SBI北尾吉孝CEOSBIホールディングスの北尾吉孝CEOが、自社のSBIチャンネルの番組で、「1:100の株式分割は、非常識極まりない」とライブドアの財務戦略を批判しました。

北尾CEO一喝「非常識極まりない」(日刊スポーツ)

 総合金融グループ「SBIホールディングス」北尾吉孝CEO(最高経営責任者=55)が21日までに、堀江貴文社長(33)率いるライブドアの証券取引法違反事件について、初めて口を開いた。北尾氏は堀江氏の考えは「私利私欲のための野心だ」と指摘し、「1対100の株式分割は非常識極まりない」と一喝した。ニッポン放送株買収戦で「ホワイトナイト(白馬の騎士)」として登場、堀江氏をビビらせた「豪腕」の説教は、窮地のライブドア幹部の胸に重く響きそうだ。

 北尾氏が話したのは、SBIホールディングスのホームページで、同社の情報を配信している「SBIチャンネル」の動画。20日からの配信分で「ライブドアショック」に言及した。

 中国古典に精通する北尾氏は、老子の言葉「天網恢恢(てんもうかいかい)疎(そ)にして漏らさず」(天の網は粗いが、決して悪事を見逃さないという意味)などいくつかの古典の言葉を挙げた上で「私はよく『志と野心は違う』と言う。『志』は世のため人のためなんです。『野心』は自分のため、私利私欲のため。堀江さんは『私はメディアと金融とネットのドンになりたい』と言うが、これは野心なんです」と一喝した。

 ライブドアは今回、株式100分割などのグレーゾーンの「錬金術」が問題視されたり、粉飾決算、偽計取引などの違法行為容疑が次々浮上している。

 北尾氏は「私はずっと警鐘を鳴らしてきた。1対100の分割なんて非常識極まりない、と。(100分割は)需給の関係で(株価が)高くなるだけで、会社の本質的価値が上がったわけでは全くない。そういう株価を利用して買収する…こういうことはいけないことなんだとずっと言ってきた」と指摘。「資本市場は公共財なんです。皆が利用して、育てて、発展させていく。それを悪用して、自分の会社や個人の利益のために使おうなどというのは、許されるべきことではない」と強く批判した。


ネット証券Blogでも取り上げてきましたが、SBIホールディングスの北尾CEOは、これまでライブドアが何か事を起こすたびに、100分割を含めた財務戦略を非難してきました。

SBI北尾CEO「1対100の株式分割は個人投資家の育成を阻害し、資本市場の健全な発展を汚すもの」::[ネット証券Blog]

SBI 北尾吉孝CEO「資本調達の目的が明確でない、ライブドアの株価は277円まで理論上は下がる」と苦言::[ネット証券Blog]

SBI北尾吉孝CEOがNHK経済羅針盤でライブドア100分割とライブドア証券を批判。::[ネット証券Blog]

ライブドアショックによって、これまでの北尾CEOの発言が、正しかったことが証明されましたが、今回の自社で配信する動画は、特別企画と題して、待ってましたと言わんばかりにさらに追い討ちを掛けるつもりのようです。さらに得意の中国の古典を持ち出して、堀江氏の私利私欲をバッサリ切って捨てています。

これで、ライブドアは、完全に証券業界からは完全に見放された存在になること間違いないでしょう。

なお、動画の中で北尾CEOは、マネックス・ビーンズショックやマネックス証券の掛目を0にしたことについては、話には出したものの特に批判はしていませんでした。