
障害続いた楽天証券、基幹DBをPAからItanium 2に切り替え(ITMedia)
楽天証券は11月9日の2005年9月中間期決算発表で、基幹データベース(DB)を含むシステム増強の詳細を明らかにした。基幹DBはItanium 2ベースの「Oracle Real Application Clusters」(Oracle RAC)を採用し、今月下旬には同一構成でもう1セット追加構築する計画だ。
楽天証券は今年8月以降、取引量の急増にシステムが耐え切れず、8〜9月には計4回の障害が発生。金融庁から注意を受ける事態になっていた。
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国重惇史社長は「設備投資計画を過小にみた」としてシステム障害の責任を取り、減俸5%(1カ月)の処分とした。国重社長は「3〜4月に9月のマーケットを予測できていなかった。設備投資を前倒しすべきだったと責任を感じている」と話した。
ITMediaの記事によると、楽天証券は9月の3連休で基幹DBをItanium 2ベースの「Oracle Real Application Clusters」(Oracle RAC)に変更し2ノード構成する増強を行った。11月26日にはさらに2ノードを追加し、2ノード1セットによる2セット体制となり、キャパシティの拡大や夜間のバッチ処理時間の短縮が図れるとしている。
楽天証券では10月も障害が発生していたものの、9月の増強の効果が出たためか、10月の売買代金では松井証券を再び抜いて2位に浮上している。
とはいえ、今年の一連のシステム障害は楽天証券の拡大戦略に対するシステムのキャパシティ予測がうまくいってなかったことが原因だと思われる。他社に比べてプロ野球参入による知名度向上や手数料値下げによる効果は、明らかに大きいはずだとわかって当たり前だったのに、余裕を持ったシステム投資を行えてなかったのは罪だ。減俸5%では甘いような気もするが、減俸額を増やせばいいというわけではないので、今年のシステム障害を教訓に、倍以上のキャパシティを余裕で受け入れられるシステム投資を常に行っていって欲しいと思う。
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