「楽天証券の社内から記述が削除された」騒動によって、管理者によって8月30日に保護状態にされていたWikipedia日本語版の「楽天証券」の項目について、1月上旬から保護解除に向けた議論がひさしぶりに行われていたが、結局議論は決着することなく、今後も保護状態が継続するようだ。
この問題は、2006年8月26日のネット証券Blog2の記事「楽天証券の中の人がWikipediaから業務改善命令とマーケットスピードの欠点を削除。」を発端としているが、Wikipediaの「楽天証券」の項目が保護となった理由は、楽天証券社内から削除されたということではなく、その事実を「楽天証券」項目に記載すべきかどうかについて意見が分かれ、管理者権限を持つユーザによって編集合戦が行われたことだという。 議論は「楽天証券」の項目のノートで行われていて、この騒動をどのように扱うかについて以下の4案が提起されているが結論が出ないまま、議論は沈静化している。  ・騒動について「楽天証券」の項目の沿革に1,2行のみで簡潔に記載する。  ・騒動について「楽天証券」の項目に見出しを作って記載する。  ・騒動について別の項目を作成する。  ・騒動についての記載をしない。 「楽天証券」の項目の問題の後、「社内からのファイル交換ソフトWinnyの使用を制限するシステム」を作成する企業が、顧客からの要望に応じて、「Wikipediaへの書き込みを防止する機能」を追加するという社会的影響を報じるニュースもあったが、ある当事者の自身に関するWikipediaの項目への書き込みが話題になることが少なくない。例えば、アスキー創業者の西和彦氏が自身の項目に誤りがあるとして、編集を行った結果、「西和彦」の項目が保護されたり、「鹿児島県立鹿屋高等学校」の項目では、加筆をした同校の生徒を教師が止めるように伝え、記述の削除も行った等についてノートで議論が起きている。 さて、当事者の編集ではないものの、証券業界関連では、「マネックス証券」の項目が、荒らしや編集合戦などを理由に保護状態、「オリックス証券」の項目が著作権侵害のおそれにより削除提案中、「東京証券取引所」の項目が、荒らしを理由に半保護状態となっている。 いずれにしても、「保護はされる、されど議論は進まず」という状況であることが多いようだ。