日本証券業協会が18日、インターネット上で証券口座を開設する際の審査基準を厳しくする検討に入ると表明したそうだ。取引するつもりがないのに注文訂正や取り消し注文を繰り返す、いわゆる見せ玉が増えていることを懸念しているためらしいが、口座開設する際の審査基準を厳しくすることで、効果があるのだろうか?

見せ玉の問題については、先月21日に、日証協会長が金融庁に防止策今日を要望している。

日証協会長、株価つり上げ防止策強化を金融庁に要望

 日本証券業協会の越田弘志会長は21日の記者会見で、大量の買い注文を出して買い意欲が強いと見せかけて株価をつり上げる不正行為について「当局に一歩踏み込んだ対応を期待したい」と述べ、金融庁に摘発などの対応強化を求めた。

 売買成立前に注文の取り消しや訂正を繰り返す「見せ玉」という手法はインターネット取引を通じて拡大。証券会社や取引所のシステムにも大きな負担になっている。日証協は今後、異常な取引への注意喚起や注文拒否に関する自主規制ルールを整備する方針。


この金融庁への要望だけでなく、業界団体としても自主的に見せ玉対策を実施することになったようだ。

日証協、ネット口座開設の審査基準厳格化を検討

 日本証券業協会は18日、インターネット上で証券口座を開設する際の審査基準を厳しくする検討に入ると表明した。ネットを通じて株式売買の成立前に注文の取り消しや訂正を繰り返す不自然な動きが頻発したことに対応する。

 こうした取引の急増はジャスダック証券取引所のシステム障害の一因になった。取り消しや訂正の件数を反映した手数料を証券会社から徴収することで監視機能を高めるほか、異常な取引が相次ぐ場合は画面上で注意喚起するルールの導入も検討する。


このニュースを見ると、日証協として自主ルールを作って口座開設基準を厳しくするのと同時に、ジャスダック証券取引所でも取消しや訂正の件数に応じた手数料の徴収を行うようだ。日証協・ジャスダック証券取引所としては、不正取引が普通の取引の妨げになっているから不正取引を排除するというスタンスのようだ。。

もし、口座開設の審査を厳しくしたら、ネット証券の口座数の伸びが鈍る可能性がある。(ネット証券Blogにとっても死活問題だ。(笑))
さらに取消しや訂正注文に応じて手数料が徴収されたら、ネット証券は手数料を値上げしないと利益が減ってしまう。

しかし、これを実行して監査機能を高めたとしても、増加する注文件数に対応できるのだろうか? 実際に意図的な見せ玉も多いかもしれないけど、株価が乱高下するからやむ無く価格訂正や取消し注文を何度も繰り返している人も多いだろうし、これからもそのような例が増えていく可能性が高い。制限を加えるのであれば、最初の発注から1分間は訂正・取消ができないようにするなどの方法がいいような気がする。口座開設で審査をするという制限は意味が無いしすべきでないと思う。

とは言え、見せ玉は本当によくない行為だ。普通に株式投資をする人も、数分間ぐらいは本当に買ってもいいという意思が変わらないような価格で注文してほしい。