松井証券松井証券が、5月9日(月)18:00から、夜間買取引「夜一(よいち)」を開始すると発表した。「夜一」は、松井と提携したUBS証券が引受けた転換社債(CB)を株式に転換して、松井証券の顧客に当日の終値より数%ディスカウントして販売するというサービスだ。当初は、フォーサイドなどの転換株式が販売されると思われる。


松井証券 夜間現物買取引「夜市(よいち)」 開始のお知らせ
【取引の仕組み】
松井証券では、UBSグループが保有する株式(CB等を権利行使して得られた株式を含む)について、お客様の委託を受けて、UBS証券との間で約定を成立させます。その際、お客様の購入価格(株価)は、購入日の終値から数%ディスカウントされた価格になります。

松井証券のQAによると、「夜市」の注文の仕方は、【株式取引】−【取引所外取引】画面 で一覧にある対象銘柄を選んで、リンク先の注文画面からさらにUBS証券のホームページに表示されているディスカウント率の範囲と、その銘柄の当日の終値から自分で指値を計算して、注文を出すようになっていて、すぐに約定したか失効したかの結果がわかるようになっているそうだ。

松井証券の顧客にとっての利点は、以下のとおりだ。

・ある銘柄を数%ディスカウントされた値段で現物購入できる。
・手数料無料(売るときは手数料あり)
・取引時間が営業日の18:00〜23:50と夜間のため場中に取引ができない人も購入しやすい
・海外の市場(LD・NY等)の動向を見ながら購入の判断ができる
・対象銘柄のプレスリリースが大引け後に出てから、翌営業日の取引が始まる前に株を買える
・注文して約定しなくても、時間内なら値段を変えて注文を出せそう
・立会外分売や公募増資と違い、申込・購入期限がない。(UBSが売る気があればいつまでも?
・フォーサイドと同様のUBS証券のCB引受銘柄であれば貸株が無いので空売りリスクがない
・対象銘柄が市場でSTOP高比例配分となり、マネックスナイターで買い注文殺到で売り手不在の時でもUBSが売ってくれれば、上限価格の当日終値で注文すれば買えるかもしれない。

フォーサイドのホームページではUBS AG Londonに割り当てたCBについての説明資料を掲載している。この時点で松井証券を使った販売が既に計画されていることがわかる。



UBS AG LondonにCBを割り当てた会社はほかにも、プリヴェやアイシーエフなどもあったはずなので、これらの銘柄も販売されるかもしれない。対象銘柄が急騰した時のために松井証券にある程度の資金を置いておくのもいいかも。そういう意味では、これまでの公募増資や分売では、数%のディスカウントと買いの手数料無料を元に個人投資家に利ザヤを稼がせるしかなかったのに対し、「夜市」は普段は少しずつ、材料が出た時や相場がいい時には大目に株を市場に流せる画期的なものと言える。

ちなみに、週刊ダイヤモンド2月26日号の特集「沈む野村證券」によると、元野村證券の安田道男氏がネット証券を使った資金調達方法を野村證券で却下されたので、UBS証券に転職して実現したとのことだ。

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