毎月こりずに集計している証券会社各社の売買代金シェアは、証券取引所が開示している投資部門(主体)別売買状況(動向)という統計資料から個人委託分のデータを拾って、分母の数字にしています。10月10日東京証券取引所がこんなお知らせを出しました。 ●訂正のお知らせ (10月10日) なんと、2006年4月から8月までのデータに訂正が入ってしまったではありませんか。なんてこったと思っていたら、大証にもありました。 投資部門別売買状況の訂正(株券・ヘラクレス) 東証は、大証と名証からの売買状況のデータを取りまとめて発表しているので、東証が訂正している部分は大証が誤っていた部分の訂正だったわけです。訂正内容を見てみると一部の投資部門のごくわずかな金額のようなので、シェアの集計結果にはほとんど影響はないようです。 8月までの分は後日直すとして、9月分の個人売買代金状況を見てみましょう。
9月といえば1年前、総選挙で自民党が大勝し、1月まで(長期的に見れば東証1部などは春まで)急上昇を開始した、そんな月でした。証券会社の売買代金も年前半の閑散から一転してハイペースで増加しました。一転今年の売買代金はどこの証券会社も低調、ついに9月になるに至っては、シェア拡大や合併効果で前年同月比で売買代金のプラスを維持していたSBIイー・トレード証券、楽天証券、カブドットコム証券もついにマイナスに転じてきました。業界全体だと-35.5%(個人委託だけ)。今後、今の売買代金水準が続いたとすると、最大9ヶ月間は倍9倍代金前年割れが続く可能性があります。(しかも業界平均毎月30%〜60%のペースで。) さて、証券会社別に見てみると、信用取引で先行するイー・トレード、楽天、松井の3社が前月比一桁のマイナスで堪えたのに対して、カブドットコム、マネックスは共に-13%になりました。この中で松井が-6.9%と減少率が小さかったのは無期限信用取引の手数料無料化の効果が少しあったのかもしれません。カブドットコムとマネックスの夜間取引対決はまだ接戦が続いています。 前年比で見ると、松井-35.7%、カブドットコム-18.7%、マネックス-53.7%、オリックス-26.7%と半壊状態。おそらくライブドアもこれに続くでしょう。 一方、新規参入組みですが、ジョインベスト証券は前月比+15.7%と成長を維持。しかし現物取引の伸びが低く、信用取引の比重がやや高まっています。GMOインターネット証券は、伸び率が開示している証券会社で最も高くなっています。両社とも1%が射程圏内に入ってきました。 本当にこの状況を打開する何かいいきっかけがあればいいんですけど、何かないですかねー。