松井道夫社長松井証券の松井道夫社長ががっちりマンデーに出演しましたが、事前の期待どおり、「松井が怒ったらどのくらい怖いか教えてやれよ!」とか「継ぎゃ〜いいんだろ!バカ野郎!」などの松井節が炸裂していました。また将来、松井証券が証券取引所になるかもしれないことや、お客さんが了解した上で商品を紹介して購入してもらえるような仕組みを考えているなどの今後の戦略に関する注目発言もありました。

Q.日本一儲かっている企業は?(街角インタビュー)

A1.トヨタ
A2.キャノン
A3.日産自動車とか

A4.楽天かな〜
[×]
不正解!


−残念ながら皆さん不正解。

−実は日本一儲かっている企業それは

松井証券− 次々と新たな戦略を繰り出す松井社長。


松井社長「一番今ね否定しなくちゃいけない言葉なんだと思いますか? それは常識です。」

結構カッコいい事言っちゃたね!


加藤「あぁ、どうもおはようございます。(ドア閉めさせて)すいません。」
松井「どうも、おはようございます。じゃあ、お邪魔します。」
加藤「あ、ドアちょっと開いてますよ。」
松井「ああ、すみません。」



進藤「日本一の儲かり企業です。松井証券代表取締役社長でいらっしゃいます。松井道夫さんです。」


加藤「相当儲かってますね。」
松井「あぁ、そうですね。ちょっと、儲かりすぎですね。」
加藤「すぎ?」
松井「こういうのはバチがあたりますね。お天道様がどうのこうのと言うでしょ。僕大事にするんです。」
加藤「いい事ばかりで人生いきませんよ。」
松井「そうです」
加藤「利益率もどんどん下がっていって。」
松井「なると思いますよ。」
加藤「んで、経常利益も下がって」
松井「はい。」
加藤「もっとイケイケだと思ってたんですけど、以外にネガティブな感じですね。」
松井「えへへっへっへっ(笑)」

進藤「その松井証券がどうやって日本一の儲かり上手企業になったのか。ご覧いただきましょう。」

− 松井証券の戦略会議に潜入。
− 松井社長に懸命にプレゼンする社員の皆さん。ところが!

松井「え?」
社員「( ゚д゚)ポカーン」
松井「取引所が変わったらどうするんだよ」
社員「・・・・」


松井「何でそういう単純な考え方するのって言ってんだよ!って言ってるんだよ俺!」
社員「・・・・」
松井「何でそうやってきれいにしようとするんだよ」


松井「大々的に広告出してください!」
社員「はい」
松井 「松井が怒ったらどのくらい怖いか教えてやれよ!」


松井「はい やって下さい!」


− 突然のバブル崩壊。大手証券会社の倒産が相次ぎ、証券業界は生き残りをかけたサバイバルレースに突入したのです。

−そんな中、松井社長は型破りな発想で次々改革を進めます。


− まず初めにやったのが、日本発営業マン・ゼロの証券会社に。
− それまでの証券業界は、営業マンが客を増やすものだと信じられていた。

しかし、松井社長は・・・

− 窓口を持たない証券会社として再スタートしたのです。
− これが大成功!


− さらに松井社長は証券業界を揺るがす革命的なサービスを開始。
− なんと日本で初めて店頭株の売買手数料を半額にすると発表したのです。

− 大手証券会社から猛反発を受けることに。

− しかし、松井社長の狙いは大成功!取引開始と同時に電話が鳴り出しました。
− 手数料が安くなったことで顧客が急増。手数料収入は2倍以上に!

当時の雑誌。「過保護の時代は終わった。知恵のない証券会社はドンドン潰れるよ。松井「お客さんに対する競争ですね、業界内の競争じゃなくて、お客さんを相手にした競争で生き延びるところと死ぬところが出てくると」


− 1998年、日本初の本格的なインターネット株取引を開始!
− 2001年、ネット証券で日本初東証一部に上場


− 18年前、松井社長が入社した当時、1年でやっと1000億円を取引していた松井証券が、今では1日で1000億円を取引するまでに。およそ300倍の成長を遂げたのだ。


加藤「やっぱりすごいじゃないですか。社長!1日1000億円になってるんですよ、1年が。」
松井「今、1日にもう2000億円越えてますよ」
加藤「軽い自慢じゃないですかー。(笑)」
松井「はっはっはっ(笑)」

松井「僕の自戒を含めてね。自分達が損する方法を考えろと」
加藤「おー、ちょっと待ってください、自分達が設ける方法じゃなくて。」
松井「じゃなくて、損する方法。単純に言うと、お客さんが儲かる方法だから。」
加藤「なるほど。」
松井「したがって、それを実行することで、お客さんから支持を得て、それで結果的に利益はこっちに来ると」

松井「偉そうに言ってますけど、さっきの怖いですね。あの後自己嫌悪に陥るんですよ。(笑)」
加藤「ちょこっと後に?」
松井「そりゃそうですよ。俺こんな事言える立場かよと」

加藤「ネットの手数料を半額にしてね、すごい圧力とかありました?」
松井「ありましたよ。『君、秩序を壊してどういう風になるのかわかってるの?』と」
加藤「電話で?」
松井「いや、直接来て。」
加藤「社長、なんて答えるんですか。」
松井「”それがどうしたんだよ。”と」
加藤「”それがどうした”・・・ちょっとカッコつけすぎじゃないですかー?(笑)」
松井「うーん、そうですね(笑)」

進藤「それにしても、いろんなサービスの宝庫なわけですけど、どうやって発想されるんですか?」
松井「あのねー今は一言で言ってしまうとですね。とんでもない、大変化の時代なんですね。こういうときに教科書とかは何にも無いんです。自分の頭で考えるしかないでしょ。一番大切な発想は常識を捨てるということです。会社とはこういうもんだよとかね。働くとはこういうものだという常識は1回捨てて、自分の頭で再構築する、こういうスタンスがものすごく大事だなぁと」
加藤「それはだけど、一種のかけになりますよね。常識を捨てるということは、すごい叩かれる可能性もありますよね。」
松井「そうですね。でもそれでいいじゃないですか。」
加藤「失敗したら、社員とかも路頭に迷いますよ。」
松井「そりゃ、しょうがないんじゃないですかー」
加藤「はっはっはっ(笑)まあ、この社長についていっているわけですからね。」
松井「後はごめんなさいしか言いようがないじゃないですかねぇ。僕は人から頭をなでられることは何よりも嫌いなんです。ひねくれてるんです。」
加藤「何でひねくれてるんですか?やっぱり婿養子に入ったからですか?」
松井「やぁ、あるかもしれません。(笑)」
加藤「あるんですか!?(笑)えっ、継いでって言われたんですか?奥さんに。」

松井「いや、僕から継がせてくださいって言ったんです。「継ぎゃ〜いいんだろ!バカ野郎!」みたいな感じで。」
進藤「そうなんですか!?(笑)」
松井「言いに行ったら、内の義理の父がね、『おやんなさいよ!でもつまんないよ』と言われたんです。すごい深い意味なんですけど、その時はよくわからなかったんです。時間が経てば経つほど、彼が言うようにつまんねー商売だなと思いましたよ。」


加藤「今はどうですか?」
松井「今はね、結構面白いですけどね、そろそろ飽きてきましたけどね」
加藤「飽きてきた? 社員も見てますよ。この番組社員も見てますよ社長。(笑)」
松井「でも、これからが、本選というか、勝負はこれからですからね。もう少しがんばりますけどね。」

松井「僕はね、もともと画家崩れで。高校のときに芸大に入って先生に画家になりたいんですと言ったら、いい先生だったんですけど、一言ね、お前才能無いからやめておいた方がいいよと」
加藤「そんなはっきり言われたんですか?」
松井「言われたんですよね。それでそういうもんかなぁと受け入れちゃったのが今トラウマになってます。何であん時受け入れちゃったんだろうなぁと。」
加藤「突き進みたかったんですか?」
松井「そうそう。もしかしたら、今頃とんでもない画家になってたかもしれない。」
加藤「1枚何億もするような。」
松井「そうそう。多分なってたかと思いますけどね。」
加藤「ちょっと、社長、情緒不安定ですか?(笑)」
松井「結構そう。でもいいじゃないですか。(笑)」
(スタッフ爆笑)

− 松井証券 経常利益率日本一の秘密!
− 2005年3月日本橋兜町から皇居半蔵門前へ移転
− 兜町時代 全部で900坪
− 半蔵門 全部で600坪
− 狭くなってる?
− これも証券業界のゴジラ松井社長のこだわりなのだ

松井「大企業に絶対ならないぞ!という僕なりの意思表示です。」松井「会社というのはこれから規模じゃないんだ!1人当たり、社員1人当たり、どのくらいの価値があるか。これで競うべきだと僕は思っている。」


− 少数精鋭!

松井「400億近くの経常利益を130人であげたら、1人3億円でしょ?こんな会社どこにも無いですよ。ね。」

− 少数精鋭で不可欠なのは人選
− 松井証券ならではのユニークな入社試験問題が!

− 2.マンホールの蓋が四角ではなく丸いのは何故でしょう。
  考えられる解答を羅列して下さい。<配点:各2点かける10>

− 3.一日1分遅れる時計と全然動かない時計のどちらが正確か?
  あなたの意見を述べなさい。<配点10点>

− 松井証券に一般教養の試験はありません!

− 松井証券は「年俸制」
− 金額を決めるのに一風変わった制度がある!
− 上梓が部下の働きぶりを評価するだけでなく、部下からも上司を評価するのだ。
− 基準は好き嫌い!

− オフィスの中をワゴンに載って運ばれてきたのは、なんと焼酎。でビールなどなど。
− 運ばれた先には若手の社員さんたちが!
− 実はこれ松井社長と若手社員達の懇親会
− 噂の社長が登場。緊張が走る。

社員 「ピ ピザなんで・・・さましちゃうと」
松井 「あ、これ食べよう。」

− なんとも盛り上がりにくそうな懇親会のスタート。しかし一時間後。

酔っている松井社長松井「あぁ〜、論理じゃない!パッションだね!」

松井「冗談じゃないよホントに!だれがやめるか!」松井「みんなで一丸となって、なんかやろうじゃないかと、こういう気持ちにならないとさ。」


− ほろ酔い加減で、絶好調の松井社長。ところが・・・

松井「酒に弱くなっちゃってね」
松井「いいじゃない、別にあの〜社長とこういう感じで・・・」
− 何故か、1人反省モードに入ってしまう松井社長
松井「つい10年ぐらい前まではこういう感じだったけどね。僕だけがなんか浮き上がっちゃってね」

社員「社長あっての松井ですよ。松井証券ですよ。」
松井「ちょっとさ〜ヨイショし過ぎじゃない?」
松井「そういったつまんない組織にしたのは僕なんだ。

松井「すごい反省してるんだ」松井「でもね、気が付いてきましたから。いいじゃない。」

松井「許せよバカヤロー!」


− 松井証券の夜は更けていく

加藤「社長、あの後絶対、泣いているでしょ。(笑)」
松井「最近感情の起伏が激しくなってきてね。(笑)」
松井「大体僕の言っていることの8割ぐらいは間違っていますからね。」
加藤「その2割だけ話してくださいよ。」
松井「それはわからないですよ。彼らから指摘されないとわからないんです。」
加藤「そうか、そうか。あれはなんですか?論理でないパッションだと言うのは。」
松井「僕は論理って嫌いでね。パッションと言うか感情的なねアナログなことを考えて実行する方がいいんじゃないかなと。これからの世の中は。」

(松井証券の試験問題について)
松井「あんなの出したのかなってわすれちゃいましたけどね。あれだいたい採点してませんしね。」
加藤「えっ、あれ採点してないんですか。」
松井「だって、あんなの採点したってしかたないじゃないですか。」
進藤「各10点とか書いてましたよ。(笑)」
松井「点数なんて関係ないですよあんなもん。なんか面白いきらっとしたものが書いてあったら。これ面白いんじゃないかと。頭のやわらかい人はけっこう、はぁーと思うような答案を出してきますよ。」

松井「さっきの評価だって、最後は好き嫌いだって、幼稚園の好き嫌いでなくて、そういう単純なのでなくて、結局、人間の完成と言うのを信用しようよと。だから嫌われるって言うのは、何かあるんじゃないのと。ファジーなものを大事にして、仕事をしていくのがこれからの世の中にあってるんじゃないのと。」
加藤「例えば、部下が全員嫌いに○をしたら、どうなるんです?」
松井「降格ですね。だってみんなから嫌われてるからあんた。」
進藤「ぐさっですね。」
加藤「彼の発言で、下がわかってなくて、嫌われていることもあるんじゃないですか?」
松井「そこまで計算してやれよと。で、計算すると何がなんだかわからなくなるでしょ。だから自然体でいけよと。」

松井「好き嫌いで唯一評価されないのが社長なんですね。」
加藤「いいポジションにいますね。(笑)」
松井「社長と言うのは、数字が全てですから、どんなに偉そうなことを言っても数字を達成できなかったら社長は失格です。だから結構シビアですよね。」

加藤「今後、野望とかありますか?」
松井「今、話題になってる東京証券取引所ってあるでしょ。あれに変わるものをやります。」
加藤「えっ!東証に変わるものを?」
松井「はい。いずれ松井証券が証券取引所になることも十分ありうるんです。今だいたい松井証券で年間40兆円ぐらいの株の売買をやってますけど、これが極めて近い将来100兆円とか150兆円、200兆円になるでしょう。そうなってくるとですね。松井証券が証券取引所になっても一向に構わない。」


進藤「そうすると、儲かるんですか?」
松井「多分儲かると思いますよ。お客さんと取引所をつなぐ為に手数料を取るんです。取引所は取引所で、取引所に参加する参加料を取ってますね。この手数料を参加料に変えたっていいんです。」
加藤「ちょっと待ってください。恐ろしいこと考えてますね。
松井「そりゃ今までやってきたんだもん。」
加藤「かっこいいっすね。社長!」
松井「う・・・ん、いいでしょう・・・」
加藤「否定してくださいよ(笑)そうでもないよとか言ってくださいよ。(笑)」

進藤「では、最後にお伺いしたいことがあります。松井社長が次にやろうとしている日本初を教えてください。」


松井「日本初になるでしょう。内のプラットフォームというこの場でね。今40兆円というお金が動いてます。儲かった損したって動いてるんですよ。」
松井「これよーく考えたら購買力じゃないですか。利益が上がった人はそれで何か買おうとするでしょう。そういう人たちが、いつ儲かって、どのぐらい儲かったか全部我々は知ってるんです。で、それを悪用してはだめですよ。でもお客さんが了解した上で、私達はある商人、車会社とね、お客さんを結び付けます。どこよりも安く買えますよと。もし紹介したら、内を通して買うでしょ。」
加藤「絶対そうですね。」
松井「でしょ。誰が損します?」
加藤「誰も損しないですね。」
松井「お客さんも喜ぶ、そのメーカーも喜ぶ」
加藤「社長、天才かもしれませんね。社長、天才ですわ。」
松井「一緒に事業やりましょうか?(笑)」


えーと、ここからが番組を見た私の感想です・・・
松井社長が変人だということがよくわかりました。もともとある程度は知ってましたが。(笑)
成功したベンチャー経営者で、東証一部上場企業のオーナー社長。元サラリーマンだったためか庶民的な感じで、言いたい事をはっきり言う姿勢が、個人投資家や株主から支持を受けているのかもしれません。松井社長の経営哲学は、著書などでもう知っていることばかりだったので、今回の新たな感想はないので、爆弾発言?である、「証券取引所になる」と「個人投資家と別の小売業者を結びつける」という件について書きたいと思います。

まず、「証券取引所」についてですが、松井社長の著書で証券会社が不要になって投資家が直接証券取引所で売買するようになるという話がありました。これのことですね。証券会社が将来なるかどうかはわかりませんが、将来、証券取引所(PTSじゃなくて本格的なもの)に新規参入者が現れる可能性は小さいけどできつつあるような気もします。近頃の取引所のトラブルで東証の一極集中の危険性が指摘されているからなのですが、個人投資家の売買だけで言うと85%ぐらいの取引シェアを東証が持ってます。機関とは違い個人の売買だと大証やJASDAQもがんばってますが、それでも東証に偏りすぎで、システムの共同化を呼びかけるぐらいリスクが集中している状況で、分散したほうがいいと思います。だから大証・JASDAQついでに名証は、意外と将来性がある証券取引所ではないかと思って、1月の売買代金シェアの順位表からは取引所別の売買代金を書くようにしています。ただし、大証・JASDAQが東証と競争しているのかというと、新規上場企業の獲得合戦(以前よりは沈静化してますが)以外では横並びのことをしているので、真の競争者として勝算があるのであれば新規参入があってもよさそうです。松井証券の売買代金は、JASDAQ・大証の売買代金を超えてますのでありえなくはなさそうですね。

次に、「個人投資家と別の小売業者を結びつける」ですが、これは正直よくわかりません。決済機能をつけるのでしょうか?しかし、「次にやる日本初」と言っているのでそう遠くない将来にやると考えていいのかな。近いうちにどこかの会社と提携するのかもしれませんね。とりあえず、アップルと提携してロゴ入りiPodnanoが販売されることを期待しましょう。ちなみに、松井証券は2001年にブックオフと提携してビジネス関連中古本の販売サイトへ松井証券のページから誘導していた時期があったようなんですが、あまり流行らなかったためか今は専用ページというのがなくなってます。松井社長ががっちりマンデーで言った次の日本初は、専用ページにリンクするだけでなく預けているお金で商品を買えるようになるといいですね。

イーブックオフと松井証券が業務提携(ZDNet 2001年1月24日)

 イーブックオフは1月25日,Webサイト「eBOOKOFF」に,業務提携した松井証券の利用者専用ページを開設する。

 同専用ページでは,金融関連を中心としたビジネス関連中古本をラインナップし,低価格で販売していくとのこと。利用方法は,松井証券ホームページ内のeBOOKOFFコーナーから,専用ページにアクセスし,掲載の書籍を注文するようになっている。



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