マネックス・ビーンズ証券マネックス・ビーンズ・ホールディングスが今月3月末の株主への500円(予想)の配当を発表した。株主総会で決議を行うそうだ。最新の四季報予想で無配のところを急遽配当を決定したのは、やはり外資からのM&A攻勢を警戒しているのかもしれない。

3月23日   <配当>

 丸6年掛かりましたが、ようやく僅かではありますがMBHの株主の皆様に
配当をお支払いすることとなりました。正式には6月の定時総会での承認を経
ての実行となりますが、この場をお借りして、今まで御支援下さった株主の皆
様にお礼を申し上げたいと思います。

 配当金は、支払えるのにお支払いしてこなかった訳ではありません。起業・
開業時からの理念を守り続ける中で−或いは経営努力が足りなかったのかも知
れません−当初赤字期間が長く続き、配当を払おうにも法令上不可能でした。
株主の方には御迷惑をお掛けしましたが、ようやく会社の体制も整い、業績も
安定し、配当という形で御支援に応えられることは、純粋に嬉しく思っており
ます。本当に今までありがとうございました。

 今回の配当はまだまだ少ないものです。しかしこれがマネックスの開業当初
のキャッチ・コピーであったGiant Step(アームストロング船長の
月面第一歩)のように初めての、しかし重大な第一歩であり、またビーンズの
名前に込められたようにすくすくと伸びていく最初の芽であることを願い、ま
たそうあるべく役職員一丸となって努力して参りたいと存じます。株主の皆様、本当にありがとうございました。


と松本大社長は、メールマガジンで三段落連続、感謝の言葉をつぶやいている。赤字期間があったことで経営努力不足についても言及しているし、初配当には正直におめでとうといいたい。

しかし実際のところは、ライブドアやプリヴェなどの買収の動きが出てきたことによるM&Aブームを警戒したのではないだろうか。発売されたばかりの四季報では、2005年3月期0円、2006年3月期0円〜400円となっていた。それに対して予想を上回る500円配当である。

またマネックス時代からの大株主で、日興コーディアルグループと並ぶ筆頭株主のソニーでトップ人事の交代があったことの影響も考えられる。今まではソニーは、松本大社長と出井会長の個人的な繋がりによる信頼関係を担保にした絶対安定株主だったわけだが、ストリンガー会長に交代して、配当=お金による結果を出しておかないといけない関係になったのかもしれない。ストリンガー会長なら他社の買収提案の内容によってはMBH株を手放す可能性がありそうだからだ。

それはともかく、配当によってMBH株を長期保有しだす株主もあらわれたり、ファンドが投資対象に含めたりするし、東証一部上場になれば記念配も期待できるので、個人株主にとってはありがたい話であることには違いない。

MBH 配当金に関するお知らせ (PDF:9KB)