SBIホールディングスの北尾吉孝CEOは、2007年3月期 SBIグループ 第3四半期決算合同説明会の場で、2月を目標にPTS認可の取得手続きを行っているSBIジャパンネクスト証券準備株式会社を紹介した。北尾氏は、東証のライブドアショックでの取引時間短縮や大証の新規公開凍結に対して「こんな国が、どうして世界の金融立国になれるんですか?」と批判し、儲けるためではなく日本が金融立国を目指すために最新鋭の取引所システムでPTSを作ると述べた。
・SBIホールディングス [2007年3月期 SBIグループ 第3四半期決算合同説明会](動画再生有り)
(スライド番号75から、PTSの件について話をしている。)



このPTS、どうしても作っていかなければいけない。日本は金融立国を目指していくべきだと思っている。どんどんと産業分野、とくに製造業はBRICsの国々に追いやられていきますよ。そういった時に日本が、この1億2,3千万の民をどうやって外貨を稼ぎながら食っていくんだということを考えた時に、日本は金融立国を目指すべきだ。かって英国が七つの海を支配し、そして英国の領土に日没する時はないと言われて、そしてそれからしばらくして英国病。どうやって英国は食っていくんだ。次々と植民地は独立していく、そこに光を与えたのは英国のシティと。まさに金融立国を目指す、それともう一つは北海の油田だった。日本は油田に頼るわけには行かないですよね。金融立国しかない。その金融立国を目指す日本、目指さないといけない日本が、東証はライブドアぐらいでパンクする。大証と時差を30分も作る。そしてアービトラージャーの餌食になる。こんな馬鹿なことをしちゃう。誤発注。前代未聞の誤発注。今なお訴訟継続中。新規公開がちょっと増えたら、大証はパンクで新規公開凍結。こんな国が、どうして世界の金融立国になれるんですか?取引所のシステムを根本的に最新鋭のものに変えなければいけない。そういう私の思いがPTSをまず作ろうということに繋がった。作るからには最新鋭のシステム、すなわち欧州取引所連合であるユーロネクストはじめ世界20以上の取引所に取引所システムを提供しているAtosEuronextと契約を結んで、そして日本にPTSを作るということにしたんです。PTSの専業証券会社。 もう、ネットだけじゃない。日本のこのマーケットで活動している全ての会社に利用してもらいたい。それだけ実績のあるマッチングエンジンだということであります。そしてまた私どもは、それによって儲けるんだと、そういうつもりは毛頭ない。私どもは私どもがとりあえず100%でスタートしますけども、私どもの持分シェアはどんどんと業者さんに渡していくつもりであります。これは、儲けるためにやるんじゃない。日本のために必要なことだと、腹の底から私は長い間、資本市場にお世話になったものとして思っているわけであります。SBIジャパンネクスト証券準備株式会社が2月に認可取得を目指しているPTSには、SBIホールディングス傘下のSBIイー・トレード証券、SBI証券、そしてネット証券の楽天証券、オリックス証券、GMOインターネット証券の参加が見込まれているが、今回のプレゼンテーションで実名が載っていた証券会社はSBIイー・トレード証券だけだった。PTS運営開始を少しでも早めるために当初はSBIイー・トレード証券だけが先行してPTS接続し、その後に他の証券会社が参加することもありそうだ。 また、一時SBIイー・トレード証券や楽天証券などのPTS連合が大阪証券取引所に提携を申し入れているという報道があったが、北尾氏が大証の新規公開凍結を非難したことから、提携の可能性はなくなったのかもしれない。 ジャパンネクストPTSは、個人投資家の売買代金で5割を超えるシェアを確保できる見込みだが、カブドットコム証券や松井証券のPTSとは反対に、PTSでありながら東証や大証に対して真っ向勝負を挑むと見られる。NYSEと将来的な資本提携の可能性も含めて関係強化を図る東証に対して、儲けない主義のジャパンネクストPTSがつけ入る隙はあるだろうか。



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