証券取引等監視委員会は、2月9日に金融庁に対して、リテラ・クレア証券に法令違反の事実が認められたとして、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。
リテラ・クレア証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について 平成19年2月9日 証券取引等監視委員会 -------------------------------------------------------------------------------- 1 勧告の内容  関東財務局長がリテラ・クレア証券株式会社(東京都中央区、代表取締役社長 鈴木 忠宏、資本金37億円、役職員262名)を検査した結果、下記のとおり当該金融先物取引業者及び当該金融先物取引業者の使用人に、法令違反の事実が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分及びその他の適切な措置を講ずるよう勧告した。 2 事実関係   ○ 広告において表示すべき事項を表示していない行為  リテラ・クレア証券株式会社執行役員インターネット企画部長は、その業務に関し、平成18年3月31日から同年10月1日までの間、約58千通送付したダイレクトメールのほか6種類の媒体によりその行う金融先物取引業務についての広告を行うに際し、金融先物取引法第68条に基づき表示すべき事項を表示しないまま広告を行っていた。  当該金融先物取引業者及び当該金融先物取引業者の使用人が行った上記の行為は、金融先物取引法第68条第1号から第4号まで並びに同条第5号に規定する金融先物取引法施行令第13条第2号に違反すると認められる。
リテラ・クレア証券が違反してしまったという金融先物取引法第68条を見てみよう。
(広告において表示すべき事項) 第68条 金融先物取引業者は、その行う金融先物取引業の内容について広告をするときは、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を表示しなければならない。 1.金融先物取引業者の商号又は名称及び登録番号 2.金融先物取引の受託等について顧客から手数料を徴収する場合にあつては、その手数料の料率又は額 3.顧客が行う金融先物取引(第2条第2項第3号に掲げる取引にあつては金融オプションを行使することにより成立する同号イからハまでに掲げる取引をいい、同条第4項第3号に掲げる取引にあつては同号の権利を行使することにより成立する同号イ及びロに掲げる取引をいう。)の額(取引の対価の額又は約定数値に、その取引の件数又は数量を乗じて得た額をいう。)が、その取引について顧客が預託すべき委託証拠金その他の保証金の額に比して大きい旨 4.顧客が行う金融先物取引について、通貨等の価格又は金融指標の数値の変動により損失が生ずることとなるおそれがあり、かつ、当該損失の額が委託証拠金その他の保証金の額を上回ることとなるおそれがある旨 5.前各号に掲げるもののほか、金融先物取引業の内容に関する事項であつて、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして政令で定めるもの
条文によると金融先物取引の広告を作る際には、いくつかの制約(記載しなければならないこと)があるようだが、本来は広告を作った時点で必ず法令違反がないかチェックをする必要があったのだろう。リテラ・クレア証券では、チェックする体制が無かったか、機能していなかったのかもしれない。 リテラ・クレア証券は、リテラFXという外国為替証拠金取引サービス(くりっく365)を行っているので、2006年3月27日に金融庁から金融先物取引業者の登録を受けている。(関東財務局長(金先)第124号) もし行政処分で業務停止命令が出ればリテラFXの営業が停止することもありえるが、広告の表示不備程度なので、おそらく業務改善命令にとどまるのではないだろうか。 それにしても、手数料の額も掲載しなかったというのは不思議な話だ。いったいどんなダイレクトメールだったのだろう。