松井証券株主総会ようやく松井証券株主総会の質疑応答がその3で終了。あとは株主懇談会だけだ。Q18〜32までだが、内容は、次の戦略、アライアンス、コストカバー率、議事のやり方、有利子負債、信用金利、高齢者への対応、東証の負担金値上げ、カカクコムの不正アクセスなど。そういえば、フジサンケイビジネスアイに松井証券の株主総会で松井道夫社長がIPOの改革の件で「いじめにあっている」と言っていたと記事になっていたが、それがQ18のところだ。


出席者が多すぎて第一会場に入りきれないために、用意された第二会場ではこのように第一会場の様子が写されていたが、ずっとこのアングルのままだった。中央左に座っているのが松井道夫社長。






松井証券の対処すべき課題について今回の決議事項。質疑では第1と第3号議案への質問がやや多かった。




Q18.松井証券の次の一手は? 松井証券はネット証券のフロントランナーだったんですが、ここに来て各証券会社が、同列に並んだというか商品的には差別化が前の2年に比べて弱くなってきた気がするんですね。ちょっと株主として心配ですので次の一手が何処にあるのか教えてください。こんど引受けに風穴を開けるということで、発行市場に何か革命的なことをすれば収益に貢献すると思うんですが、現状では抵抗勢力が非常に多いと、社長も流通市場の改革のエネルギー以上にこれはエネルギーがかかるというようなお話が新聞に出てましたけど、次のいっての戦略、社長さんの夢を含めて、発行市場あるいは、例えば銀行を買収するとか決済業務を簡単にするとか、金融の激変期にありますので金融の総合力を生かして松井証券のあの当初の革命的ないろいろなマーケティングポリシー、その辺がこれからどうなるのかについてコメントしてください。

松井 これについて営業担当の九鬼に、と言うのはやめます。私が本来話すべき話なので私の方から答えさせていただきます。実はですね本当に正直に申しあげると、本当に悩んでいます。確かに無期限信用取引等々松井証券が全て、真っ先に始めてそれを他社がまねしていくというのを何年間かやってきました。ところがですね、ここに来て、どうも差別化がなくて、他社の方はむしろ新しい物を出さないんだけど手数料をどんどん下げてですね、そちらでお客を取っていくと、松井証券の差別化が何もなされなくなってきたんじゃないのか。○○さんの仰ることはそのとおりだと思います。そこで私は取りあえずというわけでは無いですが、発行市場での引受けのトライといのは、7年前に私が流通市場でやった革命に匹敵するぐらいの大変なことを宣言したと私は自負しています。ところが、当時の松井証券と今の松井証券はぜんぜん違うんですね。私はこんなに違うのかなぁと改めて思います。どういうふうに違うのかというとですね、プレッシャーというか反発が普通じゃありません。7年前の松井証券、何かどっかの小さな証券会社がちゃらちゃらやってるなぁと、勝手に泳がしておけと、こういう形でやっていたところが泳がせた結果が大魚になっちゃったと。引受けでこういうことをやると、今度は逆にとんでもないことをアイツはやるんじゃないかと、逆に警戒心がものすごく多くて過剰反応している。すさまじいです。とんでもない抵抗です。まぁ当然覚悟してたんですけども、下手すると引受市場から敵視されるかもしれない、というぐらい徹底的なイジメにあっています。でもいろいろなところで申し上げていますように、理はこちらにあると。個人にこれだけ大きなシェアを持っているオンラインの中で、引受けのシェアは1%か2%です。ほとんどの人が宝くじ当たるような感じで新規公開株を手に入れられない。一体何だこれはと。じゃあ20%、30%ぐらいのシェアでしたら瞬間に売れるわけですから、そういう意味では流通市場での革命をバックにして、引受けで革命を起こしてやると。個人からサポートされないわけ無い、一方発行会社はこれから個人の株主がたくさん必要だと、ないしは結果的に引受けて数量が低くなればそれはそれに越したこと無い。彼らにもメリットがある。言ってみれば証券業界の保護的な規制的な昔ながらの証券業界が引受けに集約されているんです。それにたいして私は抵抗したと、ところがすごいとやっぱり。ところでみなさんにサポートしてもらいたいなあと。これはやります。ただこれだけで、差別化だなんて言うとメインのブローキングの方でお留守になっちゃうので。本当は引受けの世界で(革命を)やるというのはブローキングでプラスになると思ってやっているんであってあれなんですけども、実はですね、この辺のイノベーティブな部分については、今は申し上げられません。今申し上げられませんけど、ちゃんと考えています。今も、これまでも、これからも、こういったことを考えていたのは松井証券だけなんですよ。他のところは全部真似です。考えたこと無いですだれも。だからそうは言っても、じゃあ考えろよと言われているんで、じゃあ考えましょうかとしか言いようが無いんで、ぜひその辺は期待しててください。我々楽に仕事しているわけじゃなくて、この役員達を先頭にしてですね、もし考えられなかったら首にしますよ。そういう意味でより今まで以上に積極的に新しいことを考えていきますので、その辺はご期待いただきたいなと思います。(会場から拍手)



Q19.冒頭の説明でコスト削減競争の中でアライアンスというのがありましたが、そのアライアンスの意味、例えば銀行となのか、証券会社となのか、その他の分野なのか、どのようなところを対象に考えるのかだとかについてお話いただきたいのですが。

九鬼 アライアンスにつきましては、常日頃考えておりますが、他社のやっているようなお金を使って買収する、株式を持つことによってアライアンスを組むような昔のモデルをやる気はありません。インターネットの世界ですから、株を支配してアライアンスをするという、企業側が徒党を組んでお客様を囲い込むというのはうけません。あくまでお客様の方から使い勝手がいいいいところを取っていく時代ですので、お金をかけずに強いところどおしが手を組んで緩やかなアライアンスを。銀行とのアライアンスも松井証券が一番緩やかです。緩やかで一番いいのはですね、万一失敗した時のですね撤退のコストが非常に安いです。がっちり組んでしまいますと時代が変わってですね、時代の変化がすごい早いですので1年2年後に失敗した時の撤退のコストがものすごいでかいですし、株主のみなさまにご迷惑をおかけします。ということもありますし、時代が強いところが自分の強みを利用しあうというアライアンスの時代だと思っていますので、こういうことにかんしてはどんんどんやっていきます。銀行に限らず先方がそういう気持ちであればがんがんやっていきます。ただし、基本はコストをかけずに強いところを企業どおしがいいところどりして、それをお客様にいいところどしていただくという考え方でやって行きたいと思います。



Q20.昨日、同業他社さんの株主総会に行きまして配布された資料にコストカバー率というデータがございました。その中で、松井証券はトップを走っていたが、2004年の下期にはトップではあるんですが、他の会社が伸びている中で松井証券さんだけ下がっているというデータがでています。この中で、先ほどの札幌の話と関係があるのかもしれませんが、コメントをいただけるとありがたいのですが。

今田 昨日の総会というとだいたいどこか想像がつくのですが、そこでも出ていたと思います、コストカバー率は下がったとはいえ当社がトップです。他のオンラインは結局去年一気に戻したという感じになっているはずです。他社比うんぬんというのは、当社の絶対の利益額、収益額というのが他社に比べて2年ぐらい前から断トツにあったわけですね。ですからその辺の単純な率でご覧になってもらってもあれかなと。まあ、ただそれはそれで事実でありますので、それを否定するものではありませんけど、60%以上の売上高経常利益率を保っているのは当社のみです。コストに関して札幌のことをお話されましたけど、札幌は逆にコストダウンを将来的な考えでやっているものでありまして、少なくとも89期に関してセンターの設置が経費に圧迫を与えたうんぬんということは一切ございません。

松井 けして油断はするつもりありません。ただ、すぐ言うのは変化率で今までよくなかったので少しよくなったから、よくなった場合は我々の方がいいんじゃないかと言うのは必ず言う手ですね。絶対値でやってみろと、絶対値で勝負しろと。こういうことですね。絶対値についてはさらに売上高経常利益率62%をさらに上げていきたいなと、そのためにはどうやっていけばいいのかということを真剣に考え続けていきたいなと思っています。やっぱり経営というのは無駄なコストをかけたところが負けますから。ただ必要なコストはかけないと一方ではこれも負けますから。その辺のバランスですね。必要なコストとしてはお客さんがどんどん増えている中でそれなりのサポートを充実させていかないとお客さんから無視されるのではないかなという考えの中で、サポートのコストはそれなりにかけていこうと。一方ではシステム、この辺についても大変なリスクですから、システムについてもそれなりにかけていこうと。でもかけていくためには利益が源泉ですから。利益を出さないでかけようとしたって無理ですから、だから何よりも利益を出すためにはどうするかということを第一義的に考えていきたいなと思います。



Q21−1.貸借対照表、損益計算書は法令上は1期分でいいのでしょうけど、わかりにくいんですね。これをぜひ比較貸借対照表、比較損益計算書をつけてもらても、それにしてもらっても結構ですし、営業報告書というのを後で送ってくるのですがそれを一緒に送ってくれたらありがたいと思います。

今田 比較B/S、P/Lというお話ですが、召集通知にはなるべく簡潔な今期に関しての議案のご承認をいただくというのが基本的な場でございます。したがって参考になるということでそれと比較するものがあればbetterかもしれませんが、その辺は将来的な課題として考えさせていただきますけど、現行の法令上はこれで満たされていますので、もしそれが一般的になるのであれば当社もやらせていただきたいと思います。

Q21−2.法令上それでいいということですけども、他の会社では去年お願いしまして比較貸借対照表、損益計算書を入れてくれました。

今田 そういう意味では今後の検討にさせていただきます。



Q22.ストックオプションについてお伺いしたいのですが、普通は増資という形で株式は増えるんですけども、自己株を持ちますと、それをストックオプションに充当すると、いってこいでもって増えないと、一株の希薄が起きないんですけども。松井証券さんですと、1万株しかないんですよね、自己株は。ストックオプションの数からするとかなり少ないなと思いまして。ぜひ、自己株を利用したストックオプションをお願いしたい。

今田 ストックオプションと自己株は別の物ですけども、これのそれぞれの利点欠点があります。したがって、このあたりは今回はストックオプションの決議というのは案で出していませんので、今期には関係ございませんけども、過去の分その他いろいろなやり方がありますので、これはその時その時の状況にあわせて臨機応変にやりたいと思っております。ただ当社の自己株式については、配当政策のところでお話しましたけども、内部留保もある程度残していかないと自己規制比率うんぬんその他の要因もあって、必要だとお話申し上げました。その辺のバランスの中で、考えさせていただきたいと思います。



Q23−1.これから議決が行われるわけですけども、他社の株主総会に行きますと、議決があっても、拍手でパチパチと「はい決議されました」というのが多いんですね。私は賛成が何個で反対が何個だというのも聞いたことが無いんですよ。ぜひお聞かせ願いたい。唯一、先週の水曜日ソニーが前日までの数字はわかるんだと言っていました、ですから去年と今年と2回出してましたけども、前日までは中央三井信託銀行で集計してるんだろうと思うんです。プロですから賛成いくつ、反対いくつで数字がわかっているんだと思うんです。今日のは皆さん持ってきていますからこちらで集計しなけれならないんだと思うんですが、その集計がうまくいかないんだと思っているんですけども、参考までで結構ですから昨日までの賛成の数というのを議決の際にご報告願いたい。

松井 議決のやり方については、明らかに拮抗している時はそれなりに対応しますけども、数を数えるのに非常に時間がかかりますしね、そういう意味では議長として非常に多数だと判断したら議事進行上そういうことにさせていただきたいということなんですね。ご趣旨はこれからの参考にさせていただきたいと思います。

Q23−2.参考までに信託銀行から来ている数字を言ってもらってもだめですか?ソニーではやってるんですけど。

雨宮 手元に細かい数字が来ておりませんので、来年の検討課題としたいと思います。



Q24.役員の選任ですけども、今回も取締役8名ということで定数も8名ですよね。これに候補者が8名といったらこれは無投票全員合格ということですよね。例えば首長選挙で1人しか立候補が無ければ無投票当選でないですか。8名取締役を選ぶのに8名しか立候補しないのでは、全員当選って決まっているようなものですよね。ですから今後はですね8名選ぶんでしたら、少なくともプラス1名、9名の候補者を用意してほしい。できれば8名だったら16名の候補者を用意してほしいというのが私の希望ですけども、選挙するという意味ですかね。我々が選挙するんだという意味からですね、8名だったら8名でなく候補者9名を少なくとも用意してほしいなと思います。

松井 はい。そういう考え方も、まああるでしょう。ある意味では信任投票ではあるし、落ちる人間もいるというのも選挙の一つでしょうね。私はなるべくそういうふうにしたくないと思っているんですけども。その辺のやり方も含めてこれからいろいろと考えていきたいと思います。よろしいですか? はい。



Q25.有利子負債が減少してないんですけど、コメントお願いします。

今田 当社の場合の有利子負債というカテゴリーのバランスシートの中での位置づけですけど、なぜ松井証券が借り入れをやっているかというと、全てお客様の信用の買いのポジション、これのためのパンディングであります。したがって、逆に言いますと増えるか減るかというのはお客様のポジションが増えるか減るかということにほとんどリンクします。当社の場合固定負債は60億位しかない。流動資産、流動負債の中の大半は信用取引資産です。商売活況だと信用残高って増えるんですね。当社の場合有利子負債が増える、という形になります。一般の事業会社が過去数年間、90年代の失われた10年間という中で、やられてきた有利子負債の削減という発想のスタートラインとは当社の場合は違うとご理解いただきたいわけでございます。今4000億ぐらいのお客様の信用の買残がありますけど、明日瞬間1兆円になったらどうするのか?これはあり得ないんですけども、今後増えていくということでビジネスを考えています。急なことがあった時に、カバーできるような体制というのは銀行であるとかその他金融機関とですね、いろいろな契約を結びながら万全な体制にさせていただいております。有利子負債の絶対額が増えた減ったというのは、お客さんのポジションが増えた減ったと理解していただければと思います。

松井 ずいぶん前ですけどもユーロのCB400億を発行して、その前に各銀行に走り回ってシンジケートローン300億ぐらい調達した時に、あの時はまさに信用取引が急激に膨らんで本当にぎりぎりセーフでした。滑り込みセーフでした。その結果として爆発的な信用取引の拡大に繋がって、それが収益利益に繋がっていったと、こういうことですね。ああいったことが、これからもないとは限らない。もちろん万全を期しております。例えば1兆円という数字を言いましたけど、さすがに一気に1兆円になったらこれはちょっと対応できないなと。ただ、たぶん6千億とか7千億ぐらいの拡大は十分対応できる準備は当然してあります。信用残高が6千億とか7千億になったら、それだけで松井証券の販管費はカバーできるというぐらいのことでございます。相場次第ですけども、そういったことも可能性として考えて、これからも対応していきたいと思います。



Q26.松井さん含めオンライン証券3社で取引をさせていただいてますが、最近ちょっと困ったことはですね。銀行系のオンライン証券さんですが、手数料が安くなるということで、7月1日から先ほどカブドットコム証券とありましたが私の認識では2.3から2.7%に金利が上がります。他の証券会社でも4月から2.5%に上がったところがあります。一般に信用取引ということで、やらせていただきますと、急に金利が上がってもなかなか手仕舞いできないもんですから、そう言った意味では松井証券さんの2.1%というのはかなり競争力のある金利だと理解をしています。このを手数料と金利の関係で将来どういふうにされていくのか。それから大手の一角で1.35から2.0に金利を上げたけども今まであまりメリットがなかったということですが、実は私は大和証券の口座を開設いたしました。大和証券さんはこれから松井証券さんが考えたボックスレートの形になると思います。今までは大手証券と言うのはあまり問題になってなかったわけですが、先ほどのグラフで信用取引のシェアは下がってますね。シェアが下がり始めたということはやはりそれなりのシグナルかと思います。大手の大和証券がボックスレートで2.0%というのは非常に競争力のある相手で、先ほどのご回答のように無視してはいけないと思います。無期限を松井証券さんが一番に採用されて私もこれはいいなと実際使いましたがすぐやめました。なぜかと言うと金利が3.1%ということでユーザーとしては使いにくいと。松井証券さんとしては是非ヘビーユーザー向けの信用取引にするようにその辺のお考えをお聞かせ願いたいと思います。長くなりましたすみません。

九鬼 大手さんの話がありましたけど甘く見ているわけではありません。人材的にも資源的にもたくさん持っていらっしゃりますし脅威ではあります。ただ現時点の大手さんのハッスルレートというようですけども、その内容を見ますと基本的に松井証券のやっていましたボックスレートと全く同じ。松井証券の場合は先物とかオプションとかも込みということになっていますので、そういう商品を扱うお客様にとっては競争力があるということです。それから金利のことですけどもこれはお客様それぞれです。1.35が安いからそこでやるという方もいますし、手数料が安い方がいいという方もいらっしゃります。私が言いたいのは、大手さんの考え方で金利を下げれば、お客さんが来ると考えて下げられたらしいのですが、それは失敗したねということを申し上げただけなので、そこは大手さんの戦略だと思います。それから信用取引のシェアが下がっていると言うご指摘でしたが、グラフ上は横ばいということになっていると思います。ただし松井証券の場合は、リテールの株のブローキングと、これがコア業務でありまして、ここに特化することが一番利益率が向上し、それによって株価が上がり、利益も増えて、配当も増えて株主の皆様にも貢献できると考えていますので、特に信用取引については新しい仕組みを含めてですね検討しております。なるべく早く出せるようにしたいのですが、常にこれは検討しております。手数料だけでなく、金利だけでなく、新しい物を出して差別化によってここの業務だけは絶対に負けないということでやっていきたいと思います。

松井 今どのようなことを検討しているのかというのはこの場では申し上げられません。ただ先ほどから何回も申し上げていますように、無期限信用取引もそうですし松井証券が弾を打ち切って考える物はないということはありません。もっともっといろんな物を考えているということだけは信頼していただきたいなあと。そちらの方が手数料を下げるとか金利を下げるよりも遥かに大事ではないかなと、もちろん手数料、金利を全く無視すると言う意味ではありません。それはそれで相対的な比較はしますけども、それと同様に大事なのは仕組みですね。仕組みづくりと言うのは一番大事ではないかと思っていますので、それについては検討しております。



Q27.今日初出席です。アイデアと実行の"せんけんま"(?)松井道夫氏にお会いできましてとてもうれしく思います。(松井社長笑) 私の体験談をお話したいと思うのですが、お宅の電話がなかなか繋がりません。それでしかたがなくて、大変悔しいと思いまして、本社まで3時間半片道かけて行ったんです。昨年の10月のことです。そうしましたら、対応がまるでないんですね。無機質で、もうね、血がまるで通ってないような。迷い込んだような変な気になりましてね。それでもまあ係りの方がちょっとあしらうようなことはやってくだすったんですけど、もうがっかりしてね、帰ってきました。それで3ページの真ん中辺なんですけど「イノベーティブな仕組みやサービスを提供し続けることで、他社との差別化をはかり顧客の継続的な獲得をはかる方針です」と書いてありますが、私は超高齢で、ITの落ちこぼれであります。それでも何とか松井でやりたいと思っても、その方策がありません。学校に入るには下から順にやらなければならない。いらないこともやらなきゃならない。時間がありません。それでなんとかこの超高齢、しっかりウーマン、アンド、マン。それを助けるような方策を松井氏にぜひ考えていただきたい。

佐藤 ○○様のお叱り、非常に心痛く、申し訳なく思っています。その件よく覚えております。私どもにお客様相談室という部署を設けておりまして、そこのメンバーが対応させていただいたと思います。冒頭にご質問ありました札幌センターの件もそうでございますが、とにかく我々商売人としてたくさんのお客様からいただいている大切なお電話を一本でも取り逃さないということで、一番大事だと思っています。ところが実数で申しますと今だいたい1300件から1500件ぐらいのお電話を毎日頂戴しています。そのうち一番少ない日ですと1%、多い時ですと100件ぐらいを取り損ねています。ここで全部いただいたお電話を取らなくてはいけないということで、札幌センターの設置を決断した次第でございます。それから松井が先ほどから申しているとおりインターネットだから電話を取らなくていいという考えを全く持っていませんので、一本でもいただいたら必ず取るというようにこれからやって行きたいと思います。それから忘れもしない昨年の株主懇談会の方で、私が多くのお客様から、なんとか我々のようなご高齢の方もネット取引をもっとやりやすくできんのかという言葉をいただきまして、考えましたのが”株簡単開始サービス”というもので、NTT-MEさんと組みましてはじめました。これはご高齢の方でもご自宅までパソコンを設置に参りまして、1年間はお電話していただければ何度でもNTTの方が設置とか使い方のご説明にお邪魔するというのは我々のコスト負担で、もちろんパソコンを買うコストはお客様もちですが、そのようにしっかりお客様、株主様の声を聞いて開始しました。ですから松井が何度も言っていますようにこれから我々のビジネスは団塊の世代、もっとさらにご高齢の方々に一番力を入れています。他のオンライン証券はなかなかそこに力が入らないと思います。お陰様で儲けさせていただいたお金をですね何とかそちらの方にしっかり考えて、株主様のようなお客様のために取り組んでいきたいと思います。

松井 オンライン証券というのは私ども松井証券が始めたサービスです。あたかもデジタルで無機質と解釈されるんですけど、確かに手数料がこれで飛躍的に下がって、マイペースで株取引をする環境が整ったというのは、それなりに日本の個人の株取引を変えたなという自負心は持っています。ただ一方で、人間味のないものでこれが済むと、オンラインがオフラインを凌駕して全部オンラインになるとも私は実は考えてないんですよ。むしろもっとオンラインの中でですね、よりアナログ的な対応が結構大事になってくるのではないのかなあと、こういうようなことも一方では考えてますので、ある程度利益を出させてもらっているのでその中からこういったアナログ対応に多少なりとも人を使っていきたいなと思っております。それがやはり他社との差別化に繋がっていくんじゃないかなと。そういうふうに考えて行きますので、その辺ご理解いただきたいなと思います。



Q28.新聞報道によりますと東証への発注株式数に応じて負担金を上げるという話を聞いております。これによる松井証券への業績の影響は?

今田 新聞報道のとおりでございます。今年度から課金の方式が変わっていまして、ただその時点の東証さんの説明もあり去年度、89年度の実績もあり一応シュミレーションしてまして、足元は状況が変わっていましてそのとおりにはいかないのですが、注文数の増えたオンライン証券がコスト増になります。そうじゃないところが減ると。当社の場合はそれほど大きな打撃になるとは思っていません。ただこれは動かない前提でのシュミレーションですので、どうしても全体の注文件数が増えつつあります。それからそれを加味した形の変動的なコストは少し増えるかなと。ただ販管比で去年120億ぐらいありますけど、このうちの東証さんにお支払いしている分というのは数億でございます。ですから数億の金額の一部が増えるという感覚でご理解していただければと思います。



Q29.先日カカクコムさんのサイトで問題がありましてサイトを閉じるという攻撃を受けたと、もし松井証券が外部から侵入されてサイトが開けなくなった場合の対応の仕方、どのような対応を考えているのかお聞かせください

中村 先日のカカクコムさんの状況ですけど当社としましては調査をしていますが、残念ながらカカクコムさんの状況がメカニズムという点で公表されていません。現象だけは出ておりますので、それをもとに当社としては分析しております。まず起こった場合の前にそのようなことが発生するかということにお答えしますと、同様なものは起こる可能性はきわめて低いだろうというのが結論でございます。そう考えています理由はですね、カカクコムさんはWindows系のシステムを導入されているように報道されています。私どもの方はUNIX系のですね、システムを導入しているものですから、少なくとも同じような問題は起こりにくいと考えています。ただ不正アクセスというものはそもそも必ずしもWindows系だけで起こるというものではございませんので当社としましてもファイヤーウォールをもって、侵入検知システムを持って、24時間監視していますのでそういったことが起こったらすぐに対処できるようにしています。結果ですね不幸にして同様なことが起こってしまったという場合については残念ながら手段はございません。これは世の中にある全てのサイトが同じようなリスクを抱えています。当社としましてはいかに不正アクセスを防ぐか、あるいは早期の発見、早期に分析するということがもっとも重要だと思っていますので、仮にそういったことが起こった場合については、結果が出るまではサイトを閉鎖せざるを得ない。またあわせてアナログ的な対応も行っております。閉鎖したとしましても顧客サポートセンターを充実させる方向に動きますので最悪の場合はそちらの方から注文をいただくという対応させていただきます。

松井 システムのリスクというのは、オンライン証券の中で最大のリスクだと認識してますので、その辺についてはいろいろなケーススタディ、フィージビリティスタディー等をした上で、おそらく他社もやっているでしょうけどオンラインの中では最もリスク管理は進んでいるのではないかなと私は自負しています。また一方で共通の問題ですからネット証券協議会でも議題に取り上げて、何も松井証券だけでなくて、イー・トレード、楽天、カブドットコムと連携を取りながら最悪の事態を避けるためにどういうふうにお互い連係プレーすればいいかということも考えています。



Q30.IPOを申し込んだ時の入金時期は、IPOが当選したかどうかわかる前に入金金額を振り込んでおかないと資格がなくなるというシステムだったと思うのですが、今のIPOの活況であれば当選した人が入金しなかったとしても次点の人が入金してくれるという需給関係にあると思います。ですので入金のタイミングを申し込みの時期でなくて当選が確定した時に変更できないでしょうか?

矢吹 当社は全て前受制でやっていますので、システム的にできるかと言えばできますが、現金がないのに買ったり手持ちがないのに売ったりするのは基本的に厳格にやっていますので、そのような対応は控えさせていただきたいと思います。

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Q31.株主優待についてですが、株主の売買手数料を気持ちだけでいいんですが、10%とか15%程度いいんですが、持株数に応じてディスカウントさせていただけると私も長く持ちやすいなあという次第です。要望としてお考えください。

松井 当然そういうことは考えておりまして、やるとかそういうんじゃなく、手数料というのは我々の売っているサービスがブローキングですから株主の皆さんにブローキングで便宜をはかってもらいたいということは真っ先に考えました。ただその辺についてはいろいろなバリアがここでは言えませんけどありまして、これからバリア等々をこれから考えた上で検討していきたいと思います。

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Q32.みなさん注文が多かったので私びっくりしています。昨年と今年2回目ですけども昨年の雰囲気から比べまして今回の株主総会は相当厳しく感じました。最後ですので新しい役員さんにはがんばっていただいて、営業利益率62%を死守していただきたいと思います。そうすれば50%台のキーエンスの株にだんだん近づくのではないかと思いますのでよろしくお願いします。そしてIPOもがんばっていただきたいと思います。昨年は社長にお土産を持ってきた人もいるような気がしますけども今年は無かったので、私は誰かがもっといい物を持って来るんじゃないかと期待していたんですけども・・・これからも株主も社員もがんばって松井証券を盛り立てていきたいと思います。よろしくお願いします。

松井 ○○様、どうもありがとうございます。なんか叱咤激励の挨拶ということで、話にもありましたけども、まずはここにお越しくださった株主の方も含めて私ども松井証券>というのは株主の物ですから、利益をあげるために何をするのか、これを朝から晩まで考えると。もちろんそのためにはお客さんから支持されないといけないので、1人でも多くのお客様から選ばれる証券会社になることが利益になりますので、これからも新しいイノベーティブなことを考えて実行して今までと同様にオンライン証券の先導者としてこれからも松井証券は進んで行きたいなと思っていますので、よろしくご鞭撻のほどをお願いしたいと思います。




質疑終了後、全ての議案が承認可決。


その4につづく