SBI北尾吉孝CEO傘下にネット証券を抱えるSBI北尾吉孝CEOが乱入してきたことで、ネット証券Blogとしても、ニッポン放送買収問題をすこし考えてみなくてはならなくなった。「解決する知恵が実はあるんです。」と権謀術数がありそうな北尾CEO。一体どんな知恵を持っているのだろうか。

SBIがフジテレビの筆頭株主になったというニュースが流れてからネット証券Blogのアクセス数が急増した。原因を探してみたところ、北尾吉孝CEOの「最後に生き残るのは『リアル』を活用したネット証券だ」という力説に、約300人の幹部社員がどよめいたというエントリーがGoogleの「北尾吉孝」のキーワード検索結果で上位に表示されていたからだった。ここ数日間で北尾氏の知名度は一気に全国区というか世間的に高まってきたことがわかる。しかし、証券業界やビジネス界、個人投資家の間で、北尾氏の名前は前々から有名。その手腕には定評があったと思う。まさに日本のM&Aプレイヤーの第一人者で、ライブドアの堀江社長や宮内取締役どころか、興銀出身の楽天三木谷社長なんかよりも実力・経験は数段上で、国内では敵なしなのではないだろうか。

フジテレビ・ニッポン放送とSBIがビービーメディアファンドを設立

さて、SBIが、フジテレビ・ニッポン放送と共同出資で設立したビービーメディアファンド(200億円)を使って北尾氏は何をしようとしているのだろうか?

一つは、ニッポン放送の持つポニーキャニオン株を取得してブロードバンドへの映像配信などの事業や、映画やDVDなどのコンテンツファンドを作ってイー・トレード証券などの証券会社で販売するなどの戦略が考えられる。場合によってはポニーキャニオンを上場させて上場益を得ることも考えられるだろう。

もう一つは、ライブドア対策を兼ねたラジオ局への投資なのかもしれない。27日に北尾CEOと堀江社長がトップ会談をするという話があるが、北尾氏がそこでライブドアにニッポン放送株の一部売却を提案する可能性がある。可能性は低いと思われるが、ライブドアがそれを受け入れた場合は、SBI、フジテレビおよびビービーメディアファンドが買取り、上場廃止しても再上場で売却益を得る投資戦略が考えられる。しかし実際はライブドアがニッポン放送の株式を手放すことに応じるとは考えられないため、その場合はフジテレビ経営陣が退職者を受け入れるということを表明しているのにあわせて、ビービーメディアファンドがラジオ局設立に出資し、ニッポン放送の資産を移すのではないだろうか。既にニッポン放送の持つ現金のうち20億円がライブドアが意図しないままビービーメディアファンドに投じられている。ラジオ局設立となれば現在の200億円では足りないと思うので、SBIの追加出資とか、YahooBBでの放送も行うということで、ソフトバンク本体やYahooの出資があるかもしれない。

と現時点ではこんなことしかわからないが、北尾CEOはもっと緻密な戦略を隠し持っているのだろう。ネット証券Blog的には「フジテレビ女子アナファンド(匿名組合)」をイー・トレード証券で販売してくれればネタとして大歓迎するが、それはなさそうだ。

SBI フジテレビジョン、ニッポン放送との共同出資によるファンド設立について

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