日経新聞の報道によると、ネット証券評議会が解散する方向で調整に入ったそうだ。証券会社のトップページに掲載されていたはずのネット証券評議会へのリンクがこっそり、そして一斉に消えていたので、解散はほぼ間違いなさそう。
ネット専業証券、業界団体解散へ。(日本経済新聞 1/11朝刊)  松井証券、SBIイー・トレード証券などインターネット専業証券大手四社を中心に構成する「ネット証券評議会」が解散する方向で調整に入った。独自の業界団体として二〇〇四年九月から東京証券取引所に夜間取引を求めるなどの活動を続けてきたが、カブドットコム証券が独自に私設取引システムを活用した夜間取引を始めるなど方針に違いが生じたためだ。今後は日本証券業協会傘下のネット証券の評議会に一本化する方針だ。  評議会で集計し、ホームページで開示していた個人投資家のネット取引に関する個別銘柄の売買動向などのデータは、何らかの方法で継続することを検討している。  ネット証券評議会は松井の松井道夫社長が議長を務め、ネット証券間のシステム問題や、法令順守体制など、日証協とは一線を画した立場で活動を続けてきた。ただ、活動の柱の一つであった夜間取引をめぐり、先行したカブコムのほか、イートレードなど五社連合も独自に夜間市場を開設する準備を進めるなど、足並みがそろわなくなってきた。
ネット証券評議会は、日本証券業協会のインターネット証券部会への参加を拒否した松井証券、イー・トレード証券(現SBIイー・トレード証券)、カブドットコム証券、楽天証券の4社が作った「インターネット証券4社懇話会」を母体に2004年9月1日に設立された業界(業態)団体。2005年8月には4社を社員とする有限責任中間法人となり、同年11月にはオリックス証券が特別会員から正式会員に昇格加盟していた。 同評議会は東京証券取引所に夜間市場の開設要望書を提出するなど、当初は東証での夜間取引実現を目指して各社が一致団結していたが、2006年にカブドットコム証券がPTSによる夜間取引サービスを開始し、それにつづいてイー・トレード証券、楽天証券が、オリックス証券やGMOインターネット証券を誘って共同の私設取引所の計画を打ち出すなど、日経の報道のとおり足並みがそろわなくなってきた。 2004年から2005年前半までは、個人投資家向け合同セミナーやアンケートの実施、手口情報の公表開始など、夜間取引以外の分野での成果があったが、その後目立った活動はほとんど行われていない。 また評議会会長(議長)で先頭に立っていた松井証券松井道夫社長が、2005年にシステム障害が多発し業務改善命令を受けた楽天証券に対して除名を示唆したり、先にPTS計画を発表した他社に対して「抜け駆けが出てきた」と発言するなど、参加企業間の不協和音も表面化していた。 2006年には、参加を拒否していた日本証券業協会のインターネット証券部会に各社が順次参加することになり、松井証券の松井道夫社長が部会の理事の一人に就任している。東証夜間取引、特定口座の共通化などネット証券評議会では達成できなかったことがあると思うが、できれば日本証券業協会で少しでも実現できるように努力してほしいものだ。 なお、参加五社の売買代金上位15銘柄を公表するサービスは運営を継続するように検討しているそうだ。もしかしたら日経がこのニュースを最初に報じたぐらいだから、日経か日経QUICKあたりが引き継ぐのかもしれない。それともネット証券評議会のページにリンクがあるストックボイスあたりだろうか。