒だったのは、別のWebサイトに飛んだ利用者を、元のシステムに正しく戻す方法だった。」と語る。ネット証券会社のオンライン取引システムは、金融情報提供サイトなど他のWebサイトへのリンクを大量に張っている。イー・トレード証券のサイトから別のサイトに移動し、また戻ってくるといった利用パターンはよく見られる。
イー・トレード証券のシステムが一つなら問題はない。しかしシステムが2組あると、どちらのシステムから移動したのかを把握しなければいけなくなる。この問題は、利用者のWebブラウザにCookieを送信して、どちらのシステムに戻すべきなのかをチェックすることで解決した。その後、システムの負荷を下げるために、チェックの数を1回に減らすのに苦労した。
本番環境でのテストにこだわる
2004年10月に開始したテストは、本番環境を使ったものだけで計8回実施した。「テスト環境で大量のアクセスを再現するのは不可能。本番環境でのテストにこだわって品質を上げるのが当社の方針」と木村は言い切る。
イー・トレード証券のサービスは、原則として週7日24時間稼動だが、テスト期間中はどにちのいずれかを「メンテナンス中」としてシステムを停止した。
実運用を4段階にわけ危機を防ぐ
新システムの本番稼動までの作業も、慎重に進めた。全体で1ヶ月近い期間をかけ、4度に分けて実行した。
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イー・トレード証券が、既存システムと新システムの2本体制で実際の取引を処理しはじめたのは2004年12月27日。システムの品質に細心の注意を払った甲斐あって、10数億円を投じたプロジェクトは無事に終わった。
イー・トレード証券の佐藤は、稼動後も気を緩めない。「100万口座獲得という目標や今後の取引の増加を考えると、まだまだやるべきことは多い。来年には同じ規模のシステムをもう1セット増やすこともありうる」と話す。
これを読むと、最近の取引急増にシステムが間に合ったのは、北尾会長のシンプルな発想によるものだったことがわかる。
イー・トレード証券の取引システムはIDによってログイン後に四谷か大手町のシステムに割り振られる。私はtrading2.etrade.ne.jpだったので、大手町に回されているようだ。(どういう基準で分けられているのかは不明だが)
【北尾吉孝氏の本】