岡三オンライン証券[ ネット証券Blog ] 
岡三オンライン証券は、1月6日から日本株の取引手数料を改定すると発表しました。発表によると、一部の条件では手数料は据え置かれますが、それ以外は+4%増〜最大で3.15倍に値上げされるようです。
■岡三オンライン証券
日本株取引手数料改定のお知らせ(PDF 53KB)
http://www.okasan-online.co.jp/pdf/info/2013/12/20131209a.pdf

岡三オンライン証券のお知らせによると、手数料の改定は来年(2014年)の1月6日約定分から実施され、信用取引のワンショット手数料、1注文の約定代金300万円超の場合で、改定前より3.15倍になるなど、多くの条件で4%を超える値上げとなっています。

また、2014年4月からの消費税率変更後は、この改定とは別に、税込価格が変更(値上げ)されるとのことです。

改定の内容を詳しく見てみると、現物取引では全条件で値上げ。信用取引では定額プランの「プレミアムゼロ」は据え置き、定額プランの「プラチナ」は小幅〜据え置きと影響は軽微ですが、定額プランの通常と、ワンショットの全てのプランでは大幅な値上げとなっています。

信用取引の「プレミアムゼロ」と「プラチナ」については、それぞれ前月の累計売買代金がそれぞれ20億円以上、7億円以上が適用条件になっており、さらに「プレミアムゼロ」の場合はその条件に「売買代金5億円以上の現物取引」が条件にプラスされます。よって、「プレミアムゼロ」の顧客にとっても今回の手数料改定の影響はあるということになります。

岡三オンライン証券が、このような手数料改定に踏み切った背景には、同社の売買代金シェアが低下していることが関係していそうです。これまでのネット証券の手数料競争に組していく戦略から、取引量の多い一部の上顧客に集中する戦略に切り替えた可能性が考えられます。

その証拠に、同社は先月(11月)、価格ドットコムなどの手数料比較サイトへの広告出稿を取りやめたことが挙げられます。また一方では、この手数料改定と同時に、岡三証券グループのTVコマーシャルに「岡三オンライン証券」の名称を掲載することになったとの発表も行っており、手数料を比較されやすいインターネット広告から、老舗の有店舗証券の安心感とリンクさせやすいテレビ広告へシフトする姿勢が見受けられます。

■岡三オンライン証券
岡三証券グループ TVコマーシャル 放映番組および岡三オンライン証券社名掲載のお知らせ(PDF 321KB)
http://www.okasan-online.co.jp/pdf/press/2013/12/20131209b.pdf

果たして、同社のこの戦略変更は、同社にとって吉と出るでしょうか。他社が同等の値上げをしなければ、少なくともシェアは低下すると思われますが、私は値上げによる客単価向上よりも、顧客流出による収益悪化の方が影響が大きいのではないかと心配しています。

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