松井証券証券取引等監視委員会は金融庁に対して、松井証券が無期限信用取引で、株式分割などの際に返済期日が設定されるのに、期日を気にする必要がないと誤解させる記述が会社案内にあったとして、行政処分を行うように勧告を行った。期日を気にしないでよいと思い込んだ百数十名が強制決済されたそうだ。松井証券はホームページでこの件について、厳粛かつ真摯に受け止め、今後さらなる内部管理体制の強化に取り組んで行くことを表明している。

asahi.com 松井証券、無期限信用取引で誤解招く説明 行政処分勧告

 証券取引等監視委員会は26日、顧客の株式購入用に貸し付ける資金に返済期限を設けない松井証券の「無期限信用取引」に関し、同証券の会社案内用パンフレットに誤解を招く表示がある、と発表した。証券監視委は同日、金融庁長官などに、松井証券に対する行政処分をおこなうよう勧告した。この取引は松井証券が03年に初めて商品化し、手持ち資金以上の取引ができることで人気を集めている。

 松井証券はこの取引について、対象銘柄が上場廃止や株式分割、合併となる場合は、同証券が弁済期限を設定することができるとしている。それにもかかわらず、03年7月から05年4月まで社長講演会などで配った約28万部の会社案内で、弁済期限が一切ないと誤解させるような説明をしていたことが、証券監視委の検査で判明した。

 同証券の顧客口座は約35万口座で、買い残高は3990億9700万円。この口座数の14%、買い残高の35%が無期限信用取引を利用している。

 無期限信用取引を利用する顧客のうち、対象銘柄が上場廃止や株式分割などに該当したのは、のべ9100人(約270銘柄)。証券監視委によると、最終的に百数十人が松井証券によって強制的に決済されていた。

 無期限信用取引は、顧客の投資家が証券会社から借りた資金を使って株式取引をする際に、反対売買の期限(弁済期限)を設けない商品。


無期限信用取引を利用していれば、かなりの確立で株式分割に遭遇すると思うが、このニュースによると、のべ9100人(約270銘柄)が該当していたようだ。もちろん9100人の中には強制決済があろうとなかろうと短期売買で気にすることが無かった人も多いようだが、百数十人が自分で売却せずに強制決済を受けてしまったようだ。最近は分割発表後に株価が下がる銘柄も多かったため損失確定させられてしまった客もいたのかもしれない。

松井証券の無期限信用取引の説明には「権利処理に関する特許を申請中」と書かれているが、どうも株式分割への対応はあまりできていないようで、サービス開始当初は一部を除いてできる限り対応していたようだが、最近は分割銘柄が多いことも影響して、期日設定が行われてしまうことが多かったようだ。分割すると松井証券の無期限信用取引でも期日設定されてしまうよと、ネット証券Blogで取り上げたことも何度かあった。ちなみにイー・トレード証券では分割したら100%期日設定することになっている。他の証券会社の無期限信用取引を利用する人も念のため確認しておいた方がいいだろう。

それで、金融庁がどれほどの行政処分をするのかについては、似た前例が無いのでなんともいえないけど、文書による警告か口頭注意になるのではないだろうか。数日間無期限信用取引の新規建て取り扱い禁止などにはならないと思う。しかし、松井証券の看板商品である無期限信用取引のイメージに傷がついてしまったということはネガティブな材料かもしれない。

ネットだろうが対面だろうが、金融商品である以上、例外を含めた説明の徹底を忘れてはいけないということだ。

証券取引等監視委員会による勧告について(松井証券)


同じ意味で、これも軽くやばいかも。
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プレ子は思いました「プレパスがあるから信用取引手数料も無料だし〜。」