ライブドア証券ライブドア証券は、来年5月を目標にオンライントレードのシステムを自社開発し、TurboLinuxを採用したものに刷新する。中国・大連のライブドア・チャイナで中国人エンジニアを使い開発し、設立準備中の西京ライブドア銀行とも提携して、総合ファイナンスポータルの形成を目指すそうだ。以前、堀江社長は「証券よりブログのほうがシステム構築難しい」と言っていたが、ブログの移行で手間取ったライブドアがどんなシステムを作るのか注目だ。

ライブドア証券、TurboLinuxでオンライントレードシステムを刷新(日経パソコン)

ライブドア証券は、来年5月を目標に、オンライントレードのシステムを刷新する。新システムでは、主にTurboLinux(ターボリナックス)を利用。データベースにはOracleと、一部MySQLを採用する。ターボリナックスはライブドアの子会社だ。

 現在、ライブドア証券では、他社システムのASPサービスを利用して、オンライントレードのサービスを提供している。しかし、仕様変更の柔軟性が低いことやコスト面の負担が大きいことから、今回、自前のシステム開発に踏み切った。

 開発費用は総額約8億円。現在、同社の1日の注文件数は約15万件、約定件数は7〜7万5000件だが、新システムではその倍、1日の注文件数30万件、約定件数15万件をターゲットに設計する。

 今回のライブドア証券の新システムには、大きく2つの狙いがある。

 1つは、ネット企業ならではの使い勝手の良さを目指すことだ。注文してから取引所につながるまでの時間を短縮するなど、既存の利用者の利便性を向上させることはもちろん、ビデオチャットを使った顧客へのアドバイスサービスなどを提供する。
 また、現在、設立準備中の「西京ライブドア銀行」(仮称)とも連携し、総合ファイナンスポータルの形成を目指す。株取引などに応じてライブドアポイントを加算し、銀行との連携で特典として還元する計画だ。

 もう1つは、開発したシステムの外販だ。新システムの開発はすべて、中国・大連のライブドア・チャイナで中国人エンジニア100人体制で行う。実際には、既存のパッケージ製品をカスタマイズ。開発したオンライントレード用のJavaのフレームワークを外販していくという。

ライブドア証券のオンライントレードシステムは、2004年9月に日興コーディアルグループのシステム子会社が開発した極めて小規模なものからスタートしたが、2005年2月からはインタートレードが開発・コンサルティングに関わり、現在の形になっている。その後、電子交付機能の追加など小規模な機能追加が実現したものの、先行する大手ネット証券のシステムに比べると実力不足の感は否めなかった。また、堀江社長が社長日記で○月ごろになる見込みですと言っていたものは、結果的にほとんどが遅れていて、開発スピードにも問題があったのかもしれない。当初、2005年春開始と言っていたPTS(夜間取引)は、夏に変更され、さらに秋ごろにはというメディアでの報道もあるが結局今年中にできるのかもわからない状況だ。また、取引所への発注スピードが遅いという顧客の声もある。それを受けてか、社長日記の8月5日分に「ライブドア証券の梃入れ施策などを論議。」と書かれていたので、この頃にようやく子会社のTurboLinuxを使ったシステム刷新を決断したのかもしれない。

新しいシステムが完成すればTurboLinuxとしては過去最大のシステムにOSが使われることになる可能性がある。Linuxを使った証券会社のシステムとしては、イー・トレード証券のオンライントレードシステムが有名で、そのシステムでは、プレゼンテーション層、ビジネスロジック層、データベース層の3層の内、プレゼンテーション層、ビジネスロジック層でLinuxを使っているが、ライブドア証券はどうやら、データベース層でもLinuxを使うつもりのようだ。一部でMySQLを使ったりと挑戦的な試みのようなので、業界の注目度も高そうだ。もちろん、ブログのように重くなったり、新システムへの移行に2ヶ月もかかったりするようなことは御免だ。

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