SBI北尾吉孝CEOSBIホールディングスの北尾吉孝CEOは、13日、静岡市内で講演し、楽天が株を大量取得したTBSに対し経営統合を申し入れたことについて、「メディアとネットの融合などと簡単に言っているようだが、昔もハードとソフトの融合といって映画会社を買収し、失敗した家電企業の例がある」と述べ、「成功は難しいのでは」と指摘したそうだ。また、テレビ東京WBSの取材に対して、村上ファンドの阪神タイガースの上場提案について、「阪神球団を株式公開してどうやって持続的に収益を成長させるのか、僕にはその方法はわからない」とコメントした。

楽天とTBSの経営統合「難しい」 SBI北尾氏

 ベンチャーキャピタルのSBIホールディングス代表取締役CEOの北尾吉孝氏は13日、静岡市内で講演し、楽天が株を大量取得したTBSに対し経営統合を申し入れたことについて、「メディアとネットの融合などと簡単に言っているようだが、昔もハードとソフトの融合といって映画会社を買収し、失敗した家電企業の例がある」と述べ、「成功は難しいのでは」と指摘した。
 北尾氏は自身がこれまで、M&A(企業の合併・買収)を先進的に進めてきた経験も踏まえ、「企業文化の統一は難しく、思ったほどのシナジー効果が出てこない」と企業買収のリスクの高さを強調した。その上で、「低いリスクでビジネスの迅速な立ち上げが可能」なJV(ジョイント・ベンチャー)や戦略的提携の有効性を示した。
 北尾氏は企業価値の向上に向け、顧客主義の徹底や企業文化の確立、人材の育成で「好循環のプロセスをつくってほしい」と呼び掛け。強い企業よりも「強くて尊敬される企業」となるよう、CSR(社会的責任)も重視すべきとした。
 講演は異業種交流会の伊東伊佐美同友会(82社)主催。会員企業の関係者らが出席した。 (静岡新聞)



「僕は阪神ファンですから、大いに買ってもらいたいと思うんですけど、野球団という会社、それをホールディングスカンパニーにしようが、球団だけを公開させようが、毎年毎年、どうやって収益を持続的成長させていけるんですか?僕にはその方法はわからないです。」(WBS土曜版・15日)


ニッポン放送問題の時には、実質的なホワイトナイトとして騒動に参入してきた北尾氏だったが、今回の楽天・村上ファンドのTBS株取得、村上ファンドの阪神電鉄株取得問題には静観の様子。しかしながら、今回も買収側の意図に懐疑的なようだ。

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