東京証券取引所の西室社長は、1月23日の記者会見で、ニューヨーク証券取引所との提携について、「31日のニューヨーク事務所設立20周年レセプションの後で何とか発表が出来ればいいと思っている」と希望的観測を示した。
東証の公表した1月23日の西室社長の記者会見要旨によると、西室社長は以下のように質問に答えている。
記 者 会見のたびに聞かれるとは思うのですけれども、ニューヨーク証券取引所、NYSEグループとの提携の協議の状況、見通しについて、現段階で話せるところをお願いします。 西 室 なかなか内容の詳細についてお話しできなくて申しわけないのですけれども、基本的にはニューヨーク証券取引所との間の業務提携的なものは、できる限り広範囲に進めていきたいということで話を進めているところであります。第1段階として公表できる範囲は、多分限られたものになるとは思いますけれども、それを実際に発表できるかどうかというのは、今最終段階にあるというのが現実でございます。 ご承知のように、私どもは31日にニューヨークで東証のニューヨーク事務所設立の20周年のレセプションをやることになっております。その後、できれば何とか発表ができればいいなと思っているのですが、まだ現実問題として本当に発表するかどうかは決まっていないという状況であります。 記 者 その記念のレセプション前までに、NYSE側の首脳と会うような機会というのはないのですか。 西 室 それはありますよ。私自身、先週もニューヨークに行ったので会っていますし、今度は28日、29日に世界取引所連合の理事会がパリであります。それにはニューヨーク証券取引所のジョン・セインも来ているし、そこで一緒になります。それから、30日に私はニューヨークに入ろうと思っていますけれども、30日は今のところ、ジャパン・ソサエティでスピーチをやれという話と、その他余り関係のないスケジュールがあるわけですが、その間にも電話でも話もするし、直接会っても話をするということは十分あり得ると思っています。
東京証券取引所とNYSEグループの提携については既に、昨年10月27日や今年1月12日に一部メディアから報道されている。東証側は協議をしていることを認めていて、提携の内容以下のようなものが報道されているが、まだNY証取側からはコメントは特に出ていない。 【過去に報道された提携内容】  ・テロ対策などの危機管理面の提携  ・売買システムなどの技術面の提携  ・株価指数連動型ETFの相互上場 24日付のウォールストリート・ジャーナル紙は、月末のニューヨーク事務所設立20周年レセプションの後で可能性は50%と報じている。 一部の報道では、両トップの会談では株式の持ち合いなどにも踏み込んでいるという話も出ているので、世界の証券取引所の再編に関連するような資本提携に発展する可能性もありそうだ。