遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。今年もネット証券Blogをよろしくお願いします。
さて、いい意味でも、悪い意味でも、株式市場、投資家、証券業界、ネット証券にとって、それぞれ波乱に満ちた1年だった2005年が終わって、ついに2006年突入です。
2005年は、日経平均が1万6千円を回復し、市場の1日の出来高が40億株を越える日もでたりと個人投資家が主役の大活況になる反面、東京証券取引所や一部のネット証券をはじめとして、証券取引所やネット専業証券や大手総合証券のオンラインシステムで障害が多発し、社会問題化するという、嬉しい誤算だったとは言っていられない事態となりました。
当然、サービスを提供する取引所や証券会社には、昨年の宿題であるシステムの安定と障害時の早期復旧を期待したいと思いますが、絶対障害が無いわけではないし、駄目なところは当面障害が再発すると思うので、ネット証券Blogとしては昨年に引き続き複数の証券会社の口座を併用してシステムトラブル時の被害を最小に抑える準備をすることを推奨します。
●50〜60代退職者・30代主婦大量参戦。個人マネー大回転で大幅なシステム増強急務に
去年4月のペイオフ解禁直後は、期待されていたほど個人資金の株式へのシフトは見られませんでしたが、去年後半からネット証券を中心に個人投資家の株取引が活発になってきました。もちろん株式投信にも入っていますが。しかし、去年のそれは氷山の一角に過ぎず、2006年はそれよりも大きな個人マネーが株式市場にやってくると言われています。それが、どれぐらいなのか予想はつきません。東証の1日の売買代金は連日5兆円レベルに達するかもしれません。それぐらいになる東証一部だけでは受け入れられないと思うので、ジャスダック、マザーズ、ヘラクレスさらには、地方証券取引所の新興市場にも一部資金が流れて流動性が向上するかもしれませんね。今流動性が低くて株価が低いものでもチャンスがありそうです。その反面、取引所や証券会社のシステムはかなり余裕を持ったシステム増強をしておく必要があると思われます。証券取引所にとってはシステム増強は絶対ですが、証券会社でそれができないところはキャンペーン自粛や口座開設新規受付を信用口座開設受付を制限する必要が出てくるかもしれません。株以外のほかの商品をプッシュするのも手です。
ちなみに、今年システムをリプレイスする予定(あるいは予想)の証券会社は以下のとおり。
・1月 エイチ・エス証券(大手並みのサービス・無期限信用)
・5月 ライブドア証券(一部でLinux・MySQLを採用)
・予想 ジェット証券(サイバーエージェントの資金で)
・予想 GMO証券(新規参入するから)
・予想 ミスター証券(システムを用意しないと商売にならない)
●手数料値下げ競争は第二幕へ
去年、熾烈な値下げ合戦を繰り広げた、イー・トレード証券と楽天証券。守るイー・トレード証券に対して、攻める楽天証券は、史上最大の作戦がシステム障害によって失敗に終わり、業務改善命令を受けることになりました。これで手数料値下げ競争・手数料デフレは終わったかのように思われました。しかし、システムに定評のある松井証券の松井道夫社長が年始挨拶で、手数料の値下げを示唆しているようです。ストックボイスでのインタビューでは、今年参入が予想される野村ホールディングスのネット専業証券がイー・トレード証券並みにした場合はそれ以下にするとも言っているようなので、今年の手数料値下げの台風の目になるかもしれません。それ以外では、5月に新システムを導入した後のライブドア証券の手数改定や、サイバーエージェントの資本が入ってシステムを作り変える可能性のあるジェット証券や、やはり新規参入の予想されるGMOインターネットが作るかもしれないネット証券がどのような手数料体系を打ち出してくるのかということに注目です。
●続々と新規参入、業界拡大へ
今、日本でネット証券以上に儲かる商売は少ないと言えます。その大きな利益を大手5社が6割〜7割を寡占しているわけですが、ネット証券業界は参入障壁が非常に低い業界・業態です。(システムを用意・維持するのは大変ですが。)むしろ5社だけで個人マネーを囲い込むというのは難しくなっているので、どんどん参入してもらった方がいいのかもしれません。今のままだと5社のうち1社が長期ダウンすると他の証券会社も危なくなるでしょう。たぶん、ネット証券の中の人たちは同業他社のシステムがこけた時に「ざまーみろ」ではなく、「自分のところにしわよせがくる」ことを心配していることでしょう。ということで、野村とか岡三がネット専業に参入したり、オリックス、エイチ・エス、リテラ・クレアあたりがネットの比重を高めたり、GMO、サイバーエージェントなどが証券業に入ってくるというのはとてもいい流れです。既存のネット証券も手を抜けなくなり業界の成長が続くのではないでしょうか。個人投資家としてはまず、野村・岡三で口座を作ってIPOに期待したいところです。あと、もし夜間取引ができるようになれば、自動車工場で働く従業員も株取引がしやすくなるので、投信債券中心だったトヨタ系列のトヨタFS証券の株取引サービスをはじめる可能性も長期的にはありそうな気がします。
2006年新規参入候補
・野村ホールディングス
・岡三ホールディングス
・GMOインターネット
・サイバーエージェント(ジェット証券)
・ミスター証券
●意外と投信に人気が集まるのでは
株取引も人気ですが、小型株やBRICsの株式投信、トヨタグループ、ソフトバンクグループファンドなどが去年人気が出ていたようです。株式市場が堅調なので、株式関連の投信はさらに人気が高まると思われます。
●夜間取引議論は始まるか?
去年、東証の会長が夜間取引をやるかもと言ったわけですが、鍵となるのは東証の新社長とCIOが誰になるのかということかもしれません。まずは社内で新社長をフェアに選考できるかどうか。さらに上場してない東証の株主は証券会社になっているので、証券会社がそれに納得するかどうかもポイントです。公募するといわれているCIOもそうですが、東証のシステムを作る実力がありそうなIT業界各社も選考過程に参加してきそうです。現システムの富士通や、大証・ジャスダックを作る日立、それ以外にも当然NTTデータ、IBM、NEC、野村総研、CSKが次期システムで何らかの仕事を得るため、東証内外で影響力を確保しようと駆け引きをするかもしれません。それはともかく、社長が誰になるかどうかによって時期は多少早かったり遅かったりするとしても、夜間取引は2007年ごろにはじまるんではないでしょうか。今年はまずその議論がはじまると思われます。
●株価はどうであれ口座数はどんどん増える
正直申し上げて、ネット証券Blogはこの数日ずっと居眠りをしておりました。というか、年末年始Blogを放置していたのですが、その間もアクセスは逆に増える一方で、ネット証券Blog経由の口座開設数も過去最高ペースを続けている状況でした。正直なところ年末年始はアクセス数は減ると思っていたのですが、逆の結果です。統計を見ると、11月〜12月に一度アクセスをしてくれた人が年末年始に口座開設申込みをしたというケースが多いようです。これらの数値はネット証券各社では1月の口座開設数に反映されると思うので、1月の各社の口座数の伸びは相当なものになるかもしれません。なので、年明けから順調です。ネット証券業界は。このままだと、また近いうちにシステム障害がおきてしまうかもしれませんね。夜間取引は実はすぐにできるのならした方が本当はいいんでしょう。もうアメリカでやってないとか言っている状況ではなくなる2006年になるのではないでしょうか。
2006年もネット証券Blogもできるだけ、ネット証券・ネット取引に関する話題をBlogに投稿できるように1年間がんばって生きたいと思います。たぶん今年も大変な1年になるでしょう。
(ちなみに今、脱livedoorBlog作戦を開始しています。2,3ヶ月以内に別システムにBlogを移転することになると思います。)
さて、いい意味でも、悪い意味でも、株式市場、投資家、証券業界、ネット証券にとって、それぞれ波乱に満ちた1年だった2005年が終わって、ついに2006年突入です。
2005年は、日経平均が1万6千円を回復し、市場の1日の出来高が40億株を越える日もでたりと個人投資家が主役の大活況になる反面、東京証券取引所や一部のネット証券をはじめとして、証券取引所やネット専業証券や大手総合証券のオンラインシステムで障害が多発し、社会問題化するという、嬉しい誤算だったとは言っていられない事態となりました。
当然、サービスを提供する取引所や証券会社には、昨年の宿題であるシステムの安定と障害時の早期復旧を期待したいと思いますが、絶対障害が無いわけではないし、駄目なところは当面障害が再発すると思うので、ネット証券Blogとしては昨年に引き続き複数の証券会社の口座を併用してシステムトラブル時の被害を最小に抑える準備をすることを推奨します。
●50〜60代退職者・30代主婦大量参戦。個人マネー大回転で大幅なシステム増強急務に
去年4月のペイオフ解禁直後は、期待されていたほど個人資金の株式へのシフトは見られませんでしたが、去年後半からネット証券を中心に個人投資家の株取引が活発になってきました。もちろん株式投信にも入っていますが。しかし、去年のそれは氷山の一角に過ぎず、2006年はそれよりも大きな個人マネーが株式市場にやってくると言われています。それが、どれぐらいなのか予想はつきません。東証の1日の売買代金は連日5兆円レベルに達するかもしれません。それぐらいになる東証一部だけでは受け入れられないと思うので、ジャスダック、マザーズ、ヘラクレスさらには、地方証券取引所の新興市場にも一部資金が流れて流動性が向上するかもしれませんね。今流動性が低くて株価が低いものでもチャンスがありそうです。その反面、取引所や証券会社のシステムはかなり余裕を持ったシステム増強をしておく必要があると思われます。証券取引所にとってはシステム増強は絶対ですが、証券会社でそれができないところはキャンペーン自粛や口座開設新規受付を信用口座開設受付を制限する必要が出てくるかもしれません。株以外のほかの商品をプッシュするのも手です。
ちなみに、今年システムをリプレイスする予定(あるいは予想)の証券会社は以下のとおり。
・1月 エイチ・エス証券(大手並みのサービス・無期限信用)
・5月 ライブドア証券(一部でLinux・MySQLを採用)
・予想 ジェット証券(サイバーエージェントの資金で)
・予想 GMO証券(新規参入するから)
・予想 ミスター証券(システムを用意しないと商売にならない)
●手数料値下げ競争は第二幕へ
去年、熾烈な値下げ合戦を繰り広げた、イー・トレード証券と楽天証券。守るイー・トレード証券に対して、攻める楽天証券は、史上最大の作戦がシステム障害によって失敗に終わり、業務改善命令を受けることになりました。これで手数料値下げ競争・手数料デフレは終わったかのように思われました。しかし、システムに定評のある松井証券の松井道夫社長が年始挨拶で、手数料の値下げを示唆しているようです。ストックボイスでのインタビューでは、今年参入が予想される野村ホールディングスのネット専業証券がイー・トレード証券並みにした場合はそれ以下にするとも言っているようなので、今年の手数料値下げの台風の目になるかもしれません。それ以外では、5月に新システムを導入した後のライブドア証券の手数改定や、サイバーエージェントの資本が入ってシステムを作り変える可能性のあるジェット証券や、やはり新規参入の予想されるGMOインターネットが作るかもしれないネット証券がどのような手数料体系を打ち出してくるのかということに注目です。
●続々と新規参入、業界拡大へ
今、日本でネット証券以上に儲かる商売は少ないと言えます。その大きな利益を大手5社が6割〜7割を寡占しているわけですが、ネット証券業界は参入障壁が非常に低い業界・業態です。(システムを用意・維持するのは大変ですが。)むしろ5社だけで個人マネーを囲い込むというのは難しくなっているので、どんどん参入してもらった方がいいのかもしれません。今のままだと5社のうち1社が長期ダウンすると他の証券会社も危なくなるでしょう。たぶん、ネット証券の中の人たちは同業他社のシステムがこけた時に「ざまーみろ」ではなく、「自分のところにしわよせがくる」ことを心配していることでしょう。ということで、野村とか岡三がネット専業に参入したり、オリックス、エイチ・エス、リテラ・クレアあたりがネットの比重を高めたり、GMO、サイバーエージェントなどが証券業に入ってくるというのはとてもいい流れです。既存のネット証券も手を抜けなくなり業界の成長が続くのではないでしょうか。個人投資家としてはまず、野村・岡三で口座を作ってIPOに期待したいところです。あと、もし夜間取引ができるようになれば、自動車工場で働く従業員も株取引がしやすくなるので、投信債券中心だったトヨタ系列のトヨタFS証券の株取引サービスをはじめる可能性も長期的にはありそうな気がします。
2006年新規参入候補
・野村ホールディングス
・岡三ホールディングス
・GMOインターネット
・サイバーエージェント(ジェット証券)
・ミスター証券
●意外と投信に人気が集まるのでは
株取引も人気ですが、小型株やBRICsの株式投信、トヨタグループ、ソフトバンクグループファンドなどが去年人気が出ていたようです。株式市場が堅調なので、株式関連の投信はさらに人気が高まると思われます。
●夜間取引議論は始まるか?
去年、東証の会長が夜間取引をやるかもと言ったわけですが、鍵となるのは東証の新社長とCIOが誰になるのかということかもしれません。まずは社内で新社長をフェアに選考できるかどうか。さらに上場してない東証の株主は証券会社になっているので、証券会社がそれに納得するかどうかもポイントです。公募するといわれているCIOもそうですが、東証のシステムを作る実力がありそうなIT業界各社も選考過程に参加してきそうです。現システムの富士通や、大証・ジャスダックを作る日立、それ以外にも当然NTTデータ、IBM、NEC、野村総研、CSKが次期システムで何らかの仕事を得るため、東証内外で影響力を確保しようと駆け引きをするかもしれません。それはともかく、社長が誰になるかどうかによって時期は多少早かったり遅かったりするとしても、夜間取引は2007年ごろにはじまるんではないでしょうか。今年はまずその議論がはじまると思われます。
●株価はどうであれ口座数はどんどん増える
正直申し上げて、ネット証券Blogはこの数日ずっと居眠りをしておりました。というか、年末年始Blogを放置していたのですが、その間もアクセスは逆に増える一方で、ネット証券Blog経由の口座開設数も過去最高ペースを続けている状況でした。正直なところ年末年始はアクセス数は減ると思っていたのですが、逆の結果です。統計を見ると、11月〜12月に一度アクセスをしてくれた人が年末年始に口座開設申込みをしたというケースが多いようです。これらの数値はネット証券各社では1月の口座開設数に反映されると思うので、1月の各社の口座数の伸びは相当なものになるかもしれません。なので、年明けから順調です。ネット証券業界は。このままだと、また近いうちにシステム障害がおきてしまうかもしれませんね。夜間取引は実はすぐにできるのならした方が本当はいいんでしょう。もうアメリカでやってないとか言っている状況ではなくなる2006年になるのではないでしょうか。
2006年もネット証券Blogもできるだけ、ネット証券・ネット取引に関する話題をBlogに投稿できるように1年間がんばって生きたいと思います。たぶん今年も大変な1年になるでしょう。
(ちなみに今、脱livedoorBlog作戦を開始しています。2,3ヶ月以内に別システムにBlogを移転することになると思います。)