中日新聞などによると、11月4日の名古屋証券取引所で発生したシステムトラブルの原因は、、富士通関連会社社員が2日取引後の次の営業日にシステムを適正に稼働させるためのパスワードの入力方法を誤ったためだということがわかった。名証では、半日取引を中止したことは、富士通だけでなく、取引所にも責任があるとして、社長、副社長の減俸を検討しているという。また18日までに金融庁に再発防止策などを報告する必要がある。

名証社長ら減俸処分へ システム障害問題で

 名古屋証券取引所は十二日、システム障害で今月四日午前の取引が停止した問題で、畔柳昇社長と西川聰副社長を減俸、担当職員を厳重注意などの処分とする方向で検討に入った。三十日の取締役会で具体的な処分内容を正式に決める。

 四日に起きた障害の原因はシステムを開発、管理する富士通などの十二日までの調査で、同社のパスワード入力ミスによる人為ミスと判明した。しかし、畔柳社長は「半日も取引を止めたことは、結果として名証にも責任がある」と述べ、名証側の処分に踏み切る。

 障害は株価などを証券会社などに配信する相場報道システムで発生。畔柳社長によると、富士通の担当者が四日の直前の営業日である二日の取引終了後、次の営業日にシステムを適正に稼働させるためのパスワードの入力方法を誤った。

 四日の担当者はこのミスを知らず、同日早朝にシステムが立ち上がらずに午前の取引ができなかった。富士通は十一日、役員が名証を訪れ、畔柳社長らに原因を報告した。名証は十四日、リスク管理委員会を開いて富士通と名証の連絡体制強化など再発防止策について検討し、十八日までに金融庁へ報告する。

 証券取引所のシステム障害をめぐる処分では東京証券取引所が十日、今月一日に起きたトラブルの責任を取って社長ら執行役員全員を減俸処分にすることなどを決めている。


結局、半日も取引を中断することになったトラブルの原因が、ただのパスワード誤入力。そもそも一々パスワード入力をしないといけないシステムになんでなっているのだろうかと疑問に思う。(それなりの理由があるのかもしれないが)
このパスワード入力は、今までずっと問題なく運用できてきて、それをやってきていた富士通関連会社の社員としては、できて当然、間違うわけが無いというぐらいのものであったのかもしれない。おそらく、パスワード入力で失敗してトラブルが起こったとして、再発防止と言われても、間違った人、個人が悪いという気持ちも、もしかしたらあるかもしれない。でも、マスコミや金融庁に、そんなこと言ったり、報告するわけにはいけないので、組織的にミスをカバーできる再発防止策を考えなければならないわけだ。人為的ミスを減らせるシステムか運用に変えるか、現状のままでも人員を増やして日常業務のチェックを強化することがまず必要だ。それと、もしパスワード入力失敗によりシステムが動かなくなっても、朝早くにそれを検知して復旧できる仕組みや体制、できれば訓練とかもしておいたほうがいいだろう。

おそらく富士通としも名証としても保守コストはできるだけおさえたいのだと思う。システムの維持費用は固定費と考えがちかもしれないけど、取引の増加による社会的責任リスク増大への保険の意味で、システム投資や保守人員の増加も必要に応じてやっておくべきかもしれない。