21日は、東証1部の出来高が36億9898万株、JASDAQは7億4000万株と、ともに過去最高を更新する活況となっている。外国人投資家に加えて、国内の機関投資家、連休中のネット証券経由のデイトレーダの訂正・取消注文の増加、加えて総合証券の窓口・オンラインからの個人客の注文も増えているようだ。この影響で、ジャスダックで売買を管理するシステムの処理速度が遅くなり、証券会社に取引成立の通知が遅れるトラブルが発生、一部のネット証券でも処理が遅くなる現象がおきたようだ。

■ JASDAQ

ジャスダック証券取引所では、21日に売買を管理するシステムの処理速度が遅くなり、証券会社に取引成立の通知が遅れるトラブルが発生した。当面の再発防止策として、前日の出来高が1億株を超えた銘柄の取引を制限するそうだ。まず、自己売買を制限し、次に信用取引が制限される。

活況→処理速度遅く…ジャスダックでシステム障害 : 経済ニュース : 経済・マネー : YOMIURI ONLINE


■ 大阪証券取引所

楽天証券によると、大証内の日経225先物取引約定処理に遅延が発生していたそうだ。

大証における日経225先物取引処理の遅れについて(復旧済)【続報1】 (9.21 13:03)


■ 楽天証券

楽天証券では、発注が遅れたり、約定処理が遅くなる現象や夜間バッチの遅延も発生していたようだ。一部未確認の情報もあるけど、デイトレーダなどの取消、訂正注文がシステムに負荷をかけている模様。また引き続き電話はつながりにくい。

夜間バッチ遅延のお知らせ【続報】 (9.21 06:01)
本日大引け間際の東証注文の処理について (9.20 21:20)


■ イー・トレード証券

イー・トレード証券では、夜間のバッチ処理の遅延により、買付余力が前日時点の値になる現象が発生。最初の説明文では「バッ"ジ"」になってたので、かなりあわててたのかもしれない。

また、大引け後には緊急メンテナンスを実施している。

臨時システムメンテナンス作業のため、9/21(水)の国内株式の各市場の取引終了後のご注文受付、並びにカバードワラントの15:00過ぎのご注文受付を、本日19:00(予定)迄の間停止させていただきます。また、ATMを利用した入出金、即時入金サービスを利用した入金、出金・振替指示等の一部のサービスも同時に停止させていただきます。

15:00すぎごろは上記のような告知文でカバードワラント注文を停止するつもりだったようだが、約20分後には、以下の文章に変更された。

臨時システムメンテナンス作業のため、9/21(水)15:00〜19:00(予定)の間、即時入金サービスを利用した入金、出金・振替指示等の一部のサービスを停止させていただきます。



■ マネックス・ビーンズ証券

マネックス・ビーンズ証券では、特定口座の譲渡履歴画面の不具合があったそうだ。取引の急増によるものかどうかは未確認。またやはり未確認だが、表示が遅いという掲示板の書き込みもあった。

特定口座 譲渡履歴画面の不具合について(9月21日 13時10分)

本日10:00〜10:32、特定口座 譲渡履歴の表示に時間がかかり、同画面をご覧いただけない状況となりました。(他の画面については不具合は発生しておりません。)
当該不具合は解消しておりますが、お客様にはご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申し上げます。



■ 松井証券

以前、松井社長が出来高50億、東証パンク説を唱えていて、だんだんそれに近づいてきているなか、松井証券ではさすがにJASDAQの影響以外は問題はなかったようだ。ただし、今夜の夜間バッチを通常より30分早く開始する対応を行っているようだ。

■掲載日時 09/21 18:00

2005年9月21日(水)、本日夜間のバッチ処理(一括処理)の時間を延長します。

バッチ処理予定時間:9月22日(木) 01:30 〜 05:00
※通常は、02:00 〜 05:00に行われます。

お客様にはご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。



■ カブドットコム証券

JASDAQの影響以外は、問題はなかったようだ。ログイン後の画面で、「キャパシティプランと今後のシステム増強」というお知らせを21日付で掲示している。



ロイターによると、東証のシステムにもそろそろ限界が近づいているのではないかという兜町関係者の話があるようだ。

[兜町ウォッチャー]東証1部出来高が急膨張、一段高予兆も並存するシステムリスク

市場関係者の間では、「バブル当時は、売買について手作業に頼っていた分が多かったことから物理的な限界もあったが、完全にシステム化され、オンライン取引が活発化している現在は、投資家の注文さえ呼び込めば、出来高の記録がまだ伸びる可能性もある」(準大手証券情報担当者)との見方が出ている。

東証によると、同取引所のシステムが対応できる注文件数の上限は、1部、2部、マザーズの合計で620万件。前日の件数は450万件だった。

 来年2月までに900万件まで増強する計画だが、「1部市場で60億株の取引があればパンクする」(準大手証券ストラテジスト)と懸念する声も出ている。


来週以降もこの状況が続くようだと、証券業界全体で大変なことになるかもしれない。個人投資家としても十分警戒し、証券会社の分散、取引市場の分散をしておいたほうがいいかもしれない。