日経新聞にSMBCフレンド証券が信用取引手数料を無料化するという記事があったが、る〜さ〜(臼田さん)のカブログでも指摘しているように、これは新規建て時の手数料が無料になるものの返済時の手数料はとられるというもの。ちょっと紛らわしい報道だ。


SMBCフレンド証券 インターネット取引に係る手数料体系の改定について(PDF)

1.信用取引に係る委託手数料の無料化

信用取引の新規建玉に係る委託手数料を、無料と致します。信用取引では、新たに買い建玉・売り建玉を行う「新規取引」と、既に存在する買い建玉・売り建玉を手仕舞いする「返済取引」がございますが、この内「新規取引」に係る委託手数料のみを無料と致します。

2.お客さまのクラス別手数料体系の導入

お取引実績に応じた3つのクラスを設定し、手数料率の優遇を行います。

尚、平成17 年9 月30 日までに口座開設の手続きを完了したお客さまにつきましては、優先的に「Sクラス」での登録とさせていただきます。

3.定額会費制のサービス拡大
(定額会費制は、月次会費を徴収し、定められた売買回数までは手数料が無料となるサービスです。)

(1)定額会費制での信用取引が可能となります。

(2)定額会費制に3つのプランを設置、ご利用頻度に応じて選択できるようになります。

4.信用取引金利の改定

従来、対面取引と同等の金利(買方金利1.35%)設定を行っておりましたが、ネット取引の信用金利につきましては、若干の引上げを予定しております。具体的な引上幅は未定ですが、2%台前半程度になる見込みです。


SMBCフレンド証券のプレスリリースを見ると、今回の手数料改訂の内容は、信用取引の新規建て時の手数料無料化だけではないことがわかる。

1については、カブドットコム証券が返済時の手数料を無料化するのに対して、逆に新規建て時に無料化するということで、カブドットコム証券の場合は建玉の一部を利益確定しやすくなるのに対して、SMBCフレンド証券は新規建て時に打診買いやナンピン買いがしやすいということかもしれない。ただ、SMBCフレンド証券の方は、返済時の手数料は売買代金に比例して高くなるのでそれほどお得な感じはしない。

それよりも、今回の手数料改訂の目玉は2と3じゃないのだろうか。特に定額会費プランAの1ヶ月3150円で10回取引可能というのは、他の証券会社で見たことはない価格設定だと思った。1ヶ月10回ぐらいしか取引しない日とって結構いるんじゃないだろうか。それで1回当たり315円の手数料というのは結構リーズナブルだ。これに比べたら定率プランなんかどうでもいい気がする。

しかし、4の今まで対面と同じだった信用金利を値上げするというのはいただけない。なんで対面より金利が高くなるのだろうか。

結局のところ、定率プランに魅力はあるものの、主要なネット証券に比べるとオンライントレードの使い勝手や細かいサービスで劣っている分、ぜんぜんネット証券の脅威にはなっていないと言える。

1年に1回ニュースになるかならないかのSMBCフレンド証券の担当者としては、プレスリリースと日経の報道をちょっと目だって口座数を稼いでみたかったのかもしれない。

臼田琢美の「かぶろぐ(kabu.log)」 信用取引無料?!

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