開業から1年で50万口座という無謀ともいえる目標を打ち立てたものの、(相場が低迷したことが原因の全てかどうかはわからないが、)それに遠く及ばない状況(12月末75,562口座)になっているジョインベスト証券。その親会社である野村ホールディングスの古賀信行社長は日経新聞のインタビューに対し、「今後は口座数も比較的順調に伸びていくのではないか」との見通しを示した。
野村ホールディングスの古賀社長は、今年度末(3月)までには大手ネット証券と同等のサービスがそろうため、口座数は今後順調に伸びると予想しているようだ。
――昨年五月に開業した野村グループのネット取引専業のジョインベスト証券は苦戦だが。 「口座数は当初目標に全く届いていないが、これは株式相場の環境にも左右される。今年度中には他のネット証券と比べて遜色ない品ぞろえやサービス機能が整うため、今後は口座数も比較的順調に伸びていくのではないか」ジョインベスト証券の口座数は、12月末で75,562口座にとどまっているが、1月からは、確定申告の手間を省くために1つの証券会社で特定口座源泉徴収を選択し、年内の証券会社の移動を控えていた投資家、4月からは転居による住所変更が手間になるために口座開設を控えている投資家などの、口座開設が期待できるかもしれないので、2005年の途中で開業・手数料値下げを断行しているジョインベスト証券やGMOインターネット証券の口座数、売買代金シェアの伸びには注目したい。 また、野村HD古賀社長は、ネット証券の既存のビジネスだけでなく、ネットビジネスにも強い関心を持っているようだ。
「収益より重要なのは、急拡大するネットの世界で証券業務にとらわれない新たなビジネス機会を探すことだ。ジョインベストには外部から様々なネットビジネスの話が来ており、手応えはある。売却や撤退などは全く考えていない」去年、野村ホールディングスは、ジョインベスト工房株式会社を設立し、「マネデリカ」というお金に関する情報を中心としたコミュニティサイトを立ち上げている。今のところ静かなスタートという印象で、「マネデリカ」自体で収益を上げられるようなビジネスモデルはできていないようだが、他の会社との提携によって新たなビジネス展開が年内にも見られるかもしれないし、今後他の証券会社やポータルサイトと金融関連コミュニティ分野での競争が起こる可能性もありそうだ。 ■ジョインベスト工房株式会社 ■マネデリカ
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