ライブドア証券プレミアムトレードパスの中止発表で先行きが不安視されていたライブドア証券ですが、ライブドアの株式を自腹で取得したUSENの宇野康秀社長が、日経新聞に対し、「ライブドアのネット証券とギャオと連携する」と話し、金融分野で具体的な提携策を模索していく方針を明らかにしたそうです。

ライブドアと金融でも連携・USEN社長が表明

 USENの宇野康秀社長は24日、日本経済新聞記者に対し、「ライブドアのネット証券と(自社の無料動画配信の)ギャオと連携する」と話し、ライブドアとはまず金融分野で具体的な提携策を模索していく方針を明らかにした。信販事業でも「有線音楽放送を導入する飲食店向けのリースなどと連携させたい」と語った。

このニュースでライブドア証券を使っている人は少し安心したかもしれませんね。12月のライブドアの株主総会では、ライブドア証券が中国の大連で動画配信機能付リアルタイム投資情報ツールを開発していると発表していたので、このツールに、ギャオの経済関連コンテンツが配信されるかもしれません。

ただし、このツールはライブドアの強制捜査の時に、ライブドア証券の会長だった宮内容疑者(ライブドア取締役)が中国の大連に出張して緊急帰国するまで開発の指揮をとっていたようで、その後開発が進んでいるのか中断しているのかが不明な状態です。日経コンピュータによると、西京ライブドア銀行で使うはずだったオンラインバンクシステムが半額の10億円で売りに出されているらしいので、もしかしたらライブドア証券の次期システも、予定の5月に完成するどころか頓挫している可能性もあります。

もう一つ課題が財務面です。先日、ライブドアオートが、ライブドア証券とライブドアファイナンスそれぞれから貸付金50億円を回収したというニュースがありました。ライブドア証券がライブドアオートからの貸付金をリテール(個人向け)業務ではなく、M&AとかMSCBなどの投資銀行業務で使っていれば問題ないのですが、少し心配です。

しかし、USENの宇野社長がライブドア証券も支援してくれるのであれば、それも解決するでしょう。一時はライブドア本体が証券取引法違反で刑罰が確定した場合、5年間証券会社の親会社にはなれないという証券取引法第28条の制限で登録抹消か放出される可能性がありましたが、いざとなったらUSENに売却してUSEN証券とかギャオ証券にして回避できるようになります。それどころか証券取引法違反の刑罰確定にかかわらず、USEN証券やGyao証券になるのは規定路線という噂も聞こえます。

一方、ネット上ではプレミアムトレードパス廃止で失望の声が多いライブドア証券ですが、実は2月はなんとか売買代金のシェア5%で踏みとどまっています。ライブドア騒動で先行きが不安な中でもライブドア証券の客はそんなことお構いなしに株取引していたんでしょうか。

ちなみに、口座増加数は1月5531件から2月1580件へと大幅下落で明らかにライブドアショックの影響が見られます。顧客に見捨てられないように、早めにプレミアムトレードパスに代わる手数料体系と時期システムの導入時期を発表して欲しいものです。

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