イー・トレード証券井土社長イー・トレード証券の井土太良社長は、ロイターのインタビューに対し、楽天証券のさらなる手数料引き下げに対しては、「うちは当面付き合う」と対抗して値下げを行うことを示唆した。しかし、「手数料の引き下げだけで顧客を取れる時代では無くなってきている。」と述べ、取扱い商品の拡充も今後さらに強化する考えを示したそうだ。

手数料、楽天が引き下げならなお対抗へ=イー・トレード証券社長[ロイター]

●イー・トレード証券 井土社長発言

・楽天証券がさらに引き下げた場合は、「うちは当面付き合う」。
・「手数料の引き下げだけで顧客を取れる時代では無くなってきている。幅広い投資家層に受け入れられるいいサービスを提供することが重要だ」
・手数料引き下げとともに、増え続ける注文件数に対応できるシステムを完備することも欠かせない
・現行のシステムでは、口座数が約100万口座まで増えても対応できる状況だが、年末までに150万口座に対応できる体制を整える方針
・7月に実施した手数料の引き下げは、一時的に収益を圧迫したものの、「すでに(口座数増加や取引の拡大で)埋めることができた」
・もう一段の手数料引き下げが収益に与えるマイナス要因については、今後の口座数増加や取引の活発化を背景に、「約1カ月くらいで埋めることができるのではないか」
・2005年7─9月期も、「業績は四半期ベースで過去最高を更新するだろう」
・個人投資家がここまで本格的に株式市場に戻ってきたことはなかった」

というわけで、先日やはりロイターのインタビューに対して、「値下げを実施する余地がある」と言った国重社長のコメントに対して、イー・トレード証券の井土社長は望むところであると回答した形だ。

しかし、イー・トレード証券としては、これ以上の手数料値下げは効果は期待できないと考えているようで、積極的に値下げを仕掛けていくことはせず、楽天証券の値下げに対する防衛的な値下げにとどまる考えだ。

さて、10月の手数料値下げの後に、今度楽天証券は、さらなる値下げをいつしかけてくるだろうか。7−9月期はどのネット証券も業績は好調で、体力的にはかなり余裕ができてきている。意外と値下げが早々に行われる可能性もあるだろう。

【関連記事】
楽天証券 国重社長「まだ手数料の値下げを実施する余地がある。イー・トレード並みのシェア25%にしたい。」
イー・トレード証券 佐藤執行役員「今後、数十円単位の引き下げはあるかもしれないが、100円、200円という大幅な下げは考えにくい。」
楽天証券 国重社長「イー・トレードを凌駕して北尾さんの背中が見えるようになりたい」
楽天証券曰く「史上最大の作戦!」 ついに新手数料体系「ワンショットコース」を発表