カブドットコム証券が、「三菱UFJ証券との株式等の引受業務についての業務委託契約」の範囲を拡大させると発表しました。これによりIPOの取扱量がネット証券トップ級に増えることが期待できそうです。
三菱UFJ証券株式会社およびカブドットコム証券株式会社の業務提携範囲の拡大について
三菱UFJ証券株式会社およびカブドットコム証券株式会社は、従来、株式等の引受業務について業務委託契約を結んでいましたが、当該業務の提携範囲の拡大について以下の通り合意いたしました。 記 ■業務提携内容の主な変更点 ・ 三菱UFJ証券がカブドットコム証券に販売委託する株式等の引受業務の対象を、「三菱UFJ証券が主幹事を務める引受株式等に限定」から、「原則、三菱UFJ証券が引き受ける全ての引受株式等」に拡大する。 ・ カブドットコム証券は株式等の引受業務を原則休止する。 これにより、三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下MUFGグループ)内における株式等の引受機能を三菱UFJ証券に集約することになり、プライマリー業務における両社の役割を明確化し、MUFGグループ内のリソースを効率的に配分することが可能となります。 ■業務提携拡大による効果 ・ 三菱UFJ証券にとっては、総合証券としてのきめ細かい対面コンサルティングに加え、オンラインの利便性を兼ね備えることにより、厚みを増している個人投資家層に対する強力な販売ネットワークを構築でき、ネット専業証券をグループ内に持つ強みを活かすことができます。また、カブドットコム証券のリレーションから持ち込まれる引受案件の獲得も期待できます。 ・ カブドットコム証券にとっては、総合証券である三菱UFJ証券が引き受ける幅広い案件の販売業務を行うことにより、株式等のプライマリー案件数の飛躍的な増加が見込まれ、幅広い商品提供が可能になります。これによりお客さまの利便性が更に向上するだけでなく、ネット証券トップクラスの案件数となることが見込まれ、新規公開株式等の提供においても競争力の強化が期待できます。
カブドットコム証券は、従来、旧UFJつばさ証券と「UFJつばさ証券(三菱UFJ証券)が主幹事のIPO銘柄を分けてもらう」というような業務提携をしていましたが、今回の発表により主幹事銘柄だけでなく、それ以外の引受株式も対象に加えられるようになり、カブドットコム証券の客としてはIPOの当選確率の向上が期待できそうです。 先日のカブドットコム証券のカブ四季総会(大阪)で、IPOに関する質問があったときには、斉藤正勝社長は、具体的な言及は避けましたが、近い将来IPOの取扱量をマネックス証券やイー・トレード証券並みかそれ以上に一気に増やすと明言していました。この発言を聴いたとき、三菱UFJ証券の引受け株式を分けてもらうのかなぁとだいたい推測はできたのですが、実際そのとおりだったようです。 今後はカブドットコム証券のIPO取扱量が急増することは間違いなさそうなので、IPO狙いの人はカブドットコム証券用の資金も用意しておいた方がよさそうです。おそらくネット証券でトップになるぐらいの量を調整して用意してくると思われます。 なお、先日のmixiのような、斉藤社長や磯崎哲也さん(社外取締役)のリレーションで獲得するIPO銘柄(主にベンチャー企業)についても、引き続き三菱UFJ証券の引受けとして扱われるそうです。
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