
武富士社長に近藤専務昇格、元久氏わずか8カ月で退任
FujiSankei Business i. 2005/3/12
松井証券専務から武富士社長に就任し、大きな話題ともなった元久存氏がわずか8カ月あまりで社長を辞任した。「元久前社長から、強い辞任の申し出があった」(広報部)という。イメージ刷新、社内改革など「すべてこれから」(同)という時期だけに唐突感は否めず、業界では武井保雄・前会長の影響力を指摘する声も少なくない。
盗聴事件で創業者の武井前会長が辞任した後の混乱の渦中に武富士に飛び込んだ元久氏は、当時まだ42歳。期待されたのは、イメージ刷新と社内改革だった。だが、数々の新サービスを開発し、松井証券時代は「アイデアマン」ともいわれた元久氏でも、武富士の社長就任後は事実上「何もできなかった」(ライバル企業幹部)。
松井証券の専務として、実質的に松井道夫社長の右腕として活躍した元久氏は、ヘッドハンティングによって武富士の社長に迎えられたといわれている。社内改革など経営手腕が期待された元久氏だったが、日経ビジネス11月29日号では「武井被告の影響力が残っているために元久氏の存在感が薄くなっていると」と報じられていた。実力を発揮できないまま退任することになってしまったようだ。武富士によると本人からの申し入れとされている。
それでも元久氏の松井証券時代の実績を評価する会社もあるはずなので、金融業界、特に証券業界への復帰もありそうだ。新たな場所での活躍に期待したい。落ち着いたら、日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」で真相を語るはずだ。