

上位6社の月別売買代金シェア推移
(さらに上位3社のみに限定)
すべてはこのグラフで表されている。つまり証券会社やその親会社の株が株式分割するとその翌月の売買代金シェアは必ず低下しているということだ。これまで、イー・トレード証券で2度、楽天証券で1度起こっていて、今回の松井証券もそのとおりになったということだ。どれも過去1年以内に起きていることなので、法則とはいいづらいが、今のところ、4回中4回同じ動きになっている。
これがなぜ起きているのか。それは証券会社の優良顧客は、その証券会社自身の銘柄を取引することが多く、配当取りや分割権利取りをしやすいということだろう。証券会社の中で分割権利取りをする客が多いとどうなるかというと、子株が1,2ヶ月ほど売れなくなり、その分流動性や信用の代用有価証券評価額が低下する。その分、売買が細るということだ。これがそのとおりだとすると、松井証券は「分割で、地獄 3位に落ちた」ということになる。
しかしながら、たった一銘柄の分割がシェアの変動に影響があるのか?と言われると、あるとは言えない。楽天証券の1月のシェア低下はシステムトラブルによるものかもしれない。ただ、今回の松井証券の場合は、配当性向30%の配当権利取りと分割権利確定日が同じだったので松井の優良顧客には権利取りをした人が多そうだ。
ちなみに、イートレードと楽天証券の例では、分割後、短期的には1,2ヶ月シェアが減少してはいるものの、子株が還流するころから徐々に回復し上昇に転じている。果たして松井証券の場合はどうなるだろうか。
それと、カブドットコム証券が「株主推進割引」という、自社の株式の現物買付手数料を通常の半額とするサービスをやっているけど、カブドットコム証券が分割した時にもやはりシェアが落ちちゃうかもしれない。