ようやく、最後。総会終了後のカブ四季総会東京の経営報告会には出席しなかったが、カブドットコム証券のホームページにその時の質疑応答の内容が掲載されている

その4の内容は、PTSの手数料、三菱UFJ証券との住み分け、MRF廃止について、FXについて、所信表明について、特許料収入の損益計算書の項目。

延べ22人からの質疑応答の後、決議が行われ、全ての会社側提出議案が可決された。
カブドットコム証券株主総会(2007) 質疑応答内容(その1)
カブドットコム証券株主総会(2007) 質疑応答内容(その2)
カブドットコム証券株主総会(2007) 質疑応答内容(その3)
・カブドットコム証券株主総会(2007) 質疑応答内容(その4)

■株主総会 質疑応答内容(その4)
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▼17.PTSの手数料が安い。自前のシステムだから安くできると思うが、378円というのは適正価格なのか?378円で電気代とか人件費を賄える価格なのか?

(斉藤社長)原価が事実上ないので、他のマーケットと比べると下げやすいという事情はあります。見ていると1単位で約定する人が多く、取引額が少なくなります。昼間の取引では、わりと大口がダイナミックに取引して、割安になる手数料になっているのですが、夜間ですと大口がほとんど無いので、夜間取引の手数料率というのは株主様が思っていらっしゃるほど、馬鹿安でもないです。それほど再三度外視の手数料でもないです。ちゃんと計算をして、極端に昼間の手数料から説明できないようなディスカウントはしてないです。それをしてしまうと金融庁からおかしいのではと突込みが入ってきます。

▼18.三菱UFJフィナンシャルグループの傘下に、カブドットコム証券と三菱UFJ証券があるが、テレビ広告をどちらかがやると、どちらかが凹むようなことになるので、気兼ねしてできないのでは? もう一つは、店頭証券に比べてネット証券は若干情報提供が少ない気がするので、もっと多くしてほしい。

(斉藤社長)今まで仰られた部分が全く無かったかと言うと、三菱UFJ証券さんが先に上場していて利益相反ということもありますし、きっちりできたかと言うとまだまだだったと思うのですが、昨年、三菱UFJ証券とIPOとかPO関して包括提携をしています。当社は個人向けの販売は整備しているのですが、法人向けの営業、IPOを取ってくるというところは弱かったです。だったら当社の販売網を活かしてもらう形で、三菱UFJ証券が営業をしてきましょうという提携をして、実際に本数が増えてきています。これ以外にも互いに得意な分野がありますので、連結子会社化後は連携していきます。三菱UFJ証券は今年の総会で三菱UFJフィナンシャルグループの完全子会社になりますので、今後の連携は深まっていくのではないかと思います。ネットと店頭に強い証券会社ですと、取り扱う商品も段々と変わっていくと思います。従来は証券会社は、証券会社が扱う商品を扱ってきましたが、金融商品取引法が施行されると、個人向けの金融商品を銀行でも証券でも保険でも扱えるようになり垣根が無くなってくるという時に、窓口のお客様はどういったものを求めるのか、ネットのお客様がどういうものを求めるのかというように、説明が必要なものは対面が強いと思いますし、一方で説明の必要性が少ない株式などですが、デジタル属性のものは段々ネットに寄ってくるのではないかと考えております。そういった意味で、住み分けとかチャンスは分かりやすい形になっていくのではないかと思います。2点目の情報のことに関しては、三菱UFJ証券様で配布しているアナリストレポートは、当社のホームページで無料でご覧になることができます。逆にネット証券ならではのメールでのご連絡とあわせて情報を出していくということはいろいろできると思いますので、今後も私たちしかもっていない情報を少しでもお客様に提供できるように情報システムを拡充していきたいと思っています。

▼19.昨年度MRFをやめたことは、他社にらべて不利な条件を選んだように思うが、経営判断としてはどう考えているのか?

(斉藤社長)確かにMRFを期待されて購入したお客様からするとマイナスな面が出てくる可能性はあると思います。なぜやったかというと、MRF自体の特色でもあるのですが、まだ開始できていないのですが、銀行代理店業の開始を踏まえて、銀行・証券をカードで一元化していくようなサービスを目指しております。実際のところ、MRFの廃止により、出金時間が延長できています。これをもっと延ばしていきます。そういう意味では全てお客様にとってマイナスになるというわけではないです。PTSやFXで夜間取引が増えてくると、MRFは24時が締めでそれを過ぎたら一切翌日になってしまいますので、銀行の口座・カードでポイントやお金をスイッチするために制約を取っ払いたかったことがあります。投資信託も1円から投資ができるもっと利回りがいい商品が増えてきますので、MRF以外の代替商品を提案していきたいと考えています。また、MRFの廃止により当社の金融収支の改善も見込まれますので総合的に判断して、MRFの役割が終わったのではないか、夜の経済活動とか投信の拡充で、お客様にとっても株主様にとってもベストだったのではないかと考えていますのでご理解のほどよろしくお願いします。

▼20.FXの口座数は? サービスの拡張の見込み、収益への影響は?

(斉藤社長)FXの口座数は5月末で3900強でした。6月も順調に伸びてましてもう5千口座ぐらいになってまして、毎月順調に伸びていくのではないかと思っています。取引に関しても5月の初動から順調に滑り出してまして、6月は単月で大黒字になってシステム投資を回収できる見込みです。具体的に申しますとオプション取引を凌駕するぐらい、まだ日経平均先物とかの手数料収入にはなっていないのですが、先物に続く収益の柱になりそうな初動になっています。今後の拡充なのですが、FXの手数料の値下げでありますとか、情報サービス、専用ツール、携帯サービスの拡充、自動売買、一括返済機能、通貨ペアの拡充など、様々なことを検討しております。金融商品取引法の施行により9月から証券と同じ扱いになりますので、予想ではおそらく税制が変わっていって近い将来、先物オプション、FXに関しましても、特定口座で損益通算ができるようになりますので、それを踏まえて、当社ではカブボードランキングと言いまして、為替の口座を作っていただきますと、為替のチャートとか、どの通貨がどの銘柄に影響するのかという情報を提供していますので、税制にしても情報にしても合わせ技を出していきたいと思いますのでご期待ください。

▼21.Meネット証券との合併の時の説明会で、斉藤社長が「うちはMUFGグループの中で唯一MUFGが付かない社名で、ユニークだ」と言っていたが、TOBで連結子会社化され保守的になっているように見られたり成長性が無いように見られているのでは?あらためて斉藤社長から、再任されるにあたって、カブドットコム証券の執行役員として何ができるのか、何をしたいのかという、所信表明、決意のようなものを聞かせてほしい。もう1つ、モニタの解像度が高いのでスーパーチャートの文字が小さくて見づらい。

(斉藤社長)経営報告会でも改めて所信表明するつもりでございますが、まずユニークという評価をいただいてありがとうございます。当社は差別化戦略を重要視してやってきました。ネット証券で唯一出遅れ銘柄としてM&Aを繰り返し、この間自前のシステムと自前のコールセンターをつくり、先行投資は終わってますし、金融商品取引法という手数料自由化よりも大きなことになるかもしれない中で、三菱UFJフィナンシャルグループ、日本最強というか世界で何番目の強い金融グループのインフラを使いやすいというすごいおいしい立ち位置にいます。昨年度そういった種を蒔いてきましたので、今期はきっちり決算の数字に表れてくるようにしていきたいと思います。そうするとEPSも上がってきて、今6千円強ですかね、が7千、8千、9千、1万となってくれば、バリエーションがよくなってきますし、PERについても、ネット証券で一括りにされているのを感じていますので、目に見える形で株価政策も、IRも少しでも多くの人たちに広げていきたいと思います。スーパーチャートのフォントについては、相当高い解像度でやられていると思うのですが、お客様のほうでカスタマイズできるようにするとか、ユニバーサルなサービスにできるようにしていきます。所信表明ということで一つ言わせていただきますと、当社ホームページのリニューアルの準備を進めています。これはかなり革新的だという自負をしていまして、今の資産の状況がリアルタイムでチカチカしたりするなど、要望をいただいていた残高照会がわかりやすくなります。今準備を進めていますので、三菱UFJフィナンシャルグループとの関係強化と去年種をまいたPTSがいよいよ1年たって結果を出さなければならない、このタイミングで、もう1年信任させていただいて、来年は「昨年と違うじゃないか」という突込みがあるのではないかなと思いますので、よろしくお願いします。

▼22.特許料収入は損益計算書ではどの項目に含まれているのか?

(斉藤社長)営業外収益に計上されています。今後、個別の項目に出すと思うのですが、会計士の方たちと相談しながら適切な会計処理をしていきたいと思います。

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(終)

カブドットコム証券株主総会(2007) 質疑応答内容(その1)
カブドットコム証券株主総会(2007) 質疑応答内容(その2)
カブドットコム証券株主総会(2007) 質疑応答内容(その3)
・カブドットコム証券株主総会(2007) 質疑応答内容(その4)

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