せっかくなので、今年はネット証券の株主総会のレポートを充実させようと思う。23日のイー・トレード証券の株主総会では、議事終了後の北尾会長の挨拶、井土社長の経営近況報告に続いて、株主からの質問に井土・北尾両氏が答える時間が設けられた。イー・トレード証券の実稼動口座について、井土社長が「全体の6割強」であると答えたり、SBIの株価が業績に比べて低迷している理由について北尾会長が「ソフトバンクが売ることへの警戒やアナリストレポートできないためかもしれない」と答えるなど、全部で7問の質疑応答が行われた。
イー・トレード証券の株主総会には。上場初回、そして平日にもかかわらず、意外と多くの個人株主が出席していた。総会は特に混乱も無く議事が進行し、その後、経営近況報告会が開催され、北尾会長の挨拶の後、井土社長からスライドを使った業績の説明が行われた。井土社長はシェア拡大と業績が非常に順調だったことを淡々と説明。それ引き続き、株主からの質疑応答が行われたので、その様子を以下に紹介しておく。質問は7問で、井土社長か北尾会長またはその両方が回答。特に北尾会長は、話し始めると、興味深くい話で面白いけど、ほとんどが長くなってしまった。
なお、お土産は、北尾会長の著書。飲み物、お菓子などは出なかった。
Q1.モバイルの強化はどうなっているのか?
井土 年内リリースに向けて開発を進めているところであります。先だって楽天さんがリアルタイムでストリーミング機能を持ったものをリリースするような話が出ていましたので、もう一段いいものを作ろうと、仕様を固めているところでございます。できるだけ早くリリースできるように努力しているところです。
Q2.取引するにあたって、イー・トレードのホームページから得られるニュース、情報がとっても少ないんですね。自己責任は承知していますが、勝手にやってくださいといわれているような気がするんですね。情報を取るために他の証券会社に口座を持って、もの(資産)も置いて、特に寄り付き前の情報はイー・トレードでは少ないので、他の証券会社の情報を見てから出ないと、(取引に)入れないんです。そのために、全部(資産を)イー・トレードさんに移せなくて、全部移すつもりで口座を開いたんですけど、移せないんですね。ニュースソースの問題があるのかもしれませんけども、よろしくお願いします。
井土 申し訳ございません。ご存知のとおり私どもはロイターさんから主にニュースを頂戴いたしておりまして、それ以外にも増やしてはおりますけれども、最近では株式新聞さんがグループ会社になったということもありまして、株式新聞さんの情報を増やしていく予定でありまして、できるだけご期待に答えられますように、早々に努力していきますのでご理解のほどをよろしくお願いいたします。
北尾 その他にモーニングスターの企業情報というのも出ておりまして、モーニングスターのサイトでも例えばアメリカのマーケットがどういう状況になっているだとか、かなり詳しい情報が出ております。株式新聞については、モーニングスターと提携して株を持ち合っていますので、早急に情報が入るように言っておきますから。貴重なご意見ありがとうございます。
Q3.とてもすばらしい、いい話ばかりで、大変嬉しいのですけども、その逆の話、不安材料はないんですか? そういう話が出てこないので逆に不安になります。
北尾 正直言って今のところ、不安材料がないんです。6月21日に野村證券がオンライン証券会社のカバレッジを開始して結構厚いレポートをまとめたんですね。岡本さんという方がアナリストでですね。これから定期的にオンライン証券をカバーしていこうということなんですけども、「松井証券、マネックス・ビーンズ・ホールディングス、イー・トレード証券、カブドットコム証券を開始する」と「レーティングは、成長の著しいイー・トレード証券を2とし、PERに割高感があるマネックス・ビーンズ・ホールディングスとカブドットコム証券を4とする。また、松井証券はPERに割安感があるが高い成長が見込まれず、レーティングは3とする。」これが結論なんですけども、イー・トレードについてですね、目標の株価がアナリストによりますと39万6千円とありまして、今の株価よりもかなり高いものを目標株価としている。今、井土の方から説明させていただいたわけですけども、別にいいとこだけを説明して悪いところを隠しているわけではなしに、外部から見てもそういう形でですね、非常にいい状況になっているということであります。
ただ、私が今一番心配していることは、2つありまして、一つはシステムの安定性。口座数がどんどん拡大する中で、さらに手数料をもう一段引き下げるよという時に、口座数ががっと増えて、そのためにシステムの安定性が損なわれるということになったらどうするかと。我々の商売は、システムあっての商売です。システムが止まっちゃうと一銭のお金も入ってこない。そして大きな信用の失墜につながるわけですから、ここが私がいつも懸念しているところでありまして、多めに多めにシステムを作り上げていく。さっき井土からも申していましたけども、大阪その他、地域的には検討中ではありますけども、また50万口座増やしても大丈夫なような形で、天災等もありうるかもしれないから大阪ならこないだあったばかりだからしばらくないだろうと、関西の方にデータセンターを持っていこうと考えているわけであります。これは、いつも神経を使っていますが、イー・トレードだけじゃなしに、私どもグループの会社はネットの会社が多いですから、全て最重要視しないといけないと考えているわけです。
もう一つ、関連会社のCEOに言っているのは顧客情報漏えいとか、セキュリティーの問題です。これが、どっかで何か出たということになりますと、これまた信用の失墜に繋がる大問題になるということで、これはイー・トレードだけの問題に関わらない、SBIグループ全体の問題にもなるし、SBIグループのどっかの会社でそれが起これば、非常に大きな問題に発展する可能性がある。どこの会社についても徹底的な安全対策、最終的な安全対策については、ここに関わっている人の倫理的価値観、これに任せるしかないんです。いかに情報のアクセスを制限しますとか、セキュリティシステムを最先端・安全なものを導入しましたと言ったところで、そこにアクセスする人間が、正しい倫理的価値観をもっていなかったら、とんでもない事に繋がる可能性がある。そういうことがイー・トレードだけじゃなく私どもが常に考えているポイントであります。
Q4.配当性向20%ということですが、将来的にどうするのか? 20%はちょっと低いのでは、先々変更はありうるのでしょうか?また、SBIも持っているんですけども、北尾会長は何かやってくれるだろうと思って少し増やそうと思っていますが、何で上がっていかないのかお聞かせください
井土 我々まだまだ成長する会社ですので、内部留保も確保していきたいなと。配当性向20%と言いましても利益が伸びれば配当も増えますので、内部留保も厚めに考えていきながら、利益も増やす努力をしていって結果的に配当性向を増やさなくても配当は同じになるような努力をしていきたいと思います。
北尾 配当性向20%を目指すというのは一時期グループの方針だったんですけども、弾力化して結構です、大いに弾力化しなさいというふうに変えました。今後イー・トレードもですね、20%に拘らないことになりますけども、井土が言いましたように、システム面での投資であるとか、さまざまな設備投資を相当やっていかないといけない。そして信用のお客様が増えていく中でですね、お金をかなり持っていないといけないという会社なんですね。したがって、業態、会社によってさまざまな観点から内部留保を決めていかないといけないと思っています。しかしグループ全体としては弾力的にしていこうということであります。
それから、SBIの株も持っているということで、本当にどうもありがとうございます。株価が上がらないというお叱りをいろいろなところから受けているわけでありますけども、何であがらないんだろうなぁと、SBIにとっても最大の課題なんです。業績面ではまったく心配する必要はない会社になったと、そして短期間でイー・トレードと同じように、ベンチャーキャピタル業界のYahooを抜いて完全に雄になっちゃったと、そういう意味ではまったく不安はないんです。
でもなぜ株が上がらないか。理由の一つは、ソフトバンクが親子関係が離れたといいながら、37,8%持っている。これを売ってくるんじゃないかと、機関投資家の方からも、可能性はどうなんだと、親子関係はなれて、しかもお前と孫さん仲が悪いようなふうに言われているじゃないかと、向こう売ってくるんじゃないかと、こういうふうにご心配されている向きがあるということなんですね。
それから海外の投資家からですね、何で各証券会社はお前のレポートを書かないんだと、証券会社のSellサイドからのレポートがない。これはSBIの業態が証券会社もあればベンチャーキャピタルもあれば、ファイナンシャルサービスの部門も持っているということで、非常に多角的、複合的な会社であるから、一人のアナリストがカバーするわけにいかない。野村證券ですら、ようやくイー・トレードを含めたネットの証券界のカバレッジをこの6月21日に初めてやりだすというような状況ですから、こういうパーツ(子会社)の部分のアナリスト(レポート)ができないのに、全体のアナリストができるわけないですね。したがって、SBIのレポートが書けないのがもう一つの理由である。
ただ、よそが書かないのならよそに頼る事はない、私が直接海外とインフォメーションミーティングをやりましょう国内でもインフォメーションミーティングをやりましょうと、で国内の4ヶ所でやったんです。そしたら集まってくださった参加者ですね、実に4800名ぐらい来られたんです。東京会場はメインの会場が全部いっぱいになったものですから、あと3つのテレビ画面を使った会場を確保しまして、そこにご出席を賜る。大阪でもそんな状況。一つの会社のインフォメーションミーティングに4800名も参加されるというのは有り得ない、そういうことが現に起こった。そして私ども株主の数が着実に増えているんです。今9万7千数百名になっている。10万人にとどくかとどかないかの株主数を誇っている会社って、ほとんどないんです日本で。そういう状況に株主数をも増えている。先だって3月15日に515億のお金を調達したんですけども、公募時価発行増資という形で本来ならば20%ぐらいの株式の希薄化が起こって、その分株価が下がってもおかしくないんだけども、下がらなかった。その背景は、機関投資家が買っていってくれた。機関投資家、法人の持ち株比率が全体の25%、4分の1になってきている。そういう状況になっていますので、海外の機関投資家に3回ぐらいに分けて来ていただいて、昼飯でもご一緒しながら、お話をすると。インフォメーションミーティングを実は2時間半しゃべり続けまして、そうすると立って歩いた時に、ふらふらっとなりましてね、いよいよ私もあかんのかなぁと思ったのですが、後でいろいろ聞いてみますと酸素不足だと、脳に酸素が十分にいっていない、そういうことがわかりまして、そっから後は終わりますと酸素を吸うということをやってそれをやってからはそういうことは起こらなくなっているんですけど、今日またこんなに話しているとまた起こるかもしれませんので・・・
まぁ非常に割安になっていることは事実だと、私自身も買いたいんですけど、インサイダーインフォメーションがあるから買うに買えないし難しい問題なんですけど、しかし私が証券市場に31年間へばりついていた経験で申しますと、必ず株価は業績をフォローしていくものだと。ただ、最近ですね、昔のマーケットと少し違ってきたと、ネットの証券会社が、690万口座も作って、そのかなりの数が、証券の取引を生まれて初めてやりますという若い方が多いです。そういう人が、昔のベテランの投資家さんと違って、ファンダメンタルだとか、あるいはテクニカルリサーチだとかやらないで、需給でこれ儲かりそうだ、買いが買いを呼ぶようなところでさっと乗って、日ばかりで儲かったからさっと売る。だから、こうしてこうなるというケースが引け際に結構多くなっている。これは過渡的な現象なんですけども、まだ日本の資本市場が成熟化してないから、株価形成が未熟な形で行われてきている。そういう方も経験をつんでくるとですね、違ってくるんですけど、こういう部分がどうしてもある。逆に日本みたいなマーケットがあるカと思うと、成熟の極に達したアメリカはどうでありますかと言うと、アナリストが圧倒的な、価格形成に大きな力を持っているんですね。どっかの有名なアナリストがこの有名な株を下方修正すると言うと、ものすごい反応で株が売られている。これが成熟したマーケットの一つの極である。で日本は未成熟なマーケット、個人金融資産2400兆の中で、株式が占める割合はアメリカの3分の1以下です。そんな状況で日本がずっときたわけですから、やむをえない状況かな。日本も成熟化の方向に進んでいくでしょうから、私ども証券界の人間も成熟化するように努力していかないといけないと思っているわけです。
いずれにしても、SBIの業績については私が100%以上の自信を持っているわけですから、末永くお持ちいただきたいと思います。
Q5.イー・トレード証券とワールド日栄フロンティア証券の融合の見通し、合併の可能性は?
北尾 ネットとリアルの融合の可能性、戦略をめぐらしている最中であります。マージすることが、イー・トレード証券、ワールド日栄フロンティア証券の株主、そしてお客様にとっていいようなサービスが提供できるのか、さまざまな角度で検討している最中であります。エース証券という会社も傘下に置いている。マージ、買収もですけども非常に難しい事なんですね、つまりイー・トレードというネットの証券会社、この実質ネットで始まっているネットの文化の中に、ワールド日栄というリアルだけで育ってきた独自の文化を育ててきている会社を融合させるというのは、そう簡単にいく事ではない。簡単に結論を出すということにはなかなかいかない。やっぱりそういうことはすぐしない方がいいんじゃないのかな、やっぱりしない方がいいという結論になるかもしれない。しない方がいいという事になったら、ではどうやってリアルとネットの融合をやっていくのか。どうしても説明を要するリスクの高い商品、井土も証券化という商品をどんどん進めて行くんだと映画についてもこうだとか、いろんな話がありました。しかし、証券化した商品を単純に上場している株を売買するのと違って、やはりいろんなリスクがあるわけで、それについてお客様に納得していただかないといけない、そのためには懇切丁寧に説明を差し上げて、そして納得していただいて、その上で買うか買わないか自己責任の中で判断をしていただく、こういう事をやらないといけないわけです。ネットの中ではそういう質問をしても十分に返ってこないわけですから、難しいですね。したがって、高度な商品、リスクの高い賞品を売るにはやはりそういう事が必要だと。あるいは、普通は三越なら三越で、重要取引先ということになると、あなたは御帳簿カードの会員だからといって7%引いてくれるとかですね、最近ではプレミアムカードというものまでも発行されている。よく商売をしてくれているところには、特別のサービスをするんです。ところがネットの証券会社は、それほど特別なサービスができない、できるとしたらマイレージが増えて、それでいくらかの恩恵が出てくる、その程度の事しかできないし、それは昔からの本流の商売のやり方ではない。本流のやり方というのは、商売してくれるところにはそれなりのサービスを付加的にする。それができないネットは、できない結果、どうなるのかというと、富裕層をつかんでいくということが難しくなる。あるいは富裕層から本来ならばもっと引き出せるであろう手数料が十分に入ってこない。企業価値から顕在化されるであろう価値が、潜在的に眠ったままになっている状況がある。
そういう場合にどういうように対応するか、現にイー・トレードで、5000万以上預かり資産を持っているお客様が、2千数百人おられる。ワールド日栄では、1千名いかないんです。エースでも1千名いかないんです。しかし1千名いかないお客様に対してワールド日栄のセールスマンは、毎日のように電話して、しょっちゅう伺って、こういう投資はどうでしょうかという事をお話している。お客様からしてみれば「また来おったか、うるさいな」ということもあるかもしれないし、「あの人はよく来てくれて、いい銘柄を教えてくれておる」というような評価を受けるかもしれない。ただ、イー・トレードの方はそういうお声はまったくかかって来ない。これをよしとするお客様もいる。「他のところだと朝からじゃかすかじゃかすか電話してきてうるさくてしょうがない」という人がいるかもしれない、しかし片方で、「えらい愛想なしやなぁと。こんだけ商売してやってるのに新規公開の一つや二つももって来ないのか、あそこはみな抽選か」と、こういうようなお客さんもおられるわけです。昔からパレートの法則が金融界で言われているんです。20%の富裕層が80%の収益をもたらしてくれる。富裕層をみんな大事にしてきた。野村證券でも富裕層を大事にしてきたんです。しかし、ネットではなかなかできない。
いずれにせよ、そういった融合の仕方を、私どもならではの融合の仕方を考え抜いて、まぁこれもそんなに遠い将来ではない、私の頭の中で思い描いて、骨格が見えてきています。皆様方にまた発表させていただこうと思っています。
Q6.口座数が増えているのは先ほどの説明でわかったのですが、実稼動は何%で、稼動していない顧客に稼動するようなアプローチをしているのか、これからする予定があるか教えてください。
井土 現在、何らかの形で預りがある、あるいは何らかの形で稼動しているという意味で言いますと、約6割強のお客様が稼動口座という事になります。逆に言いますと、期間の取り方にもよりますが、半年以上動いていないお客様がいるというのはそのとおりでございます。ただオンラインのお客様は、会社間の動きを頻繁に行われる人が多く、例えばキャンペーンをやるとか、あるいは手数料が変わったとかということだけで、すぐに動かれる方が多くございますので、できるだけいろいろなキャンペーンのお知らせをしたりとか、新しいサービスのお知らせをすることで、ちょっと前まで未稼働だったお客様が稼動口座に変わるというのはネットの世界では多くございますので、サービスレベルの向上ということを引き続きやっていけば、結構稼動口座数は増やせるのではと思っています。
北尾 ちょっと、補足しておきますのとね、入庫出庫という概念があるんですけど、入庫というのは例えば野村證券からイー・トレードにお客様が移ってくるんです。先ほど井土が申してましたように、170万口座を野村證券が持っていると主張しているんですけども、これは非常に稼動客が少ないと思います。そして情報は野村證券でとって、コミッションが一番安いところで、トレーディングはするというのが、一つのファッション、特に若い人のファッションになりつつある。で、これは、私はもう、はじめっからわかっていたというか、手数料を安くすれば、稼働率は一番高くなる。安いところへ必ず取引はくるんだと。ネットの口座を3つか4つか持ってても、必ず安いところに一番くるんだと。したがって、私どもの約定件数は圧倒的に多いんです。これは必ずこうなる。他のネットの会社より私どもは稼働率が高い。そして、おまけに野村證券や、大和證券、日興證券が一生懸命、ネットの口座がこうこうこうだということで、とりあえずオープンして、そこで口座をつくってパソコンを使って勉強をしてもらって、トレーニングが終わったら、移管という形でですね私どもの方に口座移管がなされる。毎月毎月、3社から私どもに入ってくるのが、だいたい、1200ぐらい。出て行くのといったら100もないくらいです。圧倒的に移ってくるんですね。これも手数料が安いから移ってくるんです。だから多少大和證券が手数料下げましたといっても、絶対に、うち並みに下げられることはない。何故かと言うと、連中は店舗と・・・馬鹿みたいな不動産を払わないといけないんです。南向き通りに店舗を持っているんですよ、都道府県全部、県庁所在地に、東京なんかたくさんあります。そして、人。野村證券のセールスマンの給料は高かった。僕が野村證券から移ってきた時、ソフトバンクの常務できた時と野村證券の部長でいた時と年収は向こうの方が上だった。それぐらい高いんですよ。そういう人を雇い店舗を持っている以上は、私どもの手数料のところには来ない。大和證券が少々下げてみようと、自分のところの収益が落ちるだけ。そして、お客さん結局、高い方から安い方へ、まさに水の哲学と最近よんでいるんですけども、松下幸之助さんが水道哲学と言われたのを読んで私は道を取りましてね、水と同じで高い方から低い方へ必ず流れてくる。ネットの中でもそうなんだ。水と一緒だ。稼働率は私どもが一番高くなる。こういう世の中のことと言うのは簡単なんですね。私が思うに全部、理論上・・・あぁホリエモンの言葉で言えば、想定どおり、動いていっとるんです。
Q7.最後に質問することじゃないと思うんですけども、最近力を入れている匿名組合で、以前販売されたジュラシックパーク匿名組合なんですけども、今紙くずになってしまったんですけども、今の2年以上たったけど結論が出ていない現状と今後、それと販売者責任についてお考えを教えてください。
井土 ジュラシックパークのイベントは2003年に販売した商品なんですけども、結果的にイベントの入場者数が非常に少なかったということで、ファンドのパフォーマンスがあまり、非常によろしくなかったということにつきましては、申し訳ないと思っていますけども、商品設計でありますとか、販売の手法等々につきましては、問題は無かったということは確認はいたしておりまして、そういう意味ではこういう商品というのは、ファンド運営者がいろいろな運営管理をしておりますので、我々は媒介者ということになりますので、詳しいことは運営者からご報告がいくと思われますので、是非ご理解いただければと思っております。
以上を持ちまして、経営近況報告会を終わらせていただきます。本日はご多忙のところご出席を賜りましてまことにありがとうございました。
(拍手)
なお、お帰りの際に、弊社会長北尾吉孝の著書「人物をつくる」をお配りしております。当社をよりいっそうご理解いただくためにも、ぜひお持ち帰りいただきますようよろしくお願いします。
北尾 それからついでなんですけども、宣伝させていただきますと、7月1日になるかわかりませんけども、三笠書房というところから新しい私の本が出ますので、それのほうもぜひご購入をお願いいたします。
(拍手)
【北尾吉孝氏の本】
イー・トレード証券の株主総会には。上場初回、そして平日にもかかわらず、意外と多くの個人株主が出席していた。総会は特に混乱も無く議事が進行し、その後、経営近況報告会が開催され、北尾会長の挨拶の後、井土社長からスライドを使った業績の説明が行われた。井土社長はシェア拡大と業績が非常に順調だったことを淡々と説明。それ引き続き、株主からの質疑応答が行われたので、その様子を以下に紹介しておく。質問は7問で、井土社長か北尾会長またはその両方が回答。特に北尾会長は、話し始めると、興味深くい話で面白いけど、ほとんどが長くなってしまった。
なお、お土産は、北尾会長の著書。飲み物、お菓子などは出なかった。
Q1.モバイルの強化はどうなっているのか?
井土 年内リリースに向けて開発を進めているところであります。先だって楽天さんがリアルタイムでストリーミング機能を持ったものをリリースするような話が出ていましたので、もう一段いいものを作ろうと、仕様を固めているところでございます。できるだけ早くリリースできるように努力しているところです。
Q2.取引するにあたって、イー・トレードのホームページから得られるニュース、情報がとっても少ないんですね。自己責任は承知していますが、勝手にやってくださいといわれているような気がするんですね。情報を取るために他の証券会社に口座を持って、もの(資産)も置いて、特に寄り付き前の情報はイー・トレードでは少ないので、他の証券会社の情報を見てから出ないと、(取引に)入れないんです。そのために、全部(資産を)イー・トレードさんに移せなくて、全部移すつもりで口座を開いたんですけど、移せないんですね。ニュースソースの問題があるのかもしれませんけども、よろしくお願いします。
井土 申し訳ございません。ご存知のとおり私どもはロイターさんから主にニュースを頂戴いたしておりまして、それ以外にも増やしてはおりますけれども、最近では株式新聞さんがグループ会社になったということもありまして、株式新聞さんの情報を増やしていく予定でありまして、できるだけご期待に答えられますように、早々に努力していきますのでご理解のほどをよろしくお願いいたします。
北尾 その他にモーニングスターの企業情報というのも出ておりまして、モーニングスターのサイトでも例えばアメリカのマーケットがどういう状況になっているだとか、かなり詳しい情報が出ております。株式新聞については、モーニングスターと提携して株を持ち合っていますので、早急に情報が入るように言っておきますから。貴重なご意見ありがとうございます。
Q3.とてもすばらしい、いい話ばかりで、大変嬉しいのですけども、その逆の話、不安材料はないんですか? そういう話が出てこないので逆に不安になります。
北尾 正直言って今のところ、不安材料がないんです。6月21日に野村證券がオンライン証券会社のカバレッジを開始して結構厚いレポートをまとめたんですね。岡本さんという方がアナリストでですね。これから定期的にオンライン証券をカバーしていこうということなんですけども、「松井証券、マネックス・ビーンズ・ホールディングス、イー・トレード証券、カブドットコム証券を開始する」と「レーティングは、成長の著しいイー・トレード証券を2とし、PERに割高感があるマネックス・ビーンズ・ホールディングスとカブドットコム証券を4とする。また、松井証券はPERに割安感があるが高い成長が見込まれず、レーティングは3とする。」これが結論なんですけども、イー・トレードについてですね、目標の株価がアナリストによりますと39万6千円とありまして、今の株価よりもかなり高いものを目標株価としている。今、井土の方から説明させていただいたわけですけども、別にいいとこだけを説明して悪いところを隠しているわけではなしに、外部から見てもそういう形でですね、非常にいい状況になっているということであります。
ただ、私が今一番心配していることは、2つありまして、一つはシステムの安定性。口座数がどんどん拡大する中で、さらに手数料をもう一段引き下げるよという時に、口座数ががっと増えて、そのためにシステムの安定性が損なわれるということになったらどうするかと。我々の商売は、システムあっての商売です。システムが止まっちゃうと一銭のお金も入ってこない。そして大きな信用の失墜につながるわけですから、ここが私がいつも懸念しているところでありまして、多めに多めにシステムを作り上げていく。さっき井土からも申していましたけども、大阪その他、地域的には検討中ではありますけども、また50万口座増やしても大丈夫なような形で、天災等もありうるかもしれないから大阪ならこないだあったばかりだからしばらくないだろうと、関西の方にデータセンターを持っていこうと考えているわけであります。これは、いつも神経を使っていますが、イー・トレードだけじゃなしに、私どもグループの会社はネットの会社が多いですから、全て最重要視しないといけないと考えているわけです。
もう一つ、関連会社のCEOに言っているのは顧客情報漏えいとか、セキュリティーの問題です。これが、どっかで何か出たということになりますと、これまた信用の失墜に繋がる大問題になるということで、これはイー・トレードだけの問題に関わらない、SBIグループ全体の問題にもなるし、SBIグループのどっかの会社でそれが起これば、非常に大きな問題に発展する可能性がある。どこの会社についても徹底的な安全対策、最終的な安全対策については、ここに関わっている人の倫理的価値観、これに任せるしかないんです。いかに情報のアクセスを制限しますとか、セキュリティシステムを最先端・安全なものを導入しましたと言ったところで、そこにアクセスする人間が、正しい倫理的価値観をもっていなかったら、とんでもない事に繋がる可能性がある。そういうことがイー・トレードだけじゃなく私どもが常に考えているポイントであります。
Q4.配当性向20%ということですが、将来的にどうするのか? 20%はちょっと低いのでは、先々変更はありうるのでしょうか?また、SBIも持っているんですけども、北尾会長は何かやってくれるだろうと思って少し増やそうと思っていますが、何で上がっていかないのかお聞かせください
井土 我々まだまだ成長する会社ですので、内部留保も確保していきたいなと。配当性向20%と言いましても利益が伸びれば配当も増えますので、内部留保も厚めに考えていきながら、利益も増やす努力をしていって結果的に配当性向を増やさなくても配当は同じになるような努力をしていきたいと思います。
北尾 配当性向20%を目指すというのは一時期グループの方針だったんですけども、弾力化して結構です、大いに弾力化しなさいというふうに変えました。今後イー・トレードもですね、20%に拘らないことになりますけども、井土が言いましたように、システム面での投資であるとか、さまざまな設備投資を相当やっていかないといけない。そして信用のお客様が増えていく中でですね、お金をかなり持っていないといけないという会社なんですね。したがって、業態、会社によってさまざまな観点から内部留保を決めていかないといけないと思っています。しかしグループ全体としては弾力的にしていこうということであります。
それから、SBIの株も持っているということで、本当にどうもありがとうございます。株価が上がらないというお叱りをいろいろなところから受けているわけでありますけども、何であがらないんだろうなぁと、SBIにとっても最大の課題なんです。業績面ではまったく心配する必要はない会社になったと、そして短期間でイー・トレードと同じように、ベンチャーキャピタル業界のYahooを抜いて完全に雄になっちゃったと、そういう意味ではまったく不安はないんです。
でもなぜ株が上がらないか。理由の一つは、ソフトバンクが親子関係が離れたといいながら、37,8%持っている。これを売ってくるんじゃないかと、機関投資家の方からも、可能性はどうなんだと、親子関係はなれて、しかもお前と孫さん仲が悪いようなふうに言われているじゃないかと、向こう売ってくるんじゃないかと、こういうふうにご心配されている向きがあるということなんですね。
それから海外の投資家からですね、何で各証券会社はお前のレポートを書かないんだと、証券会社のSellサイドからのレポートがない。これはSBIの業態が証券会社もあればベンチャーキャピタルもあれば、ファイナンシャルサービスの部門も持っているということで、非常に多角的、複合的な会社であるから、一人のアナリストがカバーするわけにいかない。野村證券ですら、ようやくイー・トレードを含めたネットの証券界のカバレッジをこの6月21日に初めてやりだすというような状況ですから、こういうパーツ(子会社)の部分のアナリスト(レポート)ができないのに、全体のアナリストができるわけないですね。したがって、SBIのレポートが書けないのがもう一つの理由である。
ただ、よそが書かないのならよそに頼る事はない、私が直接海外とインフォメーションミーティングをやりましょう国内でもインフォメーションミーティングをやりましょうと、で国内の4ヶ所でやったんです。そしたら集まってくださった参加者ですね、実に4800名ぐらい来られたんです。東京会場はメインの会場が全部いっぱいになったものですから、あと3つのテレビ画面を使った会場を確保しまして、そこにご出席を賜る。大阪でもそんな状況。一つの会社のインフォメーションミーティングに4800名も参加されるというのは有り得ない、そういうことが現に起こった。そして私ども株主の数が着実に増えているんです。今9万7千数百名になっている。10万人にとどくかとどかないかの株主数を誇っている会社って、ほとんどないんです日本で。そういう状況に株主数をも増えている。先だって3月15日に515億のお金を調達したんですけども、公募時価発行増資という形で本来ならば20%ぐらいの株式の希薄化が起こって、その分株価が下がってもおかしくないんだけども、下がらなかった。その背景は、機関投資家が買っていってくれた。機関投資家、法人の持ち株比率が全体の25%、4分の1になってきている。そういう状況になっていますので、海外の機関投資家に3回ぐらいに分けて来ていただいて、昼飯でもご一緒しながら、お話をすると。インフォメーションミーティングを実は2時間半しゃべり続けまして、そうすると立って歩いた時に、ふらふらっとなりましてね、いよいよ私もあかんのかなぁと思ったのですが、後でいろいろ聞いてみますと酸素不足だと、脳に酸素が十分にいっていない、そういうことがわかりまして、そっから後は終わりますと酸素を吸うということをやってそれをやってからはそういうことは起こらなくなっているんですけど、今日またこんなに話しているとまた起こるかもしれませんので・・・
まぁ非常に割安になっていることは事実だと、私自身も買いたいんですけど、インサイダーインフォメーションがあるから買うに買えないし難しい問題なんですけど、しかし私が証券市場に31年間へばりついていた経験で申しますと、必ず株価は業績をフォローしていくものだと。ただ、最近ですね、昔のマーケットと少し違ってきたと、ネットの証券会社が、690万口座も作って、そのかなりの数が、証券の取引を生まれて初めてやりますという若い方が多いです。そういう人が、昔のベテランの投資家さんと違って、ファンダメンタルだとか、あるいはテクニカルリサーチだとかやらないで、需給でこれ儲かりそうだ、買いが買いを呼ぶようなところでさっと乗って、日ばかりで儲かったからさっと売る。だから、こうしてこうなるというケースが引け際に結構多くなっている。これは過渡的な現象なんですけども、まだ日本の資本市場が成熟化してないから、株価形成が未熟な形で行われてきている。そういう方も経験をつんでくるとですね、違ってくるんですけど、こういう部分がどうしてもある。逆に日本みたいなマーケットがあるカと思うと、成熟の極に達したアメリカはどうでありますかと言うと、アナリストが圧倒的な、価格形成に大きな力を持っているんですね。どっかの有名なアナリストがこの有名な株を下方修正すると言うと、ものすごい反応で株が売られている。これが成熟したマーケットの一つの極である。で日本は未成熟なマーケット、個人金融資産2400兆の中で、株式が占める割合はアメリカの3分の1以下です。そんな状況で日本がずっときたわけですから、やむをえない状況かな。日本も成熟化の方向に進んでいくでしょうから、私ども証券界の人間も成熟化するように努力していかないといけないと思っているわけです。
いずれにしても、SBIの業績については私が100%以上の自信を持っているわけですから、末永くお持ちいただきたいと思います。
Q5.イー・トレード証券とワールド日栄フロンティア証券の融合の見通し、合併の可能性は?
北尾 ネットとリアルの融合の可能性、戦略をめぐらしている最中であります。マージすることが、イー・トレード証券、ワールド日栄フロンティア証券の株主、そしてお客様にとっていいようなサービスが提供できるのか、さまざまな角度で検討している最中であります。エース証券という会社も傘下に置いている。マージ、買収もですけども非常に難しい事なんですね、つまりイー・トレードというネットの証券会社、この実質ネットで始まっているネットの文化の中に、ワールド日栄というリアルだけで育ってきた独自の文化を育ててきている会社を融合させるというのは、そう簡単にいく事ではない。簡単に結論を出すということにはなかなかいかない。やっぱりそういうことはすぐしない方がいいんじゃないのかな、やっぱりしない方がいいという結論になるかもしれない。しない方がいいという事になったら、ではどうやってリアルとネットの融合をやっていくのか。どうしても説明を要するリスクの高い商品、井土も証券化という商品をどんどん進めて行くんだと映画についてもこうだとか、いろんな話がありました。しかし、証券化した商品を単純に上場している株を売買するのと違って、やはりいろんなリスクがあるわけで、それについてお客様に納得していただかないといけない、そのためには懇切丁寧に説明を差し上げて、そして納得していただいて、その上で買うか買わないか自己責任の中で判断をしていただく、こういう事をやらないといけないわけです。ネットの中ではそういう質問をしても十分に返ってこないわけですから、難しいですね。したがって、高度な商品、リスクの高い賞品を売るにはやはりそういう事が必要だと。あるいは、普通は三越なら三越で、重要取引先ということになると、あなたは御帳簿カードの会員だからといって7%引いてくれるとかですね、最近ではプレミアムカードというものまでも発行されている。よく商売をしてくれているところには、特別のサービスをするんです。ところがネットの証券会社は、それほど特別なサービスができない、できるとしたらマイレージが増えて、それでいくらかの恩恵が出てくる、その程度の事しかできないし、それは昔からの本流の商売のやり方ではない。本流のやり方というのは、商売してくれるところにはそれなりのサービスを付加的にする。それができないネットは、できない結果、どうなるのかというと、富裕層をつかんでいくということが難しくなる。あるいは富裕層から本来ならばもっと引き出せるであろう手数料が十分に入ってこない。企業価値から顕在化されるであろう価値が、潜在的に眠ったままになっている状況がある。
そういう場合にどういうように対応するか、現にイー・トレードで、5000万以上預かり資産を持っているお客様が、2千数百人おられる。ワールド日栄では、1千名いかないんです。エースでも1千名いかないんです。しかし1千名いかないお客様に対してワールド日栄のセールスマンは、毎日のように電話して、しょっちゅう伺って、こういう投資はどうでしょうかという事をお話している。お客様からしてみれば「また来おったか、うるさいな」ということもあるかもしれないし、「あの人はよく来てくれて、いい銘柄を教えてくれておる」というような評価を受けるかもしれない。ただ、イー・トレードの方はそういうお声はまったくかかって来ない。これをよしとするお客様もいる。「他のところだと朝からじゃかすかじゃかすか電話してきてうるさくてしょうがない」という人がいるかもしれない、しかし片方で、「えらい愛想なしやなぁと。こんだけ商売してやってるのに新規公開の一つや二つももって来ないのか、あそこはみな抽選か」と、こういうようなお客さんもおられるわけです。昔からパレートの法則が金融界で言われているんです。20%の富裕層が80%の収益をもたらしてくれる。富裕層をみんな大事にしてきた。野村證券でも富裕層を大事にしてきたんです。しかし、ネットではなかなかできない。
いずれにせよ、そういった融合の仕方を、私どもならではの融合の仕方を考え抜いて、まぁこれもそんなに遠い将来ではない、私の頭の中で思い描いて、骨格が見えてきています。皆様方にまた発表させていただこうと思っています。
Q6.口座数が増えているのは先ほどの説明でわかったのですが、実稼動は何%で、稼動していない顧客に稼動するようなアプローチをしているのか、これからする予定があるか教えてください。
井土 現在、何らかの形で預りがある、あるいは何らかの形で稼動しているという意味で言いますと、約6割強のお客様が稼動口座という事になります。逆に言いますと、期間の取り方にもよりますが、半年以上動いていないお客様がいるというのはそのとおりでございます。ただオンラインのお客様は、会社間の動きを頻繁に行われる人が多く、例えばキャンペーンをやるとか、あるいは手数料が変わったとかということだけで、すぐに動かれる方が多くございますので、できるだけいろいろなキャンペーンのお知らせをしたりとか、新しいサービスのお知らせをすることで、ちょっと前まで未稼働だったお客様が稼動口座に変わるというのはネットの世界では多くございますので、サービスレベルの向上ということを引き続きやっていけば、結構稼動口座数は増やせるのではと思っています。
北尾 ちょっと、補足しておきますのとね、入庫出庫という概念があるんですけど、入庫というのは例えば野村證券からイー・トレードにお客様が移ってくるんです。先ほど井土が申してましたように、170万口座を野村證券が持っていると主張しているんですけども、これは非常に稼動客が少ないと思います。そして情報は野村證券でとって、コミッションが一番安いところで、トレーディングはするというのが、一つのファッション、特に若い人のファッションになりつつある。で、これは、私はもう、はじめっからわかっていたというか、手数料を安くすれば、稼働率は一番高くなる。安いところへ必ず取引はくるんだと。ネットの口座を3つか4つか持ってても、必ず安いところに一番くるんだと。したがって、私どもの約定件数は圧倒的に多いんです。これは必ずこうなる。他のネットの会社より私どもは稼働率が高い。そして、おまけに野村證券や、大和證券、日興證券が一生懸命、ネットの口座がこうこうこうだということで、とりあえずオープンして、そこで口座をつくってパソコンを使って勉強をしてもらって、トレーニングが終わったら、移管という形でですね私どもの方に口座移管がなされる。毎月毎月、3社から私どもに入ってくるのが、だいたい、1200ぐらい。出て行くのといったら100もないくらいです。圧倒的に移ってくるんですね。これも手数料が安いから移ってくるんです。だから多少大和證券が手数料下げましたといっても、絶対に、うち並みに下げられることはない。何故かと言うと、連中は店舗と・・・馬鹿みたいな不動産を払わないといけないんです。南向き通りに店舗を持っているんですよ、都道府県全部、県庁所在地に、東京なんかたくさんあります。そして、人。野村證券のセールスマンの給料は高かった。僕が野村證券から移ってきた時、ソフトバンクの常務できた時と野村證券の部長でいた時と年収は向こうの方が上だった。それぐらい高いんですよ。そういう人を雇い店舗を持っている以上は、私どもの手数料のところには来ない。大和證券が少々下げてみようと、自分のところの収益が落ちるだけ。そして、お客さん結局、高い方から安い方へ、まさに水の哲学と最近よんでいるんですけども、松下幸之助さんが水道哲学と言われたのを読んで私は道を取りましてね、水と同じで高い方から低い方へ必ず流れてくる。ネットの中でもそうなんだ。水と一緒だ。稼働率は私どもが一番高くなる。こういう世の中のことと言うのは簡単なんですね。私が思うに全部、理論上・・・あぁホリエモンの言葉で言えば、想定どおり、動いていっとるんです。
Q7.最後に質問することじゃないと思うんですけども、最近力を入れている匿名組合で、以前販売されたジュラシックパーク匿名組合なんですけども、今紙くずになってしまったんですけども、今の2年以上たったけど結論が出ていない現状と今後、それと販売者責任についてお考えを教えてください。
井土 ジュラシックパークのイベントは2003年に販売した商品なんですけども、結果的にイベントの入場者数が非常に少なかったということで、ファンドのパフォーマンスがあまり、非常によろしくなかったということにつきましては、申し訳ないと思っていますけども、商品設計でありますとか、販売の手法等々につきましては、問題は無かったということは確認はいたしておりまして、そういう意味ではこういう商品というのは、ファンド運営者がいろいろな運営管理をしておりますので、我々は媒介者ということになりますので、詳しいことは運営者からご報告がいくと思われますので、是非ご理解いただければと思っております。
以上を持ちまして、経営近況報告会を終わらせていただきます。本日はご多忙のところご出席を賜りましてまことにありがとうございました。
(拍手)
なお、お帰りの際に、弊社会長北尾吉孝の著書「人物をつくる」をお配りしております。当社をよりいっそうご理解いただくためにも、ぜひお持ち帰りいただきますようよろしくお願いします。
北尾 それからついでなんですけども、宣伝させていただきますと、7月1日になるかわかりませんけども、三笠書房というところから新しい私の本が出ますので、それのほうもぜひご購入をお願いいたします。
(拍手)
【北尾吉孝氏の本】