では、カブドットコムのkabu.comPTSに続いて、SBIイー・トレード証券と楽天証券の連合PTSの話です。(まだ組織名称がないというより組織化されてないが故に呼びづらいですね。証券会社名を2つも続けて打つのは結構面倒。ネット投資家の間では連合と呼ぶのが今のところ一般的になっているようなので、当面このBlogでも連合PTSと呼ばせていただきます。父母教師連合会の話ではないですよ。)
オンライン専業証券会社等3社による夜間取引開始の共同準備の合意について(SBIイー・トレード証券)オンライン専業証券会社等3社による夜間取引開始の共同準備の合意について(楽天証券) ブログやYahooFinance掲示板、2ch等では、 ・北尾さんがカブコムの発表を知って、あわてて楽天・オリックスと話をまとめたのだろう ・松井証券も誘われたが、松井道夫社長が何らかの理由(過去の経緯・面子の問題?)で断ったかまたは渋っているのでは。 ・「やろう」ということしか決まってなさそう。まだ時間がかかりそう。 などと今のところは推測されていますね。急な発表でまだ3社+1社が準をすることに合意したというだけだということに加え、ネット証券評議会が分裂したように見えるので、いろいろ憶測がでてきそうです。 SBIの北尾さんがカブドットコム証券の発表後に、楽天やオリックスに声をかけて一気に合意に持っていったという事はほぼ間違いないでしょう。またプレスリリースで参加証券会社のシェアの高さに拘っていたことから、当初はカブドットコム証券以外の評議会メンバーを揃えようとして松井証券にも声をかけていたと思われます。 これまでのことを考えると、おそらく、ライブドア証券のPTS構想や東証のシステム障害発生時あたりから、ネット証券評議会でPTSをやろうという話はあったのではないかなぁと思います。しかし、評議会会長の松井さんが、東証の夜間取引実現に拘ったのかあるいは意図的に評議会のPTS準備開始を遅らせて他社をじらしていたのかわかりませんが、あまりPTSには乗り気ではなかったのかもしれません。そういえば、イー・トレード証券は4月の決算発表で夜間取引も検討しているようなことを言っていましたよね。そのあたりから、カブドットコム証券が独自にPTSを準備し始めていることを知ったのか感づいたのかして、他社を巻き込んでPTSをつくろうと考えていたように思えます。 じゃあ、なんで松井証券は参加していないのか。これはまだはっきりわかりません。松井道夫社長が東証の夜間取引に拘っているのか、それとも戦術的にそういう振りをすることで時間稼ぎをしておいて、裏では(がっちりマンデーではCM2の後で爆弾発言してたけど)自前の取引所を準備しているのか、あるいは主導権をとれないので単にスネてるだけなのか。何にせよ、これまで業界のリーダーを自称してきた松井道夫さんの求心力が、東証の夜間取引実現という目標がなくなったことで低下したように見えてしまいますよね。ネット証券評議会は夜間取引だけが活動内容というわけではないですが、今後の存在意義をどうするのか、これは別途注目したいと思います。で、松井証券が連合PTSに参加する可能性は50%ぐらいかな。今のところ「幅広い選択しを・・・」と言っているそうです。 さて、今回のプレスリリースで唯一中身について触れられている箇所についてですが、 「私設取引システム(PTS)システム提供会社の共同設立を検討し、各社がそれぞれ当該システム提供会社に接続しアプリケーション・サービス・プロバイダー(ASP)として利用することが考えられます。また、夜間取引市場開設に向けて、各社それぞれがPTS認可取得に向けての準備を検討してまいります。」 という文言から推測すると、今のところシステムをASPで共同利用して証券会社間の売買もできるようになるけど、PTSシステム提供会社が認可を取得するのではなく、あくまで参加する証券会社各社が個別に認可取得する形態を考えているようです。(今後どうなるかはわかりませんが。) 確か、丸三証券が、マネックスナイターに接続するときには認可取得はしてなかったと思うので、証券会社が夜間取引に参加する上で国からの認可が必要かどうかという点でいうと、マネックスナイターやkabu.comPTSよりは敷居が高くなるかもしれません。夜間取引運営に必要な業務、例えば売買監視、情報配信、その他ほとんどの細かい仕事は実質的にシステム提供会社が業務代行してくれると思いますが、あくまで形式的には各社がASPサービスを借りて私設取引所を個々に設立運営し、各社のそれらが仮想的に相互接続することを想定しているように文脈からは読み取れます。もしかすると、こういう形態について意見対立があって、カブドットコム証券や松井証券が参加してないのかもしれません。 これ以上は具体的には何も中身が見えてないので、なんとも評価しようにもできないのですが、とりあえず「連合PTSがいつごろ開始できるの?」ということと、Kabu.comPTSもですが「信用取引はいつごろつかえるようになるの?」ということが今後の競争の焦点になるんでしょう。もうすぐ証券会社各社が第一四半期の決算発表を行うのでそこでの各社トップの発言にも注目です。