楽天証券楽天証券で13日、再びシステム障害が発生してしまった。今回は東証向けの発注システムの不具合によるもので、復旧に手間取ったこともあり、投資家への被害も大きなものとなった。さらに、楽天証券では13日23時の時点で、「当面の対策を協議中」であると発表していて、14日の安定稼動が確約されていない状況であるため、顧客の不安はなお広がっている。

9月13日(火)のシステム障害に関するご報告 (9.13 23:27)

日頃、弊社をご愛顧いただき誠にありがとうございます。

9月13日に発生いたしました東証向け発注系システムの障害により、お客様のお取引に多大なご迷惑をお掛けし誠に申し訳ございませんでした。このたびの事態経緯、原因および今後の対応についてご報告をさせていただきます。

■ 今回の状況および事態経緯について
本日(9月13日)午前9時過ぎから10時10分と、後場寄付から13時35分までの間、東証向け発注系システムに障害が発生いたしました。その影響でお客様のお取引に関し、以下のような状況が起きてしまいました。
発注した注文の約定結果をお客様の画面に反映するまでに時間を要し、結果として既に約定している注文にも訂正や取消が可能な状態となっておりました。
お客様の画面において、取引所への発注した新規注文や訂正・取消注文の受付状況を反映するまでに時間を要してしまいました。そのため、弊社がお客様から注文を受け付けた後、「執行待ち」のままとなり、「執行中」あるいは「約定済」などの状態を表示するのに時間を要しました。
新規注文の受付完了を反映するのに時間を要し、訂正・取消注文を受け付けることができない状態になってしまいました。

この事態において弊社では、バックアップの発注経路への切り替えを実施いたしましたが、段階的な復旧となり、上記の状況が解消するまで非常に長い時間を要するといった事態になってしまいました。

障害発生から事態復旧に至る経緯は以下の通りとなります。

9:01東証への注文において遅延を検知
9:55 WEBシステムからの新規注文について、バックアップ用発注システムからの発注に切り替え
10:10 マーケットスピードなどWEB以外からの新規注文について、バックアップ用発注システムからの発注に切り替え
13:26 マーケットスピード(MS)からの新規注文を正規系発注システムからの発注に切り戻し
13:35 WEBシステムなどMS以外からの新規注文をバックアップ用発注システムからの発注に切り戻し

■ 今回の原因について
弊社が利用している発注系システムの一部において、取引所から注文受付後に返信される受付完了通知の取込み処理に不具合が発生いたしました。

■ 今後の対応について
現在、原因となった箇所について当面の対策を協議しております。取引所への注文に関わる重要な部分であることから、該当箇所の修正を行うか、回避策を採ることにするかを慎重に見極めた上で、9月14日(水)の取引開始までに措置をとることといたします。
加えて、万一の事態をいち早く検知し、迅速に対策をとるため、早朝の監視体制を強化して臨みます。

最後に、今回の事態につきましては重ねてお詫び申し上げます。今後ともお客様におかれましては、何卒、深いご理解と変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

また、障害による影響のあったお取引に関しては、弊社内で確認作業などを行い、該当するお客様に対してWEBログイン後のお知らせ画面やメールご連絡をさせていただきます。
システム障害によるお客様の取引に関するお取扱い指針は以下のページをご覧ください。
http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/PRNT_V_GID_System_01.html


13日の障害では、顧客が発注した注文の約定結果が画面に反映されず、取消注文や訂正注文を出しても反応しないという現象が発生し、多くの投資家が混乱する事態となったようだ。高値掴みをしてしまい、復旧した頃には暴落していたという顧客も多かったという。

また、障害発生から、第一報発表までの時間に30分もかかったり、顧客向けの文章に「注文を投げる」といった表現を使うなど、楽天証券の対応の悪さが今回も見られた。

13日の23時20分に公開されたシステム障害に関するご報告では、「修正を行うか、回避策を採ることにするかを協議中」となっているが、どちらを行うにしろ何らかのリスクが14日のシステム稼動につきまとうことになりそうだ。

既に報道にあるように金融庁は大手ネット証券に対して、今後のシステム増強計画を報告するように求めていて、中でも問題視されているたと楽天証券は、9月の連休を返上して基幹系DBサーバをCPU性能比で現行の1.6倍にすると発表しているが、今回の障害のために、その増強計画にも影響が出る可能性がある。楽天証券としては既に金融庁に報告してしまっている増強計画を遅らせれば、「史上最大の作戦」と謳う手数料引き下げの中止を余儀なくされ、シェア争いでイー・トレードに遅れをとることにもなりかねない。

まさに一歩も引けない状況というかもう金融庁からの処分が出る確率は高くなってしまったが、三木谷会長、国重社長にはシステムの安定稼動を第一に考えて適切な判断をしてほしいものだ。

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