西京銀行ライブドアとの提携で一躍知名度が全国区になった西京銀行だったが、西京ライブドア銀行の設立にとどまらず、ネット証券最大手のイー・トレード証券とも提携することになった。IPO候補企業の紹介で協力するという。
西京銀行との市場誘導ビジネスを活用した事業展開について

〜IPO候補企業の紹介で提携〜

 イー・トレード証券株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:井土太良、以下 イー・トレード証券)は、株式会社西京銀行(本店:山口県周南市、取締役頭取:大橋光博、以下 西京銀行)と提携し、2005年2月10日より、市場誘導ビジネスの展開を行うことで合意いたしましたのでお知らせします。

 西京銀行との提携は、イー・トレード証券に、山口県を中心とする中国地方において株式公開を志向する企業の引受実績につながると期待しています。

 業界で初めて新規公開株式の抽選による配分を導入したイー・トレード証券では、これまで224社の新規株式上場の引受に携わっています。オンライン専業証券として最大の532,508口座(2005年1月末現在)を超える口座数と、高い個人売買代金シェア(2004年4月〜12月における個人売買代金シェア22.6%を背景に、当社の引受件数も、74件(2004年4月〜12月、上場日基準)と昨年度1年間の42件を大きく上回っています。

 発行体にとりましては、個人株主数の拡大と、公開後の市場での流動性の向上を目的として、ネット証券を引受シンジケート団に指名する傾向が高まっています。2003年度においては、ネット専業証券の新規上場時の引受への参入率は約76%、今第3四半期(4月〜12月)における参入率は86%を超えています。

 それぞれの地域に密着した地方銀行との市場誘導ビジネスによる連携を拡大することで、これまで発掘できなかった地域において株式公開を志向する企業の発掘が可能となるとともに、引受件数の更なる拡大を目指します。また、新規公開企業の株式は個人投資家にとって魅力的な商品であるため、今回の提携による引受件数の増大は、顧客満足の向上に直結すると考えます。

 イー・トレード証券は、企業の資金需要と個人の投資需要をマッチングすることにより、より多くの投資家の証券市場への参加を促進するとともに、日本経済の活性化に貢献して参ります。

以上


イー・トレード証券を含めてネット証券業界ではあの手この手でIPOの取扱量を増やそうと必死になっているが、これまでソフトバンクグループ内のVCで出資し、ヘラクレスで上場させる戦略をとってきたSBI/イー・トレード証券が今度は地方発の企業を地銀と提携することで、IPO候補企業の幅を広げるつもりのようだ。おそらく、SBI北尾会長は今までのソフトバンクが得意としてきたITベンチャーだけでなく、その他の業種の企業の育成ビジネスにも進出したいのだろう。
西京銀行にとっては、場合によっては親会社のSBIのVC・ファンドが先行で投資してくれる可能性もあり、山口県や近県の経済に与える影響もかなりあると思われる。

地方からイノベーションを起こす企業が出てくる例は結構珍しくなく、例えばユニクロのファーストリテーリングが山口県発祥であることは有名だ。第二のユニクロになる企業が発掘できれば面白い。