どうもライブドア株主被害弁護団の期待しているという世論の盛り上がりというのは不発に終わっている感じです。弁護団としてはマスコミも利用できるところは利用しようというスタンスのようで、テレビや新聞が被害者のインタビュー記事を載せて「300万損した」「信じてたのに許せない」という話が出てはいますが、ネット上では自己責任論が強いし、ネット以外の人も他の社会問題ほどには関心が強いトピックスにはなってないようです。
昨日の続きで質疑応答を中心にレポートを書いて見ました。


■事前に寄せられた質問への回答

Q.遠方に住んでおりますが、弁護団に加入できるか伺いたい。

A.この弁護団は東京の弁護士を中心に結成して事務局も東京にあるので遠方の方は何かと不自由を感じる人もいるかもしれませんが、現時点でライブドアの被害"弁護団"を立ち上げるというのは、消費者関連の弁護団としては東京だけしか名乗りを上げておりません。今後、大阪とか名古屋の都市であるいは弁護団ができるかもしれません。その場合は、お近くの弁護団に移りたいという方は移っていただいたり、弁護団同士で調整して移っていただくこともありえますが、今のところ東京しかないので、このまま他にできなければ、裁判も東京で一緒にやっていただくことになると思います。

Q.今でもライブドアの株を持っているのですが、これは売ったほうがよいのか、持っていた方がよいのか、伺いたい。年金生活でほとんど金を株につぎ込んでしまったので、3月5日の説明会まで待てないのでお手数ですが、TEL下さい。

A.株を売るかどうかは、投資判断の問題です。弁護団は対応できません。

Q.ライブドアオート株などのライブドア、ライブドアマーケティング以外の株式は?

A.対象として予定していません。

Q.損害額は10万円ぐらいだけど?訴訟の対象になる?

A.なります。しかし、費用が見合わないことから委任するかは本人の判断。

■当日の質疑応答1

Q.裁判が長引いて、ライブドアが倒産したら?

A.念頭には置いているが、現在具体的なことはしていない。当然頭の片隅において裁判に臨む。

Q.2004年10月以前にも違法事実もあったら?

A.あった場合は訴訟をする可能性はあるけど、遡れば遡るほど損害の立証は困難になってくると思われる。

Q.どこが株価として妥当かということについて、弁護士間で意見が分かれているようで不安。

A.裁判所や裁判官によって判決が異なるように、50人もいれば弁護士どおしで意見がいろいろあるのは前提ですのでご理解いただきたい。一人の弁護士で解決できる問題ではなく、40人程度での議論は必要。

Q.弁護団・原告がいくつかできた場合、損害賠償の優先順位はあるのか?それとも1つにまとまるのか?

A. 一般原則で言うと、判決が早く出たほうが先に執行をかけることができるので早い者勝ちと言えば早い者勝ちとならざるを得ない。一方の弁護団が勝訴して、もう一方の弁護団が敗訴する可能性もある。同じ主張うなのに裁判所や裁判官によって結論に差が出る可能性がある。被害者の判断で弁護団を選んでもらうしかない。複数の弁護団を選んで訴訟を起こしたり(二重起訴)、敗訴後に別の弁護団で訴訟を起こすのはダメ。消費者対策の弁護士の弁護団同士の連携の模索はします。



■裁判費用についての説明

(1)着手金・費用金(受任するときにいただく費用)
  (損害額×2.5%+1万5000円)×1.05
  ただし、54万0750円(損害額2000万円の場合の着手金等)を上限とし、上記計算で54万0750円を超える金額となる方については別途協議して決定する。
(2)報奨金(ライブドアなどから損害を回収したときに発生する費用)
  (現に回収した金額×1.05

・着手金・実費を計算する際の損害額=(取得価額−184円)×株式数

・ライブドアマーケティングは基本的にライブドアと同様の考え方で別途計算する。


■質問2

Q.控訴の判断・手続き、費用について教えてください。

A.控訴になった場合は印紙代で損害額の1%ぐらいの費用が必要。

Q. 登録カードの取得価額には手数料、売却費には手数料、税金は含むのか?

A.入れないでください。

Q.(自分の追証地獄体験談を長々と語る。何日にTBSがどうとか。その人曰く「とんでもねえ目にあった!」)質問の要点はライブドアの追証による関係のない銘柄での強制売却での損失は対象にできないのか。

A.そこまで認めてもらうのは難しい。集団訴訟を考えているので個別の事情は端折らざるを得ない。そういう声があるというのは受け止めたい。

Q.Yahoo掲示板で、2004年の粉飾決算はあったにしても、2005年以降の決算が問題なければその時点での株価は適正ではないかという意見が載っていたが、それについての見解は?

A.2005年が正確であったとしても、その前に虚偽があればその被害はカウントされる。ただし被告側からそういう反論は出てくるかもしれない。

Q.要望なんですが、私は投資信託を買ってまして、そのファンドがたまたま一番ライブドアを持っていた。そういう被害者の人も助けて欲しい。最初におっしゃっていたように不正義を許さないという観点からすると、初めからライブドアとライブドアマーケティングに絞ることはなく、ケースバイケースで対応して、ホリエモンのようなのが出てこないようにしてほしい。損害額にもとらわれないで、良心的な先生方が集まっているのですからがんばっていただきたいと思います。

A.投資信託は対象に考えていない。登録カードでお声をいただくのは構わない。

Q.東京、大阪、名古屋弁護団がバラバラになって、早い者勝ちになるのではなく、本部・支部として統合して欲しい。その方が公平性がある。

A.消費者問題などで横の連携を取っていくのは常なので連絡は取っていく。

Q.仮に損害額が1000億とすると着手金が25億、成功報酬が100億になります。仮に弁護団が50人とすると、着手金1人5000万、成功報酬1人2億。これでは先生がおっしゃった「ボランティア的な」という話と全く違ってですね、信じられない数字です。後日減額するようなことを想定しておかないと、ちょっと別な目で(弁護団を)見ざるを得ないという感想を強く持ちました。

A.固定の1万五千円は実費。2.5%の内の0.5%は印紙代だからこちらには残らない。着手金として受け取るのは2%の部分。いろいろな計算をすれば突然すごい数字が出てきますけども、そういう風な事態(1000億)というのは想定していないですね。通常であればどのような訴訟をやっていてもある程度の着手金をもらって、10%の成功報酬。全てボランティアと言うの趣旨は念頭にない。ただで働けと言われても納得はできない。逆に言うとこの訴訟そのものがアメリカ的です。メリットがある仕事じゃないと途中でポシャッチャいます。

→がっかりしましたね。今の回答。ここにいる人たちはね、もう少しレベルの高い回答をお待ちしていました。私の言うボランティア的というのは、ただにしろとは言っていません。ただですね内容的には想定外想定外と言っておきながらそういうことを言うのは、ちょっとがっかり。仮に100億でも結構ですけども。訴訟の内容としては確かに未知の分野かもしれませんけども、1人の訴訟をするのも、100人の訴訟をするのも事務手数料等が変わるだけで比較的変わらない案件ですよ。それをね、私が先ほど行った質問と全くかけ離れた回答をするというのはちょっと納得いかないですね。

Q.掲示板をホームページに作っていただけないでしょうか?皆さんの意見を交換して、この会を盛り上げていくことが必要だと思いますのでぜひお願いします。

A. 現在のところ考えておりません。掲示板で議論する内容は当然ライブドア側に伝わります。詳細な議論をすればするほど敵に防御する機会を与えます。情報公開には表裏の面がありますからその点は理解してください。ご意見、情報があれば直接弁護団に下さい。それを50人近い弁護団で吟味します。その結果必要な情報については訴訟に生かされますのでご理解ください。今のところは危険性の面を考えると難しいかと思っています。


結局のところ、ライブドア被害弁護団の方針は、被害者の最大公約数であるライブドア株での損失とライブドアマーケティング株での損失に限定して確実に勝利しようということらしいので、それ以外の損失は残念ながら個別にやってほしいということになっています。もし大きなお金を持っている人であれば個人で弁護士を雇って訴訟を起こすのも勝手ですが、実現できる可能性は低いでしょうね。

私としては、この訴訟は、堀江貴文容疑者が刑事罰を受けた後に、数十億の資産を保有したまま再起あるいは余生をはじめるようなことにならないようにするついでに、自分の損失を少し取り戻しておくことを目的にしようかと考えているので、弁護団の方針とか他の被害者の考え方に違和感を多く持ってはいるものの、目的達成の最短コースは弁護団経由しかないのかなと思っています。

被害者の集まりとしては、東京の弁護団以外にも被害者の会とか被害者連合会があるそうです。きちんと説明を聞いて参加するか判断しましょう。


【ライブドア被害者関連リンク】

ライブドア株主被害者弁護団

ライブドア被害者の会

ライブドア株被害者連合会