証券会社によっては配分ルールが不明確で、ネットの個人投資家の間では特に不満の多いIPOの配分ルールを公平にするため、証券業協会が配分ルールの自主規制(改正)案を発表した。各社持分の10%以上の株数は抽選で配分先を決定することや、過度の集中配分を禁止する内容となっていて、証券会社に月に1回状況を報告させて、結果をネットで公表することも検討しているようだ。

新規公開株配分、証券会社に抽選義務づけ・日証協が改正案
 日本証券業協会は14日、新規公開株の配分規則の改正案を発表した。証券会社に対して、個人顧客向け配分株の10%以上を抽選で配分することや、特定顧客への集中配分を防ぐために上限株数を設定することなどを義務づけた。配分過程の透明性を高める狙いで、来月の自主規制会議で協会規則を改正し、来年4月をメドに施行する。

 証券会社ごとに1カ月分の銘柄別の配分株数や配分先の分布状況などを日証協のホームページで公表させることも定めた。

 1カ月間、改正案へのパブリックコメントを募集する。多くの証券会社は支店ごとに配分先を決めており、公平性を求める個人投資家から不満が出ていた。抽選をしていなかった証券会社はシステム対応などの負担が増えそうだ。 (NIKKEI NET)


ネット証券を使っている個人投資家の大半にとっては、完全抽選制がいいはずなのだが、どうやら様々な理由で完全抽選制は強制できないという結論にいたり、一部は抽選にしなさいということになったようだ。ただし月次で配分結果を公表するようになるのであれば大きな前進と言えるかもしれない。配分が完全抽選の証券会社はどこで、そうでない証券会社がどこなのかという実態がわかるようになると、自然と特定客に優遇するような行為はやりずらくなるだろう。

それにしても抱合せ販売って、やっぱり存在するんでしょうね。ある本のIPOで儲けた個人投資家の経験談に、証券マンが困っているときに国債を買ってあげるようにしたら、IPOで優遇してもらえたという話があったけど、そのような例は結構多いのだろう。

この件は、証券業協会のワークグループ報告書を読むと議論の経緯がよくわかるのでこれを後で分析してみたい。

・証券業協会のワーキンググループの報告書
 新規公開株の配分のあり方及び価格決定等について〔pdf形式281KB〕
http://www.jsda.or.jp/html/oshirase/public/05111402.pdf