
日経新聞(電子版)によると、岡三オンライン証券の手数料値上げの発表について、SBI証券など他の6社は、手数料値上げへの追随を否定したとのことです。
■日本経済新聞 電子版
岡三オンライン、手数料引き上げの波紋
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO64468750S3A221C1NN7000/
岡三オンライン証券の手数料値上げについては、12月9日に発表されており、なぜ今頃になってニュースになるのかという気がしますが、SBI証券など他の6社が値上げへの追随を否定したという点は、大方予想されていたとはいえ、日経が裏を取ってくれた新情報です。(その点だけは日経を評価します。)
ということで将来、他の6社が手数料を値上げした時に「裏切られたー」と思い出せるように、しっかり記憶しておきましょう・・・
さて、岡三オンライン証券の手数料値上げは、ネット証券業界の潮流ではなく、同社のみの事情であることは明らかになりました。
同社が手数料値上げに踏み切った理由として考えられるのは、アベノミックス相場で活況になったのにもかかわらず、あまり利益が増えなかった(予想)ということだと思います。
加えて、取引量が増えるに連れてシステムへの負荷も大きくなり、手数料の安さに惹かれて集まったデイトレーダーを引き続き抱え込むには、かなりのシステム増強(コスト増)が必要だということに経営陣が気づいてしまったのでしょう。
他の証券会社は岡三オンライン証券よりも歴史が古く、システム投資も繰り返してきているので、今年の相場でもライブドアショック以前のような危機的な状況にはなっていません。(もちろん障害が無かったわけではない)
取引量の急増に直ちに対応するシステム投資を思い切って実施して、手数料値下げ路線を継続するという経営判断は、岡三オンライン証券の経営陣にはできなかったのでしょう。
他のネット証券6社は比較的トップダウン型の経営がされており、「システム障害で叩かれては増強し」、「閑散相場は我慢する」を経験して主要ネット証券として生き残ってきました。そうではない会社は廃業・吸収・方針転換の道を歩みました。(ライブドア証券→かざか証券は例外ですが)
岡三オンライン証券は、「低価格の手数料」に代わって今後は「投資情報の充実」を売りにするようですが、これは逃げの戦略です。もう主要ネット証券の枠からは外れたと言っていいでしょう。ジョインベスト証券→野村ジョイと同様に、岡三証券へ合流する可能性は高いと思います。
日経の記事にあった「自社への顧客流入が期待できる」という声のとおり、2014年は岡三オンライン証券の顧客を他の6社とライブスター証券あたりが争奪する戦になるでしょう。ただし岡三オンライン証券のシェアは3%(2013年11月時点)。1社平均0.5%ですからインパクトは小さいです。
2014年のネット証券業界は、「岡三オンライン証券の顧客の動き」、「NISA」、「松井証券の投資信託販売の実現性」、「夜間取引の実現性」あたりに注目していきたいと思っています。
岡三オンライン、手数料引き上げの波紋
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO64468750S3A221C1NN7000/
SBI証券など他の6社は値上げへの追随を否定。「活況相場で収益が増えているのに値上げとは」と驚く声や「自社への顧客流入が期待できる」と歓迎する声も聞かれる。
岡三オンライン証券の手数料値上げについては、12月9日に発表されており、なぜ今頃になってニュースになるのかという気がしますが、SBI証券など他の6社が値上げへの追随を否定したという点は、大方予想されていたとはいえ、日経が裏を取ってくれた新情報です。(その点だけは日経を評価します。)
ということで将来、他の6社が手数料を値上げした時に「裏切られたー」と思い出せるように、しっかり記憶しておきましょう・・・
さて、岡三オンライン証券の手数料値上げは、ネット証券業界の潮流ではなく、同社のみの事情であることは明らかになりました。
同社が手数料値上げに踏み切った理由として考えられるのは、アベノミックス相場で活況になったのにもかかわらず、あまり利益が増えなかった(予想)ということだと思います。
加えて、取引量が増えるに連れてシステムへの負荷も大きくなり、手数料の安さに惹かれて集まったデイトレーダーを引き続き抱え込むには、かなりのシステム増強(コスト増)が必要だということに経営陣が気づいてしまったのでしょう。
他の証券会社は岡三オンライン証券よりも歴史が古く、システム投資も繰り返してきているので、今年の相場でもライブドアショック以前のような危機的な状況にはなっていません。(もちろん障害が無かったわけではない)
取引量の急増に直ちに対応するシステム投資を思い切って実施して、手数料値下げ路線を継続するという経営判断は、岡三オンライン証券の経営陣にはできなかったのでしょう。
他のネット証券6社は比較的トップダウン型の経営がされており、「システム障害で叩かれては増強し」、「閑散相場は我慢する」を経験して主要ネット証券として生き残ってきました。そうではない会社は廃業・吸収・方針転換の道を歩みました。(ライブドア証券→かざか証券は例外ですが)
岡三オンライン証券は、「低価格の手数料」に代わって今後は「投資情報の充実」を売りにするようですが、これは逃げの戦略です。もう主要ネット証券の枠からは外れたと言っていいでしょう。ジョインベスト証券→野村ジョイと同様に、岡三証券へ合流する可能性は高いと思います。
日経の記事にあった「自社への顧客流入が期待できる」という声のとおり、2014年は岡三オンライン証券の顧客を他の6社とライブスター証券あたりが争奪する戦になるでしょう。ただし岡三オンライン証券のシェアは3%(2013年11月時点)。1社平均0.5%ですからインパクトは小さいです。
2014年のネット証券業界は、「岡三オンライン証券の顧客の動き」、「NISA」、「松井証券の投資信託販売の実現性」、「夜間取引の実現性」あたりに注目していきたいと思っています。