だいこう証券ビジネスという会社をご存知だろうか。日本証券代行や東京証券代行と同じく、名義書換えの取次ぎを行っている会社で、大阪の証券会社をあいてにしてきた大阪発祥の企業だ。どちらかというと事業会社というよりは証券業界内の社会的インフラの性格がある会社で代々社長は大蔵省のOBが天下りしていたそうだ。それが、あるころからネット証券と深くかかわりを持つようになってきたのである。
これも日経金融新聞で読んだのだが、株券の証券振替え機構への集中が進んだりする中で、株券の保管などの業務ではやっていけなくなってきているということで、証券会社のバックオフィスのアウトソーシングを受注することを模索してきたらしく、大蔵省のOBの竹内社長という人がトップになったとたん、中途採用をふやすなどしてネット証券のアウトソーシングを受ける体制をととのえていったようだ。大蔵省のOBにも、やる気のある人はいるものだ。

ネット証券はどこも社員数をできるだけ少なくすることが、生き残る上で必要だが、大量の口座開設や入金確認のような業務はある程度の人員を置かなくてはならない。そこに目をつけたのがだいこう証券ビジネスだったわけだ。

また、だいこう証券ビジネスは、株の注文の取次ぎもできるので、極端なことを言うと、東証と直接つながっていなくてもだいこう証券を利用すれば証券会社を作れてしまうのだ。実際にだいこう証券ビジネスのコンサルティングで沖縄の経済特区に海洋証券としう証券会社が誕生している。

じみな印象があるが、だいこう証券ビジネスは、ネット証券業界、特に参入しようとしている会社には必要とされる会社だ。