SBIホールディングスは、同社とゴールドマン・サックス・グループ・インクが50%ずつ出資している、SBIジャパンネクスト証券がPTS運営業務にかかる内閣総理大臣の認可を取得したと発表した。7月中にもPTSでの株取引が開始される可能性が高まってきた。
■ SBIジャパンネクスト証券株式会社による私設取引システム(PTS)の運営業務に係る認可の取得について
(ジャパンネクストPTSの概要) 取扱銘柄 : 国内証券取引所に上場する銘柄のうち当社が指定する銘柄(約4,000銘柄、ただし、当初はある程度絞る予定) 取引時間 : 毎営業日の午後7時から午後11時50分まで(午後7時から注文受付を開始するとともに取引を開始し、取引は午後11時50分まで継続的に行います。) 注文の種類 : 指値注文のみ 売買価格の決定方法 : 顧客注文対当方式(顧客から受付けた指値注文は、価格優先及び時間優先の原則に従い取り扱われ、顧客の提示した指値が、取引の相手方となる他の顧客の提示した指値と一致する場合に、その指値を用いて売買を成立させます。) 約定日及び決済日 : 売買取引が成立した日を約定日とし、約定日から起算して5営業日目に決済を行います。但し配当落ちまたは権利落ちとして定める期日の売買については、当該約定日から起算して6営業日目に決済を行なうものとします。6月20日にSBIチャンネルで北尾吉孝SBIホールディングスCEOがコメントしたとおり、6月中にPTSの認可は下りた。後は、システムテスト及び業務プロセスの確認作業だけなので、SBIイー・トレード証券での夜間PTS取引開始は7月中の可能性が高まってきた。 ジャパンネクストPTSの利点は何といっても、業界シェアNo1のSBIイー・トレード証券のもつ流動性だろう。これは先行しているマネックス証券やカブドットコム証券を上回り、さらに楽天証券、オリックス証券、GMOインターネット証券の参加が見込まれ売買の活発さでは圧倒的に優位に立ちそうだ。 逆に、気になる点としては、注文方法が指値だけであるということが挙げられる。これはオークション方式のカブドットコム証券のPTSに比べるとかなり見劣りする。また決済が約定日から5営業日目であることは、4営業日目のカブドットコムはもちろんのこと、即時決済の松井証券のPTSより劣っている。権利取りの時には注意が必要であるとともに、出金可能額に反映するまでに時間がかかる点、受渡しリスクが少し長くなることはデメリットとして認識しなければならない。 とはいえ、国内最大規模のPTSになることが間違いないと思われる「ジャパンネクストPTS」には大きな期待が寄せられる。もしジャパンネクストPTSが成功しないとなれば、「やっぱりPTSは無駄だった」、「夜間取引は東証じゃないとだめだ」、あるいは「所詮、夜間取引のニーズはこんなものだ」ともなりかねない。どうせやるなら、ぜひ既存の取引所をあせらせるぐらい成功してしまってほしいものだ。(もちろん安定的に稼動・運営されることが前提だけど)
コメント
顧客注文対当方式だから、オークション方式じゃないよ
マーケットの価格決定方法としては3番目、オークション、マーケットメイクの次のランク。
オークションのように取引所になっていくという流れはない簡易なPTSかと。
でも、楽しみですね
ジャパンネクストPTSは、注文方法が指値に限定されますが、証券会社の参入障壁は比較的低いと考えています。
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