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カブドットコム証券斎藤正勝社長は、2013年度第3四半期決算説明会の中で、「NISA口座の開設に最低6週間かかるため顧客からクレームがきている。」と述べました。税務署での事務処理に時間がかかっているとのことです。



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2013年度第3四半期 決算説明会動画決算説明資料(PDF)

カブドットコム証券斎藤正勝社長「開設が完了して実際に買付けが可能になった口座数と、申請中を含む口座数(要は税務署に申請していて、まだ返事が返ってきていない分を含む口座数)が12月末の時点で1万6000ぐらいのギャップがあるわけですけど、1月に入ってどんどん広がっている。」

「今、日本中の証券会社でどういうことが起こっているかというと、NISAの申込みを頂くと、最短でも6週間ぐらいお待たせしてしまう。証券会社の事務処理が極めて遅いわけではなく、証券会社の事務は半日、1日で終わるんですけど、税務署の照会で最低6週間、年末年始もあって7週間、今申し込まれても買えるのは3月という状態なので、いろいろな理由がありますが、根本的にはマイナンバーを使わないと解決しないかもしれない。」

「NISAの買いが増えてますという新聞報道がありますが、事実なんですが、実体としてはお客様をお待たせしてしまって、クレームをいっぱい頂戴しているという状態です。」


NISA口座の開設プロセスは、(1)投資家が銀行や証券会社などの金融機関に申込みをし、(2)金融機関がさらに税務署に申請を行い、(3)税務署が「非課税適用確認書」を金融機関に交付して、完了するようになっています。

カブドットコム証券に限らず、現在税務署の手続きで最低6週間かかる状況になっているそうです。これはNISA口座を開設したい投資家が非常に多いということも理由の1つですが、年末年始で税務署が休みだった期間に申請が溜まっていたということや、そもそも「非課税適用確認書」の交付の事務手続き自体が時間がかかるものだということも理由として考えられます。

6週間もかかっては投資家側からクレームが来るのもしかたのない状況と言えますが、税務署の担当者も大変なのではないでしょうか。早急にマイナンバー導入する等、手続きの簡略化が必要だと思います。そうでないと来年以降も毎年同じことが繰り返されます。

もっとも、今年に関しては株価が年初から値下がりしている銘柄が多くなっているので、口座開設が遅くなったのは不幸中の幸いだったということになるのかもしれません。また、年末年初に小型株指数やJASDAQ平均が上昇した背景にNISAがあると専門家が分析していましたが、NISAの影響は一過性ではなく今後も断続的に続いていくことも考えられそうです。