カブドットコム証券大幅増収増益なのにあまりマスコミに注目されていないようなので(笑)、カブドットコム証券の中間決算を見た感想。


カブドットコム証券2006年3月期 中間決算 説明資料(PDF)

営業利益 53%増 過去最高
経常利益 75%増 過去最高
金融収支 132%増

第2四半期の経常利益が前年中間期の経常利益を上回る。


8半期連続で増収増益なのでどう比較しても過去最高。わかっていたこととはいえ、好調だ。金融収支については、松井やイー・トレードに比べると小さいかもしれないが、手数料値下げによって今後の安定収益源として成長していく可能性が高いだろう。

P18
手数料率は前期末比-0.022%


株主優待割引やシニア割引、信用手数料の値下げにより手数料率がカブドットコム証券も10ベーシスを割ってきたようだ。

P19
シェアは5.1%(前年同期比-0.2%)
Meネット証券の合算シェアは6.0%


シェアの低下は総合証券が好調なのでしかたないところ。Meネットを足すと0.9%増える。Meネットよりも低コスト経営のカブドットコムにボリュームディスカウント効果が出るかもしれない。

P25
インターネット証券仲介の実績
開始後約2ヶ月で口座開設件数は薬2500件まで増加。
9月短月の口座開設数約1500件(当社新規口座の約16%)、約定件数3000件超。)


今回の決算説明の目玉はこれだ。9月の時点で新規口座の16%がUFJ経由。今後これがどこまで伸びるかということと、三菱UFJ銀行に統合されればさらに口座開設数が上積みされる可能性があるということには、大きな期待がもてるだろう。また、資本関係での提携のため、仲介業での口座開設のコストはかなり低くすんでいると思われる。

P38
■利益配分の予定
平成18年3月期末には当社初となる
配当性向30%程度の配当の開始を予定しております。


ついにカブドットコム証券も配当を行うことにしたようだ。松井やイー・トレードの場合もそうだが、利益に応じて配当が変動して期末に1度で支払われるわけだから、仮に相場が一時的に低迷して株価が下落しても他の時期に利益を稼いでいれば、そこでは押し目買いができるということになる。ネット証券関連銘柄の買い方の一つはこの方法である。

ということで、カブドットコム証券の決算は好調を示すことしか書いてなかった。しかし残念なことに既に株価には織り込まれている。やはり証券株は相場が低迷しているときに買うに限る。ただしカブドットコム証券は成長余地が比較的大きいので今の水準でもまだ安いという見方もできる。また三菱UFJが株式を取得してくれたおかげで大株主の売り抜けの問題が少しだけ解決されているし、配当を出すぐらいだから増資やMSCBによるファイナンスを行うことは当面なさそうな気がする。年始にはMeネット証券との合併が控えているので、それで株価がどう動くのか注目していきたい。

なお、カブドットコム証券は、IRの動画も公開している。動画の終わりに、地球の周りをカブドットコム証券のロゴが回っているけど、顧客中心主義であることを表現しているのだろうか。

カブドットコム証券