2月14日発売の週刊現代の件で、後半部分が不明だったので、しかたなくだまされたと思って350円で週刊現代を買ってみた。記事によると元久氏はインタビューで株取引はしていたものの、法令違反でもなく社内規定にも違反していなかったと答えていた。また週刊現代は松井道夫社長の自宅まで行って取材までしたが、記事では結局違反行為の事実があったという結論は何も出ていなかったので、松井証券の株価は前日比10円高と全然影響が無かった。
記事の続きによると、

直訴した若手社員が元久氏の口座に関する個人情報を社内のメールでやり取りしたとして懲戒解雇。本吉氏はこの時に辞めたわけではなく、法務課課長になった。(なぜかその後についての記述はなし)

週刊現代は武富士社長の元久氏に自宅近くのレストランでインタビューしたが、
元久氏は、場中の取引ではなくではなく、場中以外の勤務時間中に注文したもので最低でも1ヶ月間は所有していたので短期売買ではないと回答。また、03年7月以前は自社株以外は社の事前承認は必要なかったので、申請はしていないと回答。1日ではなく、通算で50〜60銘柄の売買だったそうだ。

また、松井道夫社長の自宅にも取材に行き、インターホン越しにインタビューを試みたところ、松井社長自身が、
「話があったので調査したことはあるが、そういう事実はなかったと結論が出ています。ウチには法律より厳しい社内規定がある。後は総務部に訊ねてください」と回答したそうだ。

さらに週刊現代は金融庁証券課にまで取材し、「(本誌が発売されて)証券取引等監視委員会が調査し、証券取引法に違反する行為があれば、厳しい行政処分が課されるでしょう。」と記事に書いている。これについては(本誌が発売)すると調査が始まると勝手に決めているような気がしてならない。ちなみに監視委員会には情報提供できる正式な窓口がある

記事の最後は、「松井証券がネット証券最大手に成長するため、元久氏が果たした役割は大きかったという。それゆえ元久氏の行為に目をつぶっていたとしたら、代償もあまりにも大きい。」と、仮定の話でテキトウな結論を書いて終わっている。

週刊誌ではよくありがちな取材記事だが株価に影響が無く、松井証券・武富士ともに何も反応しないところを見ると、本当に当てずっぽうな記事だったということだろう。

□本吉正雄氏のブログ(作家とはいえ、ブログが多いような・・・)
本吉正雄の本棚
元日銀マンがウラ読みする日経新聞
本吉正雄のGoo日記

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