SBIホールディングスが14・15日に、3つの発表を行っているが、そのうちの一つは、中間決算でも説明していたSBI証券の完全子会社化についてだった。ネットとリアルの融合の第一弾として、SBI証券とイー・トレード証券が別々に行っていた引受業務をイー・トレード証券に統一するそうだ。
・SBI、生活関連情報を提供する「ライフコンシェルジェ」を事業の柱に(INTERNET Watch )
14・15日のSBIホールディングスの発表は、すでに同社の中間発表でほぼどう内容のことが説明されていたので、大きなサプライズではなかった。いずれも今回あらためて正式な発表がされたというものだ。
一つは、北尾氏が以前から言っていた「金融を核に金融を超える」を実現する「SBIライフコンシェルジェ」の設立について。馴染みの無い単語の会社名だが、要はライフステージにあわせて生活情報を提供するビジネスを行う会社とのこと。ファイナンスオールの比較オールや、「生活ガイド.com」と連携していくようだ。ポータルサイトのようなことをやりそうにも見えるが、北尾氏曰く「Yahoo!だけではアクセスしたいサイトにたどり着けないほど情報が洪水のようになっている。人の認知能力を超えてしまっている」とのことで、ヤフーやライブドアとは別の戦略をもっているのかもしれない。
二つ目は、不動産事業を行うSBIパートナーズを完全子会社化して、さらにSBIHDと合併することも検討するという話。中間決算の発表でも北尾氏は不動産事業に力を入れると言っていて、SBIパートナーズでやるよりも、資本力・信用力があるSBIHDでやったほうが有利になるそうだ。
そして三つ目がSBI証券の完全子会社化だ。SBIHDはSBI証券の株式を51%ほど保有していたが、株式交換で100%子会社にする。以前から、ネットとリアルの融合を主張していた北尾CEOは今回、「リアル based on ネット証券モデル」という表現を用いている。リアルのSBI証券を完全子会社化したほうが、より機動的なグループ内証券会社経営ができると判断したのだろう。また、「リアル based on ネット証券モデル」でSBI証券を成長させて、将来のキャピタルゲインを最大限に得たいとの思惑もありそうだ。まずは、ネットとリアルの融合政策の第一弾として引受業務がイー・トレード証券への統一が行われる。
今回の発表の特に後の2つに見られるように、SBIホールディングスというより北尾氏の子会社戦略には、明確なルールができつつある。中間決算でも説明していたが、SBIHD内で成長させたほうが得なものは上場させなかったり、子会社化したりすることが今後も増えそうだ。これには、以前はソフトバンクインベストメントとその投資ファンドが共同出資してベンチャーを育てることが多かったため子会社上場を優先することが多かったが、今ではSBIの時価総額が大きくなり、またソフトバンクの子会社でなくなったため、自己調達資本内で事業を100%持ちながら複数の事業を連携させつつ大きくすることが可能になったことが影響している。これこそ、まさにSBIが「インベストメント」から北尾氏の言う「ビジネスイノベーター」に変貌をとげていることのあらわれなのかもしれない。
【関連記事】
・イー・トレード証券株主総会 北尾会長「ネット証券の競争は第2フェーズに入った。ネットとリアルを上手く融合し、イー・トレードが証券界の雄になる。」
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二つ目は、不動産事業を行うSBIパートナーズを完全子会社化して、さらにSBIHDと合併することも検討するという話。中間決算の発表でも北尾氏は不動産事業に力を入れると言っていて、SBIパートナーズでやるよりも、資本力・信用力があるSBIHDでやったほうが有利になるそうだ。
そして三つ目がSBI証券の完全子会社化だ。SBIHDはSBI証券の株式を51%ほど保有していたが、株式交換で100%子会社にする。以前から、ネットとリアルの融合を主張していた北尾CEOは今回、「リアル based on ネット証券モデル」という表現を用いている。リアルのSBI証券を完全子会社化したほうが、より機動的なグループ内証券会社経営ができると判断したのだろう。また、「リアル based on ネット証券モデル」でSBI証券を成長させて、将来のキャピタルゲインを最大限に得たいとの思惑もありそうだ。まずは、ネットとリアルの融合政策の第一弾として引受業務がイー・トレード証券への統一が行われる。
今回の発表の特に後の2つに見られるように、SBIホールディングスというより北尾氏の子会社戦略には、明確なルールができつつある。中間決算でも説明していたが、SBIHD内で成長させたほうが得なものは上場させなかったり、子会社化したりすることが今後も増えそうだ。これには、以前はソフトバンクインベストメントとその投資ファンドが共同出資してベンチャーを育てることが多かったため子会社上場を優先することが多かったが、今ではSBIの時価総額が大きくなり、またソフトバンクの子会社でなくなったため、自己調達資本内で事業を100%持ちながら複数の事業を連携させつつ大きくすることが可能になったことが影響している。これこそ、まさにSBIが「インベストメント」から北尾氏の言う「ビジネスイノベーター」に変貌をとげていることのあらわれなのかもしれない。
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