松井道夫社長TBS問題で孤立しつつある楽天に、松井証券の松井道夫社長もついにかみついた。松井証券の中間決算発表で松井道夫社長は、システムトラブルが相次いでいる楽天証券について 「この業界を甘くみてほしくない」と激しく非難し、「場合によっては、ネット証券評議会からの除名もありうる問題」と顔を紅潮させて語っていたそうだ。

■ nikkannsuports.com
同業の松井道夫・松井証券社長は24日の決算記者会見で「システムはネット証券の命。トラブルで個人投資家に迷惑を掛けることは業界全体の信頼にかかわる問題だ」と批判した。

■ asahi.com
松井証券の松井道夫社長はこの日の記者会見で「あまりこの業界を甘くみてほしくない」と楽天証券の対応を批判。業界内からは「十分なシステム投資ができていないのではないか」との指摘も出ている。

■ ロイター
 松井社長は、「楽天(証券)には頑張ってほしい。ただ、手数料の引き下げでデイトレーダーを招き、システムをダウンさせることを、対岸の火事視していない。オンライン証券にとってシステムは命」と強調。そのうえで「あまりこの業(オンライン証券業)を軽くみてほしくない。イー・トレード証券など同士がいたのでこの業が大きくなった。軽い考えで問題を起こしたことに憤りを覚える」と語った。

■ FujiSankei Business i

松井証券社長が楽天証券を非難 「証券業、甘く見るな」

 「証券業を甘く見てもらいたくない。場合によっては(業界団体であるネット証券評議会からの)除名もあり得る問題だ」

 松井証券の松井道夫社長は二十四日の東京証券取引所(東京・兜町)での同社二〇〇五年九月中間決算発表での席上、極めて厳しい口調でシステムトラブルが続く楽天証券を非難した。

 松井社長は、楽天証券が「手数料を大幅に引き下げることは、各社の戦略で、かまわない」としながらも、これによって、一日に何度も取引を繰り返すデイトレーダーを「集めるだけ集め、システムが追いつかず、トラブル発生。これでしょうがないというような単純なものではない」という。

 さらに「彼らが信頼を失って、撤退するのはかまわないが、ネット証券全体の信頼を損なうようなことになるのは許せない」と、影響が松井を含め他のネット証券に及ぶことに懸念を示した。

 楽天証券はシステム障害などが八月、九月に十五件発生。二十四日も一部で、システムへログインしにくくなる障害が発生していた。

 松井社長の批判に対し、楽天証券は「直接聞いたわけではないので、コメントできない」としている。

■ ZAKZAK
 楽天傘下でインターネット専業の楽天証券が8月から毎月のようにシステム障害を起こし、24日にもトラブルが発生。老舗の松井証券の松井道夫社長は同日の決算発表記者会見で、「ネット証券業を軽く見てほしくない。楽天証券には強い憤りを感じる」と名指しで批判した。

 楽天証券は手数料の低価格路線で売買シェアを伸ばしている。同日のシステム障害についてはホームページにおわびコメントを出したが、松井社長は「業界全体のイメージ低下につながる。対岸の火事ではない」と影響の大きさを指摘。

 会見後も「場合によっては(ネット専業証券大手4社で構成する)ネット証券評議会の除名も考えなくては」と顔を紅潮させて語るなど怒りが収まらない様子だった。


このように、楽天がTBS問題で注目されている時期が時期だったために、松井社長の楽天証券批判は多くのメディアにとりあげられた。TBSもニュース番組で金融庁がネット証券に改善要求を行ったことを報じているが、楽天証券の名前が出てきたため、あえてとりあげたように思われる。

金融相、ネット証券トラブルで改善要求

 インターネット専業の楽天証券で、システムトラブルが相次いだ問題に関連して、伊藤金融担当大臣は、ネット証券各社に原因の究明と再発防止を徹底するよう求めました。
 この問題は、24日、楽天証券でシステムトラブルが発生し、3時間にわたり取引できない状態が続いたもので、楽天証券では、8月以降、この他に4回のトラブルが起きていたことがわかっています。

 これについて伊藤大臣は、閣議後の会見で、ネット取引の急増によって楽天に限らずネット証券各社で何らかの障害が発生していると指摘した上で、トラブルの原因究明と再発防止を徹底するよう求めました。

 「ほとんど毎月いずれかの証券会社で障害が発生している状況を踏まえると、それぞれの会社において、システム障害の発生原因の徹底究明、および再発防止策が適切かつ十分になされることが肝要である」(伊藤大臣)

 これに対して、楽天証券ではホームページ上で「多大なご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした」とユーザーに謝罪し、不具合を起こしたシステムから新しいシステムへの移行作業を、来月には完了させる方針を示しています。


金融担当大臣に「楽天に限らずネット証券各社で何らかの障害が発生している」と言われてしまっては、楽天証券以外の証券会社も黙ってはいられない。

楽天証券にとっては、まさか三木谷氏の親しい人脈の中の一人だった松井道夫社長から名指しで批判されるとは思って無かったかも知れないが、金融庁から監視の目が強まり、投資家からのシステム障害に対する注目度が高まったのは、楽天証券の連日のシステム障害がきっかけであるというは業界内での一致した意見だ。

TBS問題で多額の資金を投入している一方で、楽天証券は手数料値下げで顧客を集めておきながらシステム投資は怠っているのではないかという不満を個人投資家の多くが持っている。いくら楽天に潤沢な資金源があるといっても、経済界だけでなく個人投資家からも見捨てられては商売にならない。楽天にと経営統合をしたらTBSも楽天証券みたいに駄目になってしまうのではないかという心配もある。

ともかく楽天証券は早く顧客数の増加分プラスアルファの余裕のあるシステムにするために投資を行うべきだ。長期的には現在のシステムでは増強やシステムの運用面で問題がありすぎるので、全面的なシステムリプレイスを行った方がいいだろう。