ライブドアとフジサンケイグループの70日間におよぶ騒動は、両社の包括提携するという結果で終わった。とりあえず、個人の投資への関心が高まったのでネット証券としてはよかったと思われる。個人投資家にとっても、今回のケースは、どうなったら株価がどう動くのかということについてよくわかるいいケーススタディだったかもしれない。

登場人物はみんな得したのか・・・


今回1番得したといわれているのが、リーマンブラザーズ。
次に得をしたのが村上ファンドと言われている。村上ファンドはニッポン放送株の売却による利益に加えて、ファンドの市場での影響力が高まり、何か株を買えば、後から自然に株価が急騰するという現象がおきている。

ライブドアは、結果的にフジテレビから出資を引き出し、多額の資金を手に入れ、乙部広報担当など知名度まで高めている。フジテレビは金銭的な負担が増したが、日枝会長や村上社長は株主ではなく、経営者なので地位が保証されたのであれば個人的には問題はないのかもしれない。

そして不気味な存在なのがSBIの北尾社長だ。ライブドア・フジテレビの提携発表後に歓迎するコメントを発表し、フジテレビ株のニッポン放送への返却も示唆している。今回の問題に関与することで、間接的に解決への糸口となったのかもしれない。北尾氏が今回得られた成果といえば、「ファンドの設立」、「SBI・北尾氏の知名度向上」、「ライブドアのファイナンス戦略批判」の3つになりそうだ。北尾CEOが「今回の行動の原点には、堀江氏が資本市場を汚したことへの義憤があった」と言えば、堀江社長が「株式の流動性と小額でのポートフォリオ構築のために大幅な分割をした」と反論するなど、双方に対立点があることから、延期されたままになっている堀江×北尾会談で、まだ一波乱あるかもしれない。

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Q19. 本日のフジテレビジョンによるニッポン放送の完全子会社化に関する基本合意の発表についてどう考えているか?また今後の対応はどうするのか?


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