楽天、三木谷社長、国重副社長楽天の株主総会にも行ってきました。平日にもかかわらず大勢の株主が出席していました。会場はライブドアやカブドットコム証券の株主総会でも使われた赤坂プリンスホテルで、ライブドアの時の第二会場で7割ぐらいは埋まっていたようでした。遅れていったので途中からしかわかりませんが、比較的穏やかな株主総会だったと思います。ちなみに爺殺しと言われる三木谷社長は、他の役員には「○○常務」と呼んでいましたが、国重副社長に対しては、年上だからなのか「国重さん」と呼んでいました。

楽天の株主総会開催通知を前の日に目を通したのですが、楽天グループの稼ぎ頭の1つである楽天証券についての記述は残念ながらほとんどあまりありません。

第1 営業の概況
1.企業集団の営業の経過および成果

・・・・・・・・・モバイルサービスにつきましても、証券事業において「iSPEED」をリリースする等、一層の強化を行ってまいりました。・・・・・・・・

事業別セグメントの概況:証券事業は売上が前期に比べて倍になっているが、クレジット・ペイメント事業が急拡大(1.7%→36.3%)しているので、楽天全体に占めるシェアは28.8%から20.3%に低下。

・・・・・・・・・

4.企業集団の対処すべき課題

・・・・・・・・・証券事業につきましては、安定性・信頼性・利便性向上のためのインフラ整備を強化いたします。また、新手数料体系を導入するとともに一層のモバイル化を推進し、さらなるシェア拡大に向け新規顧客の獲得を目指してまいります。

グループ内のシナジー効果や共通IDを除くと、全体の20%を占める金融事業の中核の証券事業についてはこれだけしか書いていません。システム増強の苦労・努力は認めるとしても、手数料値下げが中途半端だっただけに、もっと商品サービスの拡充に力を入れて欲しかったと思います。もちろん書いているとおりiSPEEDは質がよかったし、専用投信の鞍馬天狗とかホリコさんの自由の女神は魅力的な投信だったので、私も思いきって大金を投じています。資料には手数料値下げ同様書いてませんでしたが。三木谷社長が新規口座開設者の6割が楽天会員だったから楽天市場とのシナジー効果だと言ってはいますが、インターネット使っている人であれば楽天市場を使ったことがある人は当然たくさんいるわけで、ポイントの交換によるシナジー効果だけで満足してていいものなのか疑問に思います。システム増強後・手数料値下げ後も、サービスの質がよくなるようにもっと努力して欲しいですね。

さて株主総会での質疑応答の話題の中心は、TBS問題が一番多くて、セキュリティの問題(楽天店舗のカード番号の流出事件、Winny情報漏えいへの対策)などに比べても、楽天証券の話題は去年いろいろと騒動があった割には少なかったのですが、最後の方で2,3件ありましたので、その質疑と応答だけ紹介しておきます。

Q楽天証券が昨年8月ごろに手数料値下げを発表されて10月からということだったが、まだ行われていないと思います。遅れている理由といつ実施するのか教えてください。
Q昨年のジェイコム問題のときに、楽天証券や楽天グループがジェイコムの株を買っているのか買っていないのか、利益の返上をしているのかしていないのか教えてください。

(国重)ジェイコムについては、楽天証券は自己売買をしていないので買っておりません。値下げについては10月1日から値下げをすると申し上げて、実はまだされていないと、誠に私も心苦しく思っていますけども、システムの容量の大増強というのをやってまして今度の5月の連休のときに150万口座対応を、今55万〜56万ぐらいあるんですけども、それをやる予定にしておりまして、それのめどが立った段階でタイミングかなと思っています。ただ、半年も延びてしまいましたので昨日発表しましたけどもお詫び処置を兼ねまして、手数料の20%相当を楽天証券ポイントとしてお客様に還元する方策を発表させていただいております。これで是非楽天証券ポイントは楽天ポイントに交換できますのでショッピングをしていただければという狙いも込めましてプレスリリースをさせていただいていますが、増強終わりしだい手数料値下げを行いたいと考えている状況でございます。


Q他のネット証券との差別化ということで、IPOの取扱いが多いかと言うとそうでもなかったり、売買の多様化というか、ある取引が約定したら別の注文をしますよというような予約の注文ができたりとか、そういうところで、他社が優れていることがあるのですが、今後どのように他のネット証券と差別化を図っていくのでしょうか?
・中国株の取扱いをずいぶん前からやっていると思うのですが、香港株はできますが中国のB株とか本土株の方はまだで、今後の中国株や他の海外の株式の取扱いを増やしていくのか伺いたいと思います。

(国重)差別化というファクターは、非常に難しい問題なんですけども、去年1年間は、去年5月に行いました手数料の改定というのが非常に好評で爆発的にお客さんが増えました。ただ、先ほども回答しましたように楽天市場とのシナジー効果、ブランドの効果が非常に効いているのかなぁと思っております。これからも楽天市場あるいは楽天のいろいろなサービスと連携をとりながらやっていくというのが差別化のファクターになるのではないかと思っております。ただ、何よりもやはりシステムの安定化が大事なことだと思いますので今後も設備投資を含めて注力していきたいと考えているところであります。外国株ですけども中国のB株、中国本土の株の取り扱いについては検討はずっとしているんですけどもまだ流動性が少なくて株価がおかしな動きをしていることと企業の開示が進んでいないということから、投資家の方に不測の損をさせる危険性があるということで取扱いをあえてやっていないということです。その他のインドとかヨーロッパ株というのは検討しておりますが1年間の範囲で言いますとスタートすることはないと申し上げます。


Q連結貸借対照表に投資有価証券と別に証券業による信用取引資産や証券業における受け入れ保証金があるが、私の勘違いでかもしれないが、これはTBSの株式を現物で買って、それを担保に信用取引でTBSの株を買い増ししているということで、TBSの方は信用取引の決済までの時間を考えて話し合いの引き延ばしをして楽天側の目論見をつぶそうとしているのではないか?

(国重)証券業における信用取引資産とは、楽天証券のお客様がやっている信用取引の資産、建玉という呼び方をするものでありまして、楽天証券そのものが信用取引をするということはございません。そういう意味ではTBSの件とは全く関係ない、お客様がこれだけの建玉を建てられているというふうにご理解いただければと思います。

国重楽天証券社長の回答によると、5月の連休にシステム増強をすれば手数料値下げのめどが立つようです。おそらく楽天証券のサービス開始7周年記念の6月11日あたりになるのではないでしょうか。それから国重社長の回答にあるように、松井証券の値下げへの対抗とかジョインベストへの対抗なのか、あるいは総会対策なのかもしれませんが、手数料 20%ポイントバックキャンペーンを総会の前日(29日)に発表しています。

ご愛顧感謝!&サービス開始7周年記念!国内株式手数料 20%ポイントバックキャンペーンのご案内

平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申しあげます。
楽天証券はおかげさまで本年6月11日にサービス開始7周年を迎えます。これもひとえにお客様のご支援の賜と深く感謝申しあげます。

そこで楽天証券では、お客様への日ごろの感謝とサービス開始7周年を記念して、「国内株式手数料 ポイント20%バックキャンペーン」を実施いたします。本キャンペーンは、定常サービスとしておこなっている国内株式手数料のポイントプログラムについて、通常1%の還元率を20倍の20%にアップさせていただくものです(※)。

「楽天証券ポイント」は、楽天市場でショッピングに使える「楽天スーパーポイント」に交換できるほか、JALマイレージバンクの「JMBマイル」にも交換できるお得なポイントプログラムです。この機会にぜひ、楽天証券のサービスをご利用くださいますよう、お願い申しあげます。

※ポイントの還元率は税抜分の手数料で計算

なお、新手数料コースの導入時期につきましては、かねてよりご案内の通り、お客様に快適かつ安定した取引環境を提供することを最重要課題とし、システム増強などの対応策実施が完了し次第、速やかに導入させていただく予定です。4月末までには残る対応を完了すべく業務に邁進しておりますので、導入時期の発表につきましては、いましばらくお待ちくださいようお願い申しあげます。
これまでの延期に対するお詫び措置と、日ごろのご愛顧に対する感謝の意を込めて、本キャンペーンを実施させていただきますので、ぜひご利用いただければ幸いです。引き続き、楽天証券へのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

手数料値下げはまだですが、楽天市場でショッピングをするひとには朗報かもしれません。20%還元分を考慮すると実質最安値ともいえなくもないです。手数料の値下げの方も早めに実施してもらいたいですね。