ライブドア証券ライブドア証券が初めてIPO主幹事となったエフェクター細胞研究所は公開価格38万円に対して初日STOP安気配値付かずで、2日目にして24万円で値が付くというIPO人気の続く中、異例の事態となった。これに対して投資家や証券市場関係者からは「主幹事は何してるのか」というような非難の声があがった。

エフェクター細胞研究所が上場するのにあわせライブドア証券では初めての主幹事ということで、個人投資家に対するPR活動にかなりの力を入れていた。まず、上場が発表になる前から、1月のライブドア証券のセミナーで堀江社長がバイオ銘柄が有望と発言。上場直前にはニュービジネス大賞最優秀賞に選ばれたことをライブドア証券のトップページでわざわざ紹介していた。さらにライブドア証券のプレミアムトレードパス購入者にはIPOの当選確率が5倍になる特典を付与するなどIPO目当ての投資家の呼び込みも行っていた。

しかし、上場してみたら初日からストップ安で値段が付かないというIPO人気の今では非常に珍しい状況。さらにライブドア証券のオンライントレードでは名証単独上場の銘柄は取引できず、電話で注文をしなければならないこともあり、大きな含み損を抱えた顧客からの悲鳴の声が上がったという。中には5株申し込んで5株全部当選してしまったという人もいるらしい。

投資家の自己責任といえば自己責任なのだが、証券業界からはライブドア証券の主幹事としての資質を問う声も出ている。IPO価格の仮条件が22万〜38万と幅が大きかったこともあるが、それに加えて会社の実勢や発行株数、役職員へのSO付与数を考慮したら上限の38万円というのは高すぎだという意見が専門家から出ている。

ロイターによると、ライブドア証券の担当者は、「条件設定が高かったとは思っておらず、成長性を投資家にうまく伝えることができなかったのが大きい。バイオ関連株が崩れた地合いで、上場したタイミングも悪かった。今後は、会社側(エフェクター細胞研究所)に対して積極的にIR活動を行うようアドバイスする」と語り、相場やPRのせいにしているようだが、わかっているなら条件設定を下げるべきだったのではないだろうか。ライブドア証券が背伸びをして主幹事としてのIPO割り当て分を上限値で販売しきったという風にどうしても見えてしまう。

名証が今回の件でどう思っているか気になるところだが、個人投資家もIPOだからといって絶対上がるなどと思わず冷静な判断をするようにして、主幹事の証券会社も適正な価格で発行するようにしてほしいものだ。

株式会社エフェクター細胞研究所

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