個人投資家に人気のソフトバンクが、12月27日に1:3の株式分割を行うが、今までは2ヶ月ぐらい新株の売却可能日を待たなくてはならなかったが、今回からそれが大幅に早まることになっている。そのことについて証券会社の対応を調べてみた。(少し間違いがあったので直しました)

ソフトバンク(9984.T)株は、12月27日(火)を権利付最終日とする1:3の株式分割を行う。これまでは分割をすると、1:3の場合は、増加する2単位分の新株の売却可能日は2月ぐらい後になっていたが、ライブドアの100分割など新興企業銘柄の大型株式分割多発によって、いろいろな問題が日本の株式市場で出てくるようになった。

[大型株式分割による問題]
・新株分の預り資産の一時的な減少
・新株分が代用有価証券として評価されずに委託保証金率が低下するリスク
・分割銘柄の株式希薄化により株価が急騰・急落するリスク
・新株拘束(売却不能)期間中の企業の倒産・上場廃止のリスク
・一般投資家の新株拘束期間中にMSCB引受け先が転換株を売却するリスク

これに対して、今年3月に東京証券取引所は上場企業に対して、1:3を超える株式分割は控えるように要請を出し、上場企業の株式分割はほぼ1:3までに抑えられ、最近では株式分割をしたからといって株価が急騰する確率はそれほど高くなくなっていた。

一方、証券業界としても株式分割をした銘柄の新株が2ヶ月も売れなくなる問題を解決するために動いていて、証券保管振替機構が12月22日に「株式分割の効力発生前倒しに係る規則対応を行い機構取扱銘柄の発行会社に対して通知しました 」というお知らせを発表している。

これは2006年1月4日以降を権利割当日ととする株式分割をする銘柄の新株効力発生日は権利割当日の翌日にすることを意味している。つまり権利落ち日(ソフトバンクの場合は12月26日)には売却注文ができる。

これにより、2005年1月4日が権利割当日(権利付最終日は2006年12月27日)のソフトバンクの新株は1月4日から売却可能になるのだが、どうやら証券会社によって対応が異なっているというか、一部で対応が間に合っていない証券会社があるようで、間に合ってない証券会社だと今までどおり新株売却は2ヵ月後とかになりそうで、個人投資家にとっては紛らわしいことになりそうな感じだ。

ということで、主な証券会社の対応の可否を調べてみた。だいたいの証券会社は対応できるようだが、マネックス証券ではソフトバンクの売却可能日が1月4日に遅れたり、イー・トレード証券は売却可能日が他と違ったり、ライブドア証券が対応するのかしないのか不明だったりするので、分割銘柄を持っている場合は自分の使っている証券会社では同なのかを確認しておいたほうがいいだろう。

■権利落ち日の翌日から売却可(ソフトバンク新株12月28日売却可)

野村證券
お取引店:株式分割の権利落ち日(効力発生日の4営業日前の日)
野村ホームトレード:株式分割の権利落ち日の翌日(効力発生日の4営業日前の日の翌日)

丸三証券
ソフトバンクの分割新株は12/28から売却可能です

松井証券
ソフトバンク(東証/9984)等の分割新株の売却可能日について
(わざわざ未対応のオンライン証券で取引した場合と比較している)

カブドットコム証券
・ソフトバンク等の分割新株の売却可能日について (ログイン後)
証券保管振替機構及び各取引所において、株式分割の効力発生前倒しに関する要綱が決定されたことにより、平成18年1月4日(水)以降を権利割当日とする株式分割を行う銘柄(ソフトバンク等)から、新株の効力発生日が権利割当日の翌営業日になります。
これにより、株式分割新株の売却可能日及び信用等代用評価可能日が従来より変更となりますのでお知らせいたします。

[ソフトバンク(9984)の例]
権利付最終日:平成17年12月27日(火)
権利落ち日 :平成17年12月28日(水)
売却可能日 :平成17年12月28日(水)より発注可能となります。
権利割当日 :平成18年01月04日(水)
代用可能日 :平成18年01月05日(木)より振替可能となります。

注:分割により権利落ち日の翌日より代用評価が下がりますのでご注意ください。


楽天証券
株式分割の効力発生日(新株の売却及び代用評価)が早まります
権利割当日が平成18年1月4日以降となる株式分割を行う銘柄より、新株の効力発生日が権利割当日の翌営業日となります。分割後の新株の売却は権利落日から可能になります。分割銘柄のお取引の際は「お取引注意銘柄」画面の「株式分割・株式併合」画面をご確認いただきますようお願いいたします。


リテラ・クレア証券
株式分割により発行される新株の売却可能日・代用有価証券評価開始日が早くなります

ジェット証券
株式分割の効力発生日前倒し後における売買及び委託保証金等の取扱いについて

オリックス証券
株式分割による新株の売却可能日が早くなります

■権利割当日の翌日から売却可(ソフトバンク新株1月5日売却不可)

イー・トレード証券
株式分割の効力発生日等について

■対応が間に合わなかった証券会社(ソフトバンク新株12月28日売却不可)

マネックス証券
<重要> 2006年1月4日以降の株式分割銘柄(ソフトバンク等)を保有されているお客さまへ
当社でも権利落ち日からのご売却が可能となるようにシステム対応を進めておりましたが、割当日が2006年1月4日から19日となる銘柄につきましては、誠に恐れ入りますが、割当株の売却は権利確定日(割当日)の翌日からとなります。


つまりソフトバンクを売れるのは、権利落ち日(12月28日)ではなく、1月4日から

■対応できるのか、できないのかわからない証券会社

ライブドア証券
(お知らせが見当たらない)

 →12月28日売却可だったそうです。